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やっと動いた新芽!

ユーカリ中でも屈指の美しさを持ちますが、
栽培難易度も屈指の難しさといわれる
macrocarpaというユーカリがあります。

fancybox記事372の画像1

そしてその矮性種に
macrocarpa ssp. elachantha
というユーカリがあります。

fancybox記事372の画像2

さらにこのmacrocarpaの類似種の丸葉種に
rhodanthaというユーカリがあります。

fancybox記事372の画像3

これらのユーカリは非常に強烈な日光と
びっくりするような暑さと土中温度、
用土の強い乾燥力を必要とするユーカリで、
正直我が家の半日陰のベランダでは、
栽培に限界があると思われるユーカリです。

またこのユーカリの栽培に
チャレンジしている有志が他に何名かいるのですが、
今のところ、まだベストな栽培方法を
確立できたとは言い難い状況です。

我が家にも樹高90cm近いmacrocarpa
樹高120cm近いmacrocarpa ssp. elachantha
樹高50cmで横に拡がったrhodanthaがあります。

どれも我が家ではかなり大きな
7号スリット鉢に植わっていますが、
根はしっかりと張っており、
鉢底のスリットからは根が見えています。

パッと見は決して悪い状態には見えないのですが、
約2年間、三者ともピクリとも動かず、
1ミリたりとも成長が進みませんでした。

まるで時が止まっているかのような感じです。

元々かなりデリケートなユーカリたちで、
ほんの少しの管理ミスで枯れてしまうこともあるので、
昨年まではあまり思い切った実験はできませんでした。

ただこのまま何年も動きがないのは困るので、
今年は色々と改善案を実行してみようと思っていました。

まず私はこれらのユーカリが
過湿に非常に弱いことを良く知っていますし、
どのくらいの過湿で枯れてしまうのかも経験済みなので、
過湿が原因でないことはわかっています。

もし過湿が原因である場合は、
根の張りが進むことはありえません。

ここで考えられることといえば、
肥料分が不足していることか、
逆に水が足りなさすぎることくらいでした。

よってこの二つに対して、
対策を実行することにしました。

内容は下記の通りです。

------------------------------------------------------------
1. 成長期に入ってから適宜液肥を与える
2. 最高気温が25℃を超えるようになってから、
  用土の表面とスリットから見える用土が乾いたタイミングで、
  しっかりとたっぷり用土表面から水を与える。
------------------------------------------------------------

1についてはさほどのリスクはありません。
気を付けることといえば、リン酸分の与えすぎと、
用土のpHに大きな変化が起きないようにするだけなので、
要するに肥料を与えすぎないようにすれば良いだけです。

2については、まだ根の張り切っていないこれらの品種の場合、
ヘタをすると過湿になってしまう可能性のある水分量です。
最悪毎日観察すれば、枯死は避けられるでしょうが、
元々動きの全くない株に大きなダメージを与えてしまう可能性もあります。

でも、このまま全く動きが無ければ、
古い葉はどんどんと汚くなっていき、
いつかは散ってしまうことになります。

思い切って上記をしっかりと実行することにしました。

・・・


その結果!

全ての株で約2年ぶりに動きがありました!


まずmacrocarpa
株の上部二か所から新芽が生じて、
株元のRigno-tuberからも新芽が出だしました。

fancybox記事372の画像4

fancybox記事372の画像5


そしてrhodantha
これは株元のRigno-tuberから
たくさんの元気な新芽が出だしました。

fancybox記事372の画像6

fancybox記事372の画像7

真ん中の色褪せた葉が古い葉で
両サイドの鮮やかな葉が新芽です。


最も大きな動きがあったのが
macrocarpa ssp. elachanthaです。

二か所で大きな新芽が発生して、
かなりのスピードで成長が進んでいます。

fancybox記事372の画像8

fancybox記事372の画像9


肥料が結果に結びついたと思われるでしょう。

でも実は昨年までも肥料を、
全く与えていなかったわけではありませんでした。

マメな液肥は確かに成長に拍車をかけたでしょうが、
恐らく2の「水を与えなさすぎた」が一番の要因のように思います。

何故かというと、この新芽が出だしてから、
試しに昔通りの少ない水遣りに戻してみました。

すると新芽がたちまちヘタってしまったのです。

元々これらのユーカリは乾燥耐性が非常に高く、
特にしっかりと育った硬い葉は、
少々水が切れたくらいでは、びくともしません。
ところがまだ柔らかい新芽はすぐに水切れの症状が出るわけです。

新芽がヘタっているということは、
生存可能な水分量は何とか確保できているが、
成長を進めるための水分量は確保できていなかったと考えられます。

新芽のヘタり具合を見るに、
昨年までの水遣りに1.5~2倍程度追加で水を与えれば
成長が進むことが分かりました。


私は今までに日照の悪いベランダで、
過湿に悩まされ続けてきました。

そのため、とにかく乾燥力を上げる工夫と、
水切れギリギリで育てることで、日照の悪い場所でも
根張りが良くなる工夫を実践してきました。

この工夫はまだ根の張り切っていない
初期の状態の株には非常に有効でした。

ところが今回、しっかりと根の張り切った
勢力旺盛な株を成長させるためには、
さらに水が必要であったことに気づきました。

その他の根張りの良い品種についても、
もう少し水遣り頻度を増やしてみたところ、
変な新芽の枯れが少なくなってきたように思います。

ただ、それでもこちらの記事gamophyllaのように、
油断すると過湿で枯らせてしまうこともあるので、
本当に水分管理は難しいですね。

まだまだ精進あるのみです。
でも本当に動きがあって良かったです


最後に液肥のおこぼれと水分量の増加で
新芽の成長が旺盛になったユーカリたちです。
※これらの品種は毎年動きがあります。

fancybox記事372の画像10

gongyrocarpaです。
毎年冬に傷んだ葉をほとんど散らせて、
春以降に激しく新芽を吹きます。
そのため、あまり最高樹高が変わりません。


fancybox記事372の画像11

今年は液肥が効いたか!
例年以上に勢力旺盛なcordataです!

# by eucalyptus_k | 2015-07-13 18:26 | ユーカリ(栽培知識)
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またまた水切れ…今度はcrenulata

またまたでかい株の水切れを出してしまいました。
その品種とはEucalyptus crenulataです。

実はちょっと前に体調不良で水遣りに間隔ができた時、
軽く新芽が萎れているのには気づいていたのですが、
すぐに水を与えたので大丈夫と思っていました。

ところが昨日良く見てみると
かなり広い範囲の枝葉が枯れていました。

この場合枯れた枝葉の量が多く、
それと同時に元気な枝葉の量も多かったので、
枯れた枝葉を即取り除くと同時に、
成長期に向けた剪定も兼ねて刈り込みました。

写真は昨年のものですが、
枯れる前にはこれ以上のボリュームがありました。

fancybox記事371の画像1

ところが枯れた部分を取り除いたら
こんなに寂しくなってしまいました。

fancybox記事371の画像2

まあこれからも成長は進みますし、
成長も早く、脇芽も多く出る品種ですから、
早い段階にある程度の復活を遂げてくれると思います。

ただ今後もcrenulataの水切れには
十分に注意が必要だと強く認識しました。

確か水が切れているなと気づいたのは、
5月下旬の暑い日が続いた頃だったと思います。

体調不調もあって、外は雨が降っていたので、
確か二日程水遣りをお休みしていました。
※株は雨のかからないところに置いています。

我が家のほとんどの株は基本6号鉢に植わっていますが、
crenulataは元々水切れが早いため、
我が家では異例の7号鉢に植わっています。

二日休んだ水遣りでは、
ポット苗で少し項垂れていたものはありましたが、
水切れで枯れの出たものは、他に一種もありませんでした。

crenulataは他よりも大きな鉢に
保水性の高い土で植わっているにも関わらず、
見事に水切れで枯れを出してしまいました。

どれほど吸水量が激しいかがわかります。

私の親の実家でも何株か育てていますが、
毎日必ず一回の水遣りを行っているにも関わらず、
毎年必ず葉先に水切れのサインである枯れが出ます。

あまりに水切れが早いので、
機会があれば、保水性の高い用土に変更して、
さらに大きな鉢に植えた方が良いと話していました。

我が家のcrenulataは、剪定をサボっていたことにより、
かなり葉数が多かったこともあるでしょうが、
基本春以降は毎日の水遣りが必須になるといえます。

余程栽培環境を整えないと、
おちおち旅行に行くこともできなくなります。

とにかく吸水量が凄いということに加えて、
水切れに対する耐性が恐ろしく弱い品種です。
その分、過湿に対する耐性も非常に高いのですが、
こんな品種は他にはあまり思いつきません。

fancybox記事371の画像3

crenulataは栽培品種としてはメジャーですが、
実は現地では絶滅危惧種として扱われています。

オーストラリアの降水量は年々減少していて、
将来的な水不足が懸念されていると聞きます。

絶滅危惧種に指定されているユーカリは、
とても水食いなユーカリばかりです。

同じく絶滅危惧種に指定されているgunniiの一種も
降水量の激減による湿地帯の減少が大きな要因だそうです。

crenulataについても、
この強烈な吸水量と水切れ耐性のなさが、
絶滅危惧種として扱われている要因の
一つではないかと思っています。

# by eucalyptus_k | 2015-06-15 18:48 | ユーカリ(栽培知識)
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枯れた枝葉の整理

先日こちらの記事で公開させていただいた
枯らせてしまったかも?と思っていたのに
何とか新芽が出てきた、
polyanthemos ssp vestitaについてのお話です。

fancybox記事370の画像1

上記の記事では、枯れた枝葉の除去は
------------------------------------------
現在出てきている新芽の成長が進み、
丁度枯れている枝葉の面積と同程度以上になり、
枯れている枝葉を隠すようになってきた頃に
そろそろ取るかという感じでのんびりやります。
------------------------------------------
このような感じで行うと書かせていただきました。

そして成長が極めて順調な場合は夏前、
通常であれば秋口に取り除く予定と見積もっていました。

私がいつも大きな株を枯らせてしまう時期は梅雨~夏が多く、
その頃ですと、かなり成長期からずれていることになるので、
多くの場合、復活後の枯れ枝の除去は、
翌年の春以降になることが多いのです。

ところが今回のpolyanthemos ssp vestita
私には珍しく早春に枯れを出してしまっていたので、
復活後に即成長期を迎えることになりました。

そしてなんと、先日の新芽がどんどんと成長を進め、
短期間で枯れた枝葉を邪魔だと感じる程に大きくなったので、
当初の見積よりも遥かに早い時期の除去と相成りました。

fancybox記事370の画像2

fancybox記事370の画像3

fancybox記事370の画像4

枯れた枝葉を完全に除去した状態です。
ここまでくればもう安心と言えますが、
まだ水遣りは本来よりも若干控え目に行います。

このような柔らかい新葉であれば、
水切れのサインは即わかるので、
毎日観察していれば問題はありません。

実は私が枯らせてしまう場合、
過湿による根腐れが原因になることが多いので、
復活の確率はかなり低くなっていました。

今回こんなに強烈に復活してきたのは
本当に初めての経験とも言えますので、
正直かなり感激しています。

これから夏に向けて、しっかりと日光に当てて、
白みの強い丈夫な葉を作っていきたいと思います。

# by eucalyptus_k | 2015-06-10 17:56 | ユーカリ(栽培知識)
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ユーカリ・トルクァータ(torquata)満開

