月別の記事表示
月 
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
             

やっと動いた新芽!

ユーカリ中でも屈指の美しさを持ちますが、
栽培難易度も屈指の難しさといわれる
macrocarpaというユーカリがあります。

fancybox記事372の画像1

そしてその矮性種に
macrocarpa ssp. elachantha
というユーカリがあります。

fancybox記事372の画像2

さらにこのmacrocarpaの類似種の丸葉種に
rhodanthaというユーカリがあります。

fancybox記事372の画像3

これらのユーカリは非常に強烈な日光と
びっくりするような暑さと土中温度、
用土の強い乾燥力を必要とするユーカリで、
正直我が家の半日陰のベランダでは、
栽培に限界があると思われるユーカリです。

またこのユーカリの栽培に
チャレンジしている有志が他に何名かいるのですが、
今のところ、まだベストな栽培方法を
確立できたとは言い難い状況です。

我が家にも樹高90cm近いmacrocarpa
樹高120cm近いmacrocarpa ssp. elachantha
樹高50cmで横に拡がったrhodanthaがあります。

どれも我が家ではかなり大きな
7号スリット鉢に植わっていますが、
根はしっかりと張っており、
鉢底のスリットからは根が見えています。

パッと見は決して悪い状態には見えないのですが、
約2年間、三者ともピクリとも動かず、
1ミリたりとも成長が進みませんでした。

まるで時が止まっているかのような感じです。

元々かなりデリケートなユーカリたちで、
ほんの少しの管理ミスで枯れてしまうこともあるので、
昨年まではあまり思い切った実験はできませんでした。

ただこのまま何年も動きがないのは困るので、
今年は色々と改善案を実行してみようと思っていました。

まず私はこれらのユーカリが
過湿に非常に弱いことを良く知っていますし、
どのくらいの過湿で枯れてしまうのかも経験済みなので、
過湿が原因でないことはわかっています。

もし過湿が原因である場合は、
根の張りが進むことはありえません。

ここで考えられることといえば、
肥料分が不足していることか、
逆に水が足りなさすぎることくらいでした。

よってこの二つに対して、
対策を実行することにしました。

内容は下記の通りです。

------------------------------------------------------------
1. 成長期に入ってから適宜液肥を与える
2. 最高気温が25℃を超えるようになってから、
  用土の表面とスリットから見える用土が乾いたタイミングで、
  しっかりとたっぷり用土表面から水を与える。
------------------------------------------------------------

1についてはさほどのリスクはありません。
気を付けることといえば、リン酸分の与えすぎと、
用土のpHに大きな変化が起きないようにするだけなので、
要するに肥料を与えすぎないようにすれば良いだけです。

2については、まだ根の張り切っていないこれらの品種の場合、
ヘタをすると過湿になってしまう可能性のある水分量です。
最悪毎日観察すれば、枯死は避けられるでしょうが、
元々動きの全くない株に大きなダメージを与えてしまう可能性もあります。

でも、このまま全く動きが無ければ、
古い葉はどんどんと汚くなっていき、
いつかは散ってしまうことになります。

思い切って上記をしっかりと実行することにしました。

・・・


その結果!

全ての株で約2年ぶりに動きがありました!


まずmacrocarpa
株の上部二か所から新芽が生じて、
株元のRigno-tuberからも新芽が出だしました。

fancybox記事372の画像4

fancybox記事372の画像5


そしてrhodantha
これは株元のRigno-tuberから
たくさんの元気な新芽が出だしました。

fancybox記事372の画像6

fancybox記事372の画像7

真ん中の色褪せた葉が古い葉で
両サイドの鮮やかな葉が新芽です。


最も大きな動きがあったのが
macrocarpa ssp. elachanthaです。

二か所で大きな新芽が発生して、
かなりのスピードで成長が進んでいます。

fancybox記事372の画像8

fancybox記事372の画像9


肥料が結果に結びついたと思われるでしょう。

でも実は昨年までも肥料を、
全く与えていなかったわけではありませんでした。

マメな液肥は確かに成長に拍車をかけたでしょうが、
恐らく2の「水を与えなさすぎた」が一番の要因のように思います。

何故かというと、この新芽が出だしてから、
試しに昔通りの少ない水遣りに戻してみました。

すると新芽がたちまちヘタってしまったのです。

元々これらのユーカリは乾燥耐性が非常に高く、
特にしっかりと育った硬い葉は、
少々水が切れたくらいでは、びくともしません。
ところがまだ柔らかい新芽はすぐに水切れの症状が出るわけです。

新芽がヘタっているということは、
生存可能な水分量は何とか確保できているが、
成長を進めるための水分量は確保できていなかったと考えられます。

新芽のヘタり具合を見るに、
昨年までの水遣りに1.5~2倍程度追加で水を与えれば
成長が進むことが分かりました。


私は今までに日照の悪いベランダで、
過湿に悩まされ続けてきました。

そのため、とにかく乾燥力を上げる工夫と、
水切れギリギリで育てることで、日照の悪い場所でも
根張りが良くなる工夫を実践してきました。

この工夫はまだ根の張り切っていない
初期の状態の株には非常に有効でした。

ところが今回、しっかりと根の張り切った
勢力旺盛な株を成長させるためには、
さらに水が必要であったことに気づきました。

その他の根張りの良い品種についても、
もう少し水遣り頻度を増やしてみたところ、
変な新芽の枯れが少なくなってきたように思います。

ただ、それでもこちらの記事gamophyllaのように、
油断すると過湿で枯らせてしまうこともあるので、
本当に水分管理は難しいですね。

まだまだ精進あるのみです。
でも本当に動きがあって良かったです


最後に液肥のおこぼれと水分量の増加で
新芽の成長が旺盛になったユーカリたちです。
※これらの品種は毎年動きがあります。

fancybox記事372の画像10

gongyrocarpaです。
毎年冬に傷んだ葉をほとんど散らせて、
春以降に激しく新芽を吹きます。
そのため、あまり最高樹高が変わりません。


fancybox記事372の画像11

今年は液肥が効いたか!
例年以上に勢力旺盛なcordataです!

# by eucalyptus_k | 2015-07-13 18:26 | ユーカリ(栽培知識)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(2)

【ユーカリ紹介-63】
ユーカリ・マクロカルパ・エラチャンサ
(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)

続きまして第63回目は
少し丸みを帯びた小型の葉を持ち、
ユーカリ中で最大の赤い花も若干小ぶり、
ユーカリ・マクロカルパの矮性種である
ユーカリ・マクロカルパ・エラチャンサです。

◎ユーカリ・マクロカルパ・エラチャンサ
【学名:Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha】
【英名:Small-flowered Mottlecah】
fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像1

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像2

このssp. elachanthaは、
ユーカリの王者的存在であるmacrocarpaの矮性種で、
原種のssp. macrocarpaと比較すると、
葉や実、その花のサイズが若干小ぶりになります。

原種の花は、最大で直径10cmにもなるのですが、
ssp. elachanthaの花は、最大で直径8cm程度と
若干小ぶりになるようです。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像3

この花のサイズは、rhodanthaの花と
ほぼ同じ程度の大きさになりますので、
rhodanthaと同率で、ユーカリ中で
二番目に大きな花を咲かせるユーカリということになります。

矮性種ということで、原種と非常に良く似ており、
素人目にはなかなか見分けはつかないでしょう。
2種を並べて育ててみると、全体的なパーツのサイズや、
その葉の形状の違いで何となく識別できるようになります。

では早速、原種のssp. macrocarpaと、
ssp. elachanthaの葉の形状とサイズを見比べてみましょう。

まず原種のssp. macrocarpaの葉です。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像4

葉は全体的に長細くなり、
最大のものでは、15cmもの長さになります。


次にssp. elachanthaの葉です。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像5

ssp. macrocarpaの葉と比べてみると、
全体的にかなり丸みを帯びています。

また、最大のものでも、長さは9cm程度と
原種よりも6cmほど短い葉になります。

私の指と比較していただくと、ssp. elachanthaの方が、
かなり小ぶりなのがお分かりいただけると思います。

長さは原種の方がかなり大きくなるのですが、
葉の幅の最大サイズになると、両者とも8.5cm程度となるため、
自ずから、原種の葉は長細くなり、
ssp. elachanthaの葉は丸みのある葉になります。

我が家の株では、株元から枝分かれした幹に、
とても丸い葉が生じています。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像6

この葉を見ると、ssp. macrocarpaより、
寧ろrhodanthaにも見えてしまいますね。

どちらかというと、rhodanthaは、
長さより幅の方が大きいような際立った丸葉が生じますので、
実際の見た目はかなり異なってくるのですが、
原種の方で、このような丸葉が生じることは、
ほとんどありえないことです。

葉の白さや外観の美しさに全く差はなく、
原種と同様に、際立って美しい純白の葉と
その見事な茂みの薔薇にも例えられる大きな花は、
まさにユーカリの王者的存在といえるユーカリです。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像7

ところが、ssp. elachanthaのタネを手に入れるのは非常に困難で、
現在、販売しているタネ屋はたった一つしかありません。
このタネ屋での在庫がなくなってしまうと、
その次の入手手段は未知数になってしまいます。

そのくらいマイナーでマニアックなユーカリですし、
ssp. elachantha限定で育てたいというマニアの方以外は、
普通に原種のssp. macrocarpaを育てれば良いのかもしれません。

ssp. elachanthaと原種との差は、
上記で挙げたような僅かな差しかありませんし、
ssp. elachanthaは原種よりも色々とデリケートなので、
最高レベルの栽培難易度を持つssp. macrocarpaよりも、
さらに少しだけ厄介になってきます。

ssp. elachanthassp. macrocarpaと同様に、
水分管理にかなりうるさい性質を持っています。
----------------------------------------
・土が完全に乾いたら即水遣りが必要
・菌に弱く非常に寝ぐされしやすい
・半日直射日光以上の日照量が最低限必須
・雨の残り雫でも葉が傷み、病気に弱い
・肥料あたりしやすくリン酸を嫌う
----------------------------------------
といった厄介な性質をもったサボテンを育てるイメージです。

植物は放置が一番という人より、
雨が降るたびにわざわざ鉢を移動するくらいの
非常に熱心でマメな人向きのユーカリといえます。

また、ssp. elachanthaは、
原種のssp. macrocarpaと比べると、
土のpHに非常にうるさい性質を持っています。

肥料や石灰などを与えすぎたり、
土の配合によってpHがアルカリ寄りに傾くと、
途端に鉄分欠乏症となり、葉がボロボロになります。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像8

葉の葉緑素が抜けて、葉脈だけに葉緑素が残り、
葉に褐色の斑点ができてボロボロになるのは、
典型的な鉄分摂取障害による欠乏症の症状です。

元々、macrocarpaは多肥を嫌い、
土も酸性~弱酸性の貧しい用土を好むユーカリですが、
ユーカリの中でも、かなり鉄分を必要とする品種でもあります。

macrocarpaにも全く肥料の効果がないわけではありませんが、
日本に売っている多くの化成肥料には、
pHをアルカリ寄りにしてしまう成分が多く入っており、
鉄分を与えようと肥料を与えすぎてしまうと、
結果としてpHが高くなって、土中には鉄分は豊富にあるのに、
それを摂取することができないという状況が起こります。

原種のssp. macrocarpaについては、
高pH耐性が弱いながらもあるようですが、
ssp. elachanthaは高pHによる鉄分欠乏症には特に弱く、
今私の育てているユーカリの中でも、
間違いなく最も酷い結果を残しています。

私は3株のssp. elachanthaを育てていますが、
肥料や苦土石灰などを豊富に与えた2株は、
酷い鉄分欠乏症の症状が出て、見るも無残です。

我が家では、配合用土に高pHのゼオライトを
デフォルトで混ぜ込むため、この写真の3株目には、
敢えて用土に少しだけ、pH調整なしのピートモスを混ぜ込み、
肥料の類は一切与えないという方針で育てて、
ようやく写真のように見事な株に育ってくれました。

macrocarpa全般に言えることですが、
特にssp. elachanthaを育てるときには、
pHは少し酸性寄りに設定し、肥料は全く与えないか、
与える場合でも、非常に稀で少量にした方が
良い結果が出るかもしれません。

ちなみに、見るも無残な他の2株ですが、
pH調整なしのピートモスを混ぜ込んだ用土に変更し、
現在、養生中&仕切り直しとなっています。

ssp. elachanthaは、
内陸部の半砂漠地帯を中心に生息する原種と比べると、
沿岸部の草原地帯を中心に生息しています。
西オーストラリア州の州都パースから北の沿岸部です。

年間降水量は500mm(大阪の1/3)程度と
原種の生息する半砂漠地帯に比べると、
若干湿潤な地域となっています。

そのため、本当にわずかではありますが、
原種よりも少し過湿に強く、吸水量も多めなります。

とはいえ、夏はほとんど雨が降らずに
雨のほとんどは冬季に集中しているため、
ssp. elachanthaも高温多湿を極度に嫌うユーカリです。

大きくても3m程度の低木であることは、
原種のssp. macrocarpaと全く同じです。
木というよりは藪のように広がって育ちます。
このあたりの性質には、全く差はありません。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像9

西オーストラリア出身のユーカリには
原住民アボリジニーの言葉による
名前を持っているものがいくつかあります。

このssp. elachantha
Mottlecah(モトレカ)という名前を持つ原種に対して、
若干花のサイズが小さくなることから、
Small-flowered Mottlecahと呼ばれています。

elachanthaの意味もそのまま
「小さな花」という意味になります。

ssp. elachanthaの魅力は何と言っても
まずその白銀大葉の美しさではないでしょうか

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像10

十分日光に当たり、乾燥気味に育てられることで
葉の白みはさらに美しさを増していきます。

ssp. elachanthaの花を咲かせるためには
タネを播いてから平均以上の環境・状態で育てて、
最短で5年程度かかるといわれています。

ただ栽培環境が良ければ、
3年程度での開花も可能なようです。

私の実家に置いているssp. elachanthaでは、
2年半にして蕾が付いていることを確認しました。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ssp. elachanthaが日本で花を咲かせる時期は
ミモザアカシアと大体同じで早春と言われています。
蕾は夏~秋口にかけてでき出して、
そのまま越冬することになります。
急な寒波で蕾が傷んでしまうことがあるため、
蕾ができてからはマメなケアが必要とのことです。

ssp. elachanthaの育て方のポイントとしては
下記のような感じです。

<水分管理>
鉢の表面はカラカラに乾いているのに、
土をひっくり返してみると中はまだ湿っているといった状態を嫌います。
用土の中の方の状態までは中々わかりませんから、
日光の良く当たる風通しの良い環境で育てて乾燥力をあげます。
スリットポットなどのように底面からも
用土の乾燥状態を確認できる鉢があると便利です。

水切れ耐性をそこそこ兼ね備えており、
水が切れると大きな葉が犬の耳のように垂れさがります。
真夏でもそこから1日程度であれば枯れることはありません。
どうしても水分管理に自信がない人は、
葉が垂れさがったら水遣りを心がけるといいでしょう。
ただし、毎日確認することを忘れないでください。

ちなみにssp. elachanthassp. macrocarpaを、
両方育てて比較してみると、ssp. elachanthaの方が、
若干水切れが早いことがわかります。

<雨の管理>
用土の乾燥力と日照さえ十分であれば、
必ずしも必須の条件ではありませんが、
雨は極力避けた方が無難なようです。

完全に雨ざらしと雨を避ける環境では、
後者の方が健康で葉も綺麗に育っています。

特に梅雨時期はssp. elachanthaには雨量が多すぎるため、
この時期だけでも雨が降ったら軒下に移すなどすると良いです。
軒下に置きっぱなしでもかまいませんが、
その際は日照量と風通しには気をつけてください。

梅雨時期など湿度の高い環境下で
葉に水がたまると中々蒸発せずに葉が傷むことがあります。
また冬季も葉にたまった水が冷えて、
枯れが出ることがありますので、
葉に水がかかったときには、軽く葉をゆすって
葉にたまった水を落とすようにしてください。

<肥料について>
原種に比べると、鉄分欠乏症の症状が出やすいので、
肥料はほとんど与えない方が良いでしょう。
成長期に少し液肥を与えるのはOKです。
また、葉面散布の鉄分系肥料などは効果的です。

基本的には荒れた貧しい大地を好む品種のため、
植え替え時に肥料を混ぜ込むのは止めた方が良いでしょう。
成長速度を上げたい場合には肥料ではなく、
ssp. elachanthaの好む環境づくりをした方が効果的です。

<日光について>
半日以上直射日光の当たる環境が最低限必要で、
1日中ガンガンに直射日光が降り注ぐような環境が望ましいです。
また、夏は少し涼しい場所よりも、
コンクリートやアスファルト、レンガなどの照り返しがきつく、
地上付近の温度が異様に高くなるような場所が寧ろ向いています。

葉の白さからもわかるように強烈な日焼け止めを持っていますので、
遮光は一切不要、葉焼けなどすることはありません。
※ただし日陰にあった株を急に夏の日差しに当てるのはアウトです。

いつまで経っても葉が大きくならないのは日照不足が原因です。
日照不足の場合は、激しいうどんこ病の被害が出ることがあります。
ssp. elachanthaうどんこ病にはかなり弱いユーカリです。

葉だけでなく、鉢や用土にも良く日光を当てて、
鉢内の土中温度を上げることも成長力増進に役立ちます。


ここまで書くとかなり難しいと思われるでしょうが、
難しいというよりはマメに育てる必要があります。
旅行や出張が多い人や片手間の人には少し辛いかもしれません。

どうしても自信がないという人は、
kruseana/lehmannii/tetragona/albida/crucisといった
西オーストラリアのユーカリをまず育ててみて、
その水分管理の特徴を身につけると良いと思います。

ssp. elachanthaの耐寒性ですが、思っていたよりもかなり強く、
一般的には-7℃程度までは大丈夫です。
うまく育てればもっと頑張れそうな気がしています。
-5℃程度でもほとんど葉痛みはありませんでした。
葉が分厚いためか、寒風にもかなり強かったです。

ただし、冬季の水分管理はよりデリケートになりますので、
冬季は葉が垂れさがったら水遣りをオススメします。

冬季の吸水の少なさにも本当にびっくりさせられます。
80cm近い大きな株が、月に1回か2回の水遣りで十分なのです。

寒さが心配だということで、
冬季に室内で管理するのは絶対に止めましょう!
室内管理は鉢に余分な水分が残るために根が傷み、枯れます。
私や先人の室内管理の枯死率は100%です><;

最近、良く栽培のポイントなどでお話ししていますが、
冬季に寒さが心配な人は、
ホームセンターなどで売られている簡易温室に入れましょう。
もちろん昼間は扉全開でマイナスにいくような日の夜間のみ扉を閉じます。
本当に思っていたよりも寒さには強いユーカリです。

水分管理については梅雨時期と冬を乗り越えることができれば、
もうマスターしたようなものです!

気になるssp. elachanthaの香りについてです。
外観などでほとんど差のないssp. elachanthaと原種ですが、
香りにはかなりの違いがあります。

ssp. elachanthaは魅力的な花の香りのする原種とは、
全く違った少し生臭くも感じるような香りがします。

シネオールをベースに中途半端なパセリやバジルのような
ハーバルな香りが強く、余り良い香りとは言えません。
実際に含まれる芳香成分が大きく異なるようですね。

また香り自体も原種よりかなり弱くなり、
葉を軽くはたいただけで香る原種とは異なり、
葉を千切って砕いてみないとほとんど香りません。

残念ながら香りを楽しむユーカリとしての利用は
ちょっと難しいかもしれません。

他のユーカリでは、
亜種間であまり香りが異なることはないのですが、
macrocarpaに関しては、全く香りが異なるという
とても珍しい例になっています。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像11

このssp. elachanthaを今取り扱っているのは、
恐らく親愛なるこあら師匠の農場くらいかなと思います。
もし興味のある方がいらっしゃったら喜んでご紹介します。

ssp. elachanthaはタネから販売できる苗サイズまで育てるのが、
非常に厄介で手もかかり難しいのです。
また前述した通り、タネもかなり希少です。
そのため、少しだけ値は張りますが、何卒ご理解ください。

ssp. elachanthaに関しては、私もずっと勉強中です。
特に酷い鉄分欠乏症という結果は、
私に肥料やpHに関する大きな勉強をさせてくれました。

もしssp. elachanthaを購入された方がいらっしゃったら、
一緒に情報をシェアしながら育てていけたらと思っています。

もしよろしければ、
この記事に非公開でメアドを書いてくださるか、
お問い合わせフォームからお問い合わせをいただければ
必ずメールを返信させていただきます。
よろしくお願いします。

この記事を読んで、
原種よりもこのssp. elachanthaを選択する人がいたら
その方はかなりマニアの素質ありです!

とはいえ、今のタネ屋の在庫も多くはないですし、
そこの在庫が切れたら、次の宛てはありません。

もしssp. elachanthaに興味をお持ちでしたら、
今のうちに手に入れておいた方が良いかもしれません。

fancyboxマクロカルパ・エラチャンサ(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)の画像12

とにかくssp. elachanthaでもssp. macrocarpaでも、
macrocarpaはびっくりするほど美しいユーカリです。

ちょっと慣れるまでは大変なところもありますが、
原種のssp. macrocarpaと共に、
このssp. elachanthaも育てていきながら、
その花のサイズ等の違いを見比べてみませんか?

------------------------------
<栽培難易度:E+>
香良さ:★
香強さ:★★
成長力:★★

要水分:★
耐過湿:
耐水切:★★★★
耐日陰:☆
耐移植:★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★
------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2013-04-12 17:44 | ユーカリ紹介
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)

タネ播きの適期・適温

最近色々とタネを播いていて
わかってきたことがあります。

当たり前と言えば当たり前なんですが、
ユーカリは様々な気候帯に生息し、多種多様ですから
それぞれの品種に最適なタネ播きの適期・適温があります。

良く最高気温が20℃を上回る季節が適期と言われますが、
これは全ての平均値のような感じです。

ちなみに私の環境でのお話ですので
ご参考までによろしくお願いします。

1. ニューサウスウェールズ州のユーカリ
------------------------------------------------------------
日本で良く見かけるユーカリが多い地域です

主なユーカリは下記の品種です。
cinerea/pulverulenta/bridgesiana/nicholii/polyanthemos
viminalis/globulus ssp. bicostata/scoparia/rubida
parvula/viridis/melliodora/sideroxylon/punctata

これらは一般的に良いと言われている季節で、
関西や関東の暖地ではゴールデンウィークが終わった頃
もしくは9月下旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃を上回り、
最高気温が20~25℃くらいの季節です。

ただこのグループのユーカリは
比較的あらゆる気候帯に対応でき、
それ以降のさらに暑い季節や少し寒い季節でも、
ある程度の数を発芽させることも可能です。

ただ、もちろん冬季の屋外での発芽は難しく、
真夏の最も暑い時期には発芽率だけでなく、
発芽後の生育もイマイチになってきます。


2. ビクトリア州/タスマニア島のユーカリ
------------------------------------------------------------
ビクトリア州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
南部や南部内陸部のユーカリ、その他の地域の
高山生息種などもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
gunnii/archeri/globulus ssp. globulus/globulus ssp. maidenii
perriniana/urnigera/crenulata/glaucescens/camphora
aromaphloia/tenuiramis/risdonii/morrisbyi/cordata
delegatensis/smithii/cypellocarpa/ovata/pauciflora
coccifera/goniocalyx/sturgissiana/cephalocarpa
dalrympleana/dives/nitens/neglecta/nova-anglica
polybractea/radiata/regnans/subcrenulata
brookeriana/kitsoniana

どちらかというと、暑さに弱いユーカリが多いです。

これらは1のグループよりもさらに涼しい時期で
関西や関東の暖地では4月上旬くらいからと、
10月中旬~11月くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が10℃程度まで下がり、
最高気温が20℃いくかいかないかくらいの季節です。

グループの中でも色々と差があり、
例えば、globulus ssp. globulus/goniocalyxなどは
1のグループと同じように暖かい時期でも発芽率が良く、
逆にglaucescens/tenuiramis/risdonii/delegatensis
pauciflora/coccifera/dalrympleana/nitens/regnansなどは
気温が上がり過ぎると全く発芽しないこともあります。

これらの品種は真夏などにタネを播くと
全く発芽しないか、発芽しても極めて生育が悪く、
立ち枯れてしまう苗が多くなります。

また特に涼しい環境を好む品種では、
真夏にタネを播いても発芽は完全ゼロとなり、
10月に入り、忘れた頃に続々発芽し出す
といったようなことが起こります。

このグループのユーカリは、
冬季の室内で発芽を試みると、
極めて良い発芽結果が得られています。

冬季室内の温度や湿度の状態が
これらのユーカリの発芽に良く合っているようです。

ただし、そのような場合でも、
冬季室内で栽培し続けると、苗が徒長し、
生育が悪くなるので、ある程度発芽したら
とっとと屋外に出してしまう方が良いです。
※どれも耐寒性は高いので安心です。

一部の、特に高山部に生息し、且つ湿潤を好む
glaucescensdalrympleananitensなどは、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


3. サウスオーストラリア州沿岸部のユーカリ
------------------------------------------------------------
アデレード周辺からカンガルー島付近に生息しているユーカリです。

主なユーカリは下記の品種です。
leucoxylon/cladocalyx/albopurpurea
fasciculosa/calycogona


これらは1と2のちょうど間くらいの季節で
関西や関東の暖地では4月中旬くらいからと、
10月上旬~11月初旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃より低くなる日が何日かあり、
最高気温が20℃を少し超えるくらいの季節です。

このグループのユーカリは少し暖かい季節や、
さらに涼しい季節の発芽にも幅広く対応することができます。

ところが真夏にタネを播くと、発芽率こそ悪くないのですが、
その後の生育が極めて悪くなるという特徴があります。

また梅雨時期の育苗の調子があまり良くないので、
春は少し涼しめの時期に少し早めのタネ播きを行い、
秋は少し暖かめの時期にタネを播くのが良いです。


4. クイーンズランド州のユーカリ
------------------------------------------------------------
クイーンズランド州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
北部や北部沿岸部のユーカリなどもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
citriodora/staigeriana/melanophloia/camaldulensis
maculata/muelleriana/tereticornis/robusta
grandis/coolabah


どちらかというと、寒さに弱いユーカリが多いです。

これらはかなり暖かく湿潤な季節を好み
関西や関東の暖地では5月下旬くらいからと、
梅雨時期~初夏と晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を超えだし、
最高気温が30℃に届くかどうかくらいの季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

逆にあまりにも温度が下がってきて、
最高気温が20℃を下回る季節になると
極めて発芽率が悪くなります。

これらのユーカリは一様に湿潤を好むため、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


5. ウェストオーストラリア州のユーカリ
------------------------------------------------------------
西オーストラリアだけでなく、サウスオーストラリア州の内陸部、
ノーザンテリトリーの南部など砂漠地帯のユーカリなども
このグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
全ての西AZのユーカリ/pachyphylla/gamophylla/gillii
leptophylla/socialis/oleosa/pimpiniana/gracilis

これらは最も暖かい季節を好み、
関西や関東の暖地では梅雨明け後の初夏から
真夏や晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を完全に超えて、
最高気温が30℃を超えるような季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

西AZの沿岸部の非常に穏やかな気候の地域に属する
lehmanii/pleurocarpa/pachyloma/preissianaなどは
1のグループと同じ季節での発芽もOKです。

逆にrhodantha/macrocarpa/gamophyllaなどの
暑い砂漠地帯に生息するユーカリは
最低気温が25℃を超えるような暑い季節が最も良く、
1のグループのような少し涼しい季節には
発芽率がかなり悪くなります。
※特にrhodanthaは顕著です。

どれも乾燥を好み、梅雨時期の管理が困難なため、
私は梅雨明けと同時にタネ播きを開始しています。


今回は大雑把にグループ分けしたため、
かなりざっくりとした情報になっていますが、
実際にはそれぞれのグループ内でも
非常に微妙な差が発生しています。

タネ播きにチャレンジする方は
ぜひ参考にしてみてください!{#グッド}

# by eucalyptus_k | 2012-11-06 14:22 | ユーカリ(栽培知識)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(4)

実家のユーカリが開花!

先日の記事で、実家のいくつかのユーカリに
蕾ができていたことをご報告しましたが、
週末に実家を訪れた際に
それらのユーカリが開花しているのを発見しました。

まずは、Eucalyptus kruseanaです。
このユーカリは珍しく、ライムグリーンの花を咲かせます。

fancybox記事231の画像1

写真ではわかりにくいですが、とても小さな花です。
まだ少し開花した程度ですが、これからどんどん咲くはずです。

このユーカリは環境にうるさく、栽培難易度も高いため、
我が家のベランダでの開花はまだまだ先になりそうです。

次はEucalyptus pulverulentaです。
これは、キャップが取れかかっているところ。

fancybox記事231の画像2

そしてこれは既に開花しているものです。

fancybox記事231の画像3

このpulverulentaは、開花するには、
2m以上の樹高が必要と言われていましたが、
この株は私の背丈より少し低い程度なので、
わずか140cm程度での開花となっています。
根はパンパンですが、鉢のサイズも何と5号です!

これも、これからどんどん開花が進むと思います。

最後にmacrocarpa達の蕾の近況です。

蕾はかなり大きくなってきています。
他の品種の蕾と比べると、驚くほどの大きさです。
冬までに開花してほしいものです。

fancybox記事231の画像4

fancybox記事231の画像5

そして、macrocarpaの亜種、ssp. elachanthaにも
蕾ができているのを発見しました。

fancybox記事231の画像6

通常のmacrocarpaと比べると少し小さめですが、
その他のユーカリよりはかなり大きなサイズです。

これらも全て、鉢のサイズはわずか5号です。
macrocarpaの開花には、およそ5年程度かかると言われていますが、
これらの株は全て2年半程度の株ですから、
開花すれば、破格の早さになります。

実家の環境がmacrocarpaに合っていることもありますが、
何十年も園芸バリバリの親父の方が、
私よりもユーカリ栽培の腕は格段に上のようです{#拍手}

macrocarpaの開花、とても楽しみです{#音符}

# by eucalyptus_k | 2012-09-25 11:54 | ユーカリ(花と蕾)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(4)

実家の庭のユーカリたち

先日、実家の庭でユーカリの蕾の話について
書かせていただきましたが、
ついでに撮ってきた実家の庭の写真と共に
実家の庭のユーカリをいくつかご紹介します。

素晴らしくも悔しいことに
日照の悪い我が家のベランダとは、成長力が全然違って、
ものによっては本当に同じユーカリなの?
と思ってしまうほどに成長が良いです。

ちなみに鉢は全てが縦長の5号鉢です。
そして用土は市販の粒状培養土です。

水遣りは毎日(下手をすると1日2回)ですが、
これがユーカリには最適な環境となっているようです。

まず、庭のユーカリたちの引きショットです。
私が勝手にたくさん持ち込んだので、
元々薔薇とクリスマスローズがメインだった
実家の庭が大変なことになっています(--;;

fancybox記事202の画像1

先日、蕾の見つかった
Eucalyptus pulverulentaです。
ひときわ立派で葉も茎もとても丈夫です。

fancybox記事202の画像2

1mオーバーのEucalyptus pleurocarpaです。
これも今年は開花が見込めるかもしれません。
別にextricaもありますが、これも1m程あります。

fancybox記事202の画像3

次はEucalyptus erythrocorysです。
この庭では最も成長が激しく、
切りに切ってこの大きさです。

とても丈夫で、幹は蹴っても
ピクリともしないほどに丈夫です。

恐らく切らなければ2mを超えているでしょう。
今の時点で私の背丈ほどあります。

成長が進むと葉の毛がなくなるようですが、
まだ、毛の生えた葉をしています。
毛のない葉が出だしたら開花のチャンスです!

fancybox記事202の画像4

皆さんに大人気のEucalyptus albidaです。
この庭には数株ありますが
どれも1mを超える高さまで成長しています。

この庭では最も丈夫なユーカリの一つで
馬鹿みたいに環境が合っているようです。
放置でも全く枯れる気のしないユーカリになっています。

fancybox記事202の画像5

次はEucalyptus accedensです。
家では可愛い白銀の逆ハートリーフなのですが
ここではドでかくなって、ウサギの団扇のようです。

fancybox記事202の画像6

そしてこれも大人気のEucalyptus ’Moon Lagoon'です。
家では繊細で小さな葉っぱが美しい品種ですが、
ここではかなり大きめの葉っぱになっています。
樹高も80cm程はあります。

小型のalbidaという感じで、
ほとんどalbidaと大差ないほどに白葉になります。
個人的にはalbidaを超える美しさだなと思いました。

fancybox記事202の画像7

次はこの庭では難しいというのが嘘のような
Eucalyptus macrocarpaです。
これも恐らく近年中に開花が見込めるのではないでしょうか。

実家の庭は本当にmacrocarpaを育てるには
最高の環境のようですね。

ちなみにgunnii/delegatensis/glaucescensなどの
あまり暑さが得意でないユーカリは
既に暑すぎて全滅しているような状況です。

他にもcaesia ssp. magnaなどは
根本的に保水性が足りなかったようで、
水切れで全て全滅してしまいました。

fancybox記事202の画像8

結構癖が悪いので剪定していますが、
それでも1mは軽く超えています。
三株ありますがどれもかなり元気です!

fancybox記事202の画像9

そして最後は
Eucalyptus macrocarpa ssp. elachanthaです。

私の父はかなりマメな管理をしており、
頻繁に液肥を与えているようなので
我が家のような鉄分欠乏の症状も発生しません。

少し半日陰に置いているにも関わらず
なかなか立派に成長しています。

fancybox記事202の画像10

これも他に2株ありますが、
どれもとても丈夫で健康な株です。


いかがでしょうか?

管理者と環境が違うと
こんなにも立派に成長するのですね><;

他にも数十種のユーカリがありますので
また、機会があったらご紹介します{#グッド}

# by eucalyptus_k | 2012-06-12 12:53 | ユーカリ(栽培実績)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(4)
ブログ内記事検索
カテゴリ
ランダム掲載画像
おすすめユーカリ販売先

珍しいユーカリの宝庫です♪