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ユーカリは基本「弱酸性」を好みます!

最近、ネットでユーカリに関する情報を拝見していると、
良く見かけるのがこの情報です。。。

ユーカリは酸性を嫌う

ハッキリいいますが、

この情報は大きな間違いです!

一般的にハーブが酸性を嫌うからでしょうか?
それともオーストラリア=石灰岩と思うからでしょうか?

中にはアルカリ性寄りの方が
好調な品種もわずかながら存在します。
例えばMoon Lagoon/erthrocorysなどです。

ほとんどの方が好んで育てられている
cinerea/pulverulenta/gunniiなど、
多くの東AZ出身のユーカリは
ほぼ全てが弱酸性~酸性を好みます。

主に弱酸性を好む日本の植物と比べても、
さらに酸性の強いものを好む品種も多いです。

leucoxylon/cladocalyx/fasciculosaなどの
アデレード近郊に生息しているユーカリは
基本的には弱酸性を好みますが、
かなり高いアルカリ耐性を持ち、
アルカリ寄りのpHでも比較的順調に育ちます。

ただ私は良くユーカリに
有機石灰や苦土石灰を与えることがあります。

それはpHを操作するためではなく、
マグネシウム等のミネラル分を補給するためです。
これが不足すると、葉の葉緑素が抜けた
クロロシスのような状態になることがあります。

あと最近思うのは意外に肥料当たりが多いです。
リン酸分の塩分に当たることが多いようですね。
慣れない方は肥料は控えた方が良いかもしれません。

急に寒くなった今年の秋口、
ユーカリを枯らせてしまったお話を良く聞きます。
私も苗サイズであれば、結構枯らせています。

夏季と同じ調子で水遣りをしていたため、
根腐れになってしまったことが主な原因ですが、
上記もぜひ、ご参考にしてみてください。

# by eucalyptus_k | 2011-10-28 21:13 | ユーカリ(栽培知識)
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【ユーカリ紹介-38】
ユーカリ・アーチェリ (Eucalyptus archeri)

続きまして第38回目は、
Eucalyptus gunniiの高山生息種で全く見分けがつかず
ほぼgunniiといってしまっても良いくらいの
ユーカリ・アーチェリです。

◎ユーカリ・アーチェリ
【学名:Eucalyptus archeri】
【英名:Alpine Cider Gum】

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像1

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像2

このarcheriですが、当ブログでは
gunniiの亜種、Eucalyptus gunnii ssp. archeri
として紹介してきましたが、
この記事では敢えてEucalyptus archeri
固有の品種として紹介させていただきます。

英名からもわかるように
比較的平地の湿地帯に生息するgunniiに対して、
archeriは1100m以上のタスマニアの高山に自生しています。
要するにgunniiの高山生息種というわけです。

とはいえ、実際にはgunnii
見た目による差はほぼ皆無です。

色々、特徴みたいなものはありますが、
個体差がその特徴を上回ってしまうため、
これはarcheriという確定的な特徴はありません。

ただ、通常のssp. gunniissp. divaricataは、
20~30mクラスの立派な木立ちの樹木へと育つのに対して、
このarcheriMallee(灌木型)で、
樹高も10m程度までとなっているようです。

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像3

そもそもその分類についても非常に曖昧であり、
またオーストラリア各所ではgunniiの亜種間での
勝手な自然交配も起こってしまっているため、
----------------------------
Tree(木立型)gunnii
Mallee(灌木型)archeri
----------------------------

と考えるのが現在では一般的なようです。

gunniiには大きく分けて3つの亜種が存在します。
----------------------------------------------------------------------
Eucalyptus gunnii ssp. gunnii(グニー原種)
Eucalyptus gunnii ssp. archeri(タスマニア高山種)
Eucalyptus gunnii ssp. divaricata(白銀色の絶滅危惧種)

----------------------------------------------------------------------

ところが日本ではこの3種を
きっちりと分類して販売していることはまずありません。
私が様々な販売店等で見て調べてみた結果、
全ての亜種がごちゃまぜになっているのが現状です。
>>>詳しい識別についてはこちらの記事をご覧ください。

本当にパッと見では区別がつきにくい...ではなく
全く区別をつけることができません><;

このように亜種間で区別がつきにくい
ということはユーカリでは良くあることなのですが、
こんなにも差がないことには本当にびっくりします。

あくまでも主観で、個体差の範囲かもしれませんが、
ssp. gunniiに比べると、幾分か葉は小柄です。
また、少し白銀色は控えめになっていると思います。

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像4

またMallee型だからでしょうか。
通常のgunniiよりもたくさん脇芽を出しやすい
性質を持っているように思います。

一応、archeriの公的な特徴としては、
葉は丸みを帯びながら、葉先が尖りやすく、
新芽は白銀色をしているのですが、
だんだん下葉になるごとに、緑色が濃くなるようです。