先日開花速報をお伝えした、
Eucalyptus torquataが満開になっています。

fancybox記事369の画像1

満開とはいえ、元々病気がちだったため、
そこまで蕾の数が多かったわけではありませんが、
それでもピンク色の花がこれだけ咲けば賑やかになります。

fancybox記事369の画像2

fancybox記事369の画像3

花びらの付いているポットも
オレンジ色をしていて良く目立ちます。

fancybox記事369の画像4

fancybox記事369の画像5

花の時期はそれほど長くはないのですが、
我が家のベランダを華やかにしてくれています。

次シーズンもまた
たくさん咲いてくれると嬉しいな


fancybox記事369の画像6

fancybox記事369の画像7

# by eucalyptus_k | 2015-06-08 00:57 | ユーカリ(花と蕾)
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今年も枯らせてしまった!?

私の管理不行届きが原因ですが、
さすがに150種近くもあると
どうしても管理忘れが出てきます。

最近は毎年1~2種程度、
比較的大きな株を枯らせてしまいます。

最も枯らせることの多い時期は
急に湿度の上がる梅雨前後であったり、
急に水切れの早まる夏季なのですが、
今年は春先早々にやってしまいました。

fancybox記事368の画像1

品種はEucalyptus polyanthemos ssp vestita
ポポラスの亜種で、昨今タネが
とても手に入りにくくなっているレアな品種です。

元々少し病気がちではあったので、
水分少なめで管理していましたが、
ちょっと少なすぎて水が切れてしまったようです。。。

fancybox記事368の画像2

全体を見ていただくとわかりますが、
恐らくもうこれはダメだな...と
多くの方が思われるかと思います。

葉はもうこんな感じで完全にカリカリです。

fancybox記事368の画像3

私も正直「あちゃ~」と思いました。
恐らくこの時点で破棄してしまう方もいるかもしれません。

でも余程場所に困っているのでなければ、
ユーカリの生命力を信じて、
私はしばらく置いておくことにしています。

もちろんもう葉はダメになっていますから、
蒸散は皆無に等しいので、
水遣りは過湿にならないようにごく稀に行います。

実は枯れているのを知ったのは3月頃で、
その頃には全く気づいていなかったのですが、
本当に最近、5月に入ってから、
いくつか無事な葉があることに気づきました。

fancybox記事368の画像4

fancybox記事368の画像5

正直たくさんの枯れた葉の中のわずか6枚ですが、
これは復活するぞ!!と実感した瞬間です。

そして今朝観察してみると、
数か所から新芽が出ているのを確認できました。

fancybox記事368の画像6

fancybox記事368の画像7

fancybox記事368の画像8

ここで一安心ではありますが、
気をつけるポイントがニつあります。

一つは良くお問い合わせをいただくのですが、
これらの枯れた枝葉をいつ取り除くのかという問題です。

状況に応じて様々な方法があるでしょうが、
手が当たって取れてしまうような枝葉以外、
私は一切触りません。

何故かというと、枯れているように見えても、
まだ枝が生きていることも十分にありえます。

そのような場合、無理に切り取ってしまうと、
生きている部分にまで傷をつけてしまうことになるので、
細々と復活しようとしている生命力までをも
奪ってしまう可能性があるからです。

現在出てきている新芽の成長が進み、
丁度枯れている枝葉の面積と同程度以上になり、
枯れている枝葉を隠すようになってきた頃に
そろそろ取るかという感じでのんびりやります。

これからどの程度成長が進むかわかりませんが、
極めて成長が順調であった場合は夏前、
通常であれば秋口に取り除く予定になるでしょうか。
ちなみに真夏はあまり触らない方が良いです。

もう一つの問題は新芽が安定するまでの水遣りです。

やった!復活した!と喜び勇んで
たっぷり水を与えてしまいそうになるところですが、
無事な葉はたった6枚、小さな新芽がわずか数カ所です。

葉の量で考えてみると20cm程度の小苗と同程度です。

全体的な樹高は大きく見えるのですが、
葉数自体はとても少ないので、
20cm程度の小苗を育てているかのような水遣りで、
過湿にならないように注意しながら管理します。

とはいえ、ここでまた水切れを出してしまうと、
生命力の少ない株ですから元も子もありませんので、
新芽が大きく丈夫に育つまでは少しシビアな時期になります。

この部分は私でも失敗することがあります。
自分の経験と後は株の生命力に任せるしかありません。

もし管理が万全に近くとも、
株の生命力が尽きて枯れてしまうことだってあります。

このpolyanthemos ssp vestita
まだ復活するかはわかりませんが、
無事に復活することができた暁には
是非ともこちらでその姿を公開したいと思います。

# by eucalyptus_k | 2015-06-01 16:59 | ユーカリ(栽培知識)
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