茎のザラザラは成長後も長く残りやすく、
茎は丸型もあるが、四角型になりやすくなっています。
茎の色は比較的白みを帯びにくく、
緑色のままや赤色の茎のままが多くなります。

また、対になった二枚の葉の
茎との接点同士は重なりにくくなっており、
葉が対にならずに交互に生えることも多い、
といった傾向があるようです。

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像5

また、蕾や実が白く粉を吹くことはなく、
実の形状はカップ型になります。

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像6

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像7

そして前述のMallee型(灌木型)である
というところです。

archeriは、gunniiに比べると、
より乾燥に強く、過湿に弱くなっていますが、
あくまでもgunniiと比べたらです。

ユーカリ中ではかなり水が好きな方で、
根腐れよりも真夏の水切れを
心配した方が良いような感じです。

archeriはユーカリ中でも過湿に強い方で、
湿潤を好む品種のため、
一般的な観葉植物と同様の管理で
簡単にうまく育てることができます。
また、移植を嫌うユーカリの中でも、
比較的移植に耐えることのできる品種です。

成長力はなかなか激しい方ですが、
gunniiと比べてしまうと、
元々の樹高が低いということもあって、
少し控え目な成長力であるといえます。

ただし、archeriの耐寒性はユーカリ中でもぴか一で、
最強クラスのgunniiをさらに上回ります。
詳しい限界は不明ですが、
-20℃を上回るような環境下でも生き残るようです。

日本の暖地では葉が傷むことさえなく、
寧ろ夏の高温多湿の方が心配になるくらいです。

日本の暑さには弱いとまではいきませんが、
夏の成長は控えめで、あまり得意ではないため、
夏季の過湿による根の蒸れには少し気をつけてください。

気になるarcheriの香りは、
基本的にはgunniiとほとんど大差はないのですが、
ハッカ系の香りが強いgunniiに比べると、
柑橘系とシネオールの香りが少し強くなっています。
また、gunniiよりも少し精油の量は多めのようです。
とはいえ、香りを楽しむには少し心もとない感じです。

とにかくarcheriは、gunniiと並んで非常に育てやすく、
初心者向けで育てやすいユーカリの代表格です。

fancyboxアーチェリ(Eucalyptus archeri)の画像8

その割に、見た目は繊細で美しいので、
何かユーカリを育てたいという方には
gunniiと共にとてもオススメのユーカリになります。

あなたはgunniiを選びますか?
それともarcheriを選びますか?

------------------------------
<栽培難易度:A>
香良さ:★★★
香強さ:★★
成長力:★★★

要水分:★★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★
耐日陰:★★★★
耐移植:★★★★
耐寒性:★★★★★
耐暑性:★★
耐病虫:★★★★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2011-10-21 22:37 | ユーカリ紹介
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高山植物のユーカリ・ベルニコサ (Eucalyptus vernicosa)

先日はイチゴの香りがするolidaを紹介しましたが、
その他にも貴重でレアで魅力的なユーカリがあります。

今回ご紹介するのは、
完全に高山植物で、とてつもなく成長が遅く、
樹高はわずか数十センチにしかならないという
非常に奇特で貴重なユーカリです。

その名は
Eucalyptus vernicosa

英名は
Varnished Gum

fancybox記事165の画像1

fancybox記事165の画像2

その英名の元にもなっているように
葉には非常に分かりやすい光沢があります。

生息地は標高1500m以上のタスマニアの高山で
耐寒性は-15℃以上とユーカリ中でも最強クラス。

過湿から猛暑にも幅広く対応できる
非常に強靭なユーカリではあるのですが、
育てていてびっくりすることがあります。

それは、、、
恐ろしく成長が遅いのです。

私が今育てている株が二年目ですが、
樹高が4cmで、葉の直径がわずか7mm程度です。

fancybox記事165の画像3

これは当初、私の育て方が
悪いのかとかなり悩んでいましたが、
現地の栽培者に確認したところ、
非常に順調な育ち具合だそうです!

我が家は決して良い栽培環境ではありませんが、
最高の栽培環境で育てたとしても
10年で25cm程度まで育てば良いそうです。

このような性質ですから、
タネを手に入れることも非常に困難で、
また非常に高価になっています。

現在、タネを販売しているところを
一カ所発見することができて、
そこから取り寄せて育てていますが、
タネはわずか40粒が800円近くもします。

これはびっくりするほど高価ですし、
在庫も限られた数しかありません。

これから何年もかけて、
上手く育てて、花が咲いたら
タネを量産してみたいなと思っています。

ユーカリ紹介で紹介できるのは
果たしていつの日になるのでしょうか。

# by eucalyptus_k | 2011-10-17 08:48 | ユーカリ(品種知識)
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今がイチバン良い季節♪

南向きの家のベランダは
天井がかなり先までせり出しているので、
雨の日でも洗濯物が干せます♪

でも、夏季には
日照が皆無となってしまいます(><)

ベランダと外を仕切る壁は
硬い石造りで全く日光を通す隙間もありません。

そのため、冬季は陽が傾きすぎて、
全ての日光はユーカリを飛び越えて、
室内にのみ降り注ぐことになります。

最も日照が良くなるのが春と秋。
今の季節だけですね。

その季節限定でようやく、
半日もの間、直射日光が当たる
半日陰の環境となっています。

最近はあまり剪定もしなくなったので
ベランダはかなり茂み状態ですw

fancybox記事164の画像1

我が家でユーカリが最も成長するのは
3~5月と9~11月なんですね。

真冬はともかく、梅雨~真夏はズタボロ...
本当にこんな環境でユーカリを育てている私は
正直、ちょっとマゾで凄い?と思います!(笑)

# by eucalyptus_k | 2011-10-14 08:15 | ユーカリ(栽培実績)
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【ユーカリ紹介-37】
ユーカリ・スタージシアナ (Eucalyptus sturgissiana)

続きまして第37回目は、
超レアで特徴的な外観を持ち
人呼んで「東AZのマクロカルパ」
ユーカリ・スタージシアナです。

◎ユーカリ・スタージシアナ
【学名:Eucalyptus sturgissiana】
【英名:Ettrema Mallee】

fancyboxスタージシアナ(Eucalyptus sturgissiana)の画像1

fancyboxスタージシアナ(Eucalyptus sturgissiana)の画像2

写真を見ていただくとわかりますが、
このsturgissianaはとにかく面白い外観をしています。

確かに「東AZのマクロカルパ」と呼ばれるように
Eucalyptus macrocarpaのようでもあり、
Eucalyptus perriniana(ツキヌキユーカリ)
のようでもあります。

fancyboxスタージシアナ(Eucalyptus sturgissiana)の画像3

sturgissianaは元々、Ettremaという
非常に限られた地域にのみ生息している、
超マニアックなユーカリなのですが、
その面白い外観からか、
園芸用として若干タネが流通しています。

このsturgissianaは、
私の特にお気に入りのユーカリなのですが、
実は私の鬼門のユーカリでもあります。

私は既に100種類以上のユーカリを育てていますが、
その中でも、酷く失敗したユーカリなんです。。。

私は始めての品種を育てる場合、その生息地の気候や
同じ地域に生息するユーカリを割り出し、
大体の性質を予測して、用土や育て方を考えているのですが、
このsturgissianaについては
大きくその性質を読み間違えてしまいました。

このsturgissianaの生息する地域のユーカリは
比較的湿潤を好む、強健な品種が多いのですが、
sturgissianaはそれに反して、
かなり乾燥を好む、少しデリケートな品種だったのです。

これらを踏まえて再度タネ播きをした結果、
写真の株とは別の株も非常に順調に育っています。

海外のとある文件には沼地生息種で
かなり湿潤を好むという情報もありますが、
それを信じて失敗したということもあります。

ユーカリは非常に情報が少なく曖昧なので、
このように実際に自分で育てて経験してみるしか
わからないことがとてもたくさんあります。

ただそのデリケートさも主に育苗初期だけで、
しっかりと根を張りきった株であれば、
ほとんどデリケートさを感じることはなくなります。

sturgissianaを実際に育ててみた感じとしては、
乾燥と風通しの良さを好み、暑い夏よりも涼しい季節を好む性質から
Eucalyptus pulverulentaEucalyptus perriniana
良く似た性質を持っているように思います。

樹木としては、かなり小さめの灌木型で
大きくても5m程度にしかならないようです。

fancyboxスタージシアナ(Eucalyptus sturgissiana)の画像4

また、あまり幹を太らせることをせずに、
幹の細い頼りない樹形の樹木に育つようです。

例えるなら常に風に揺られているような、
竹のようなイメージでしょうか。

樹高は低めのため、早い段階で
開花を目指すことができると思われます。

十分な日光を受けて、
硬く丈夫な葉に育った個体は大丈夫ですが、
育苗初期の薄い葉のときには
うどんこ病ハダニなどの酷い被害を受けます。

成長力については、
初期にはかなり緩慢な品種と思わされますが、
根張りが完了して、栽培環境に慣れてからは、
平均的な東AZのユーカリ並になります。

暑い季節にはほとんど動かずに
4~5月や10月以降の涼しい季節メインで育ちます。
ただし耐暑性は決して低くはなく、
我が家では高温障害の症状が出たことはありません。

成長期に十分な日光を浴びずに育つと、
葉が薄っぺらく貧弱な状態のままとなり、
病害虫による被害を酷く受けてしまいます。

少しデリケートなsturgissianaですが、
その耐寒性についてはぴか一で、
-12℃くらいまでは全然大丈夫です。
大阪の冬では降雪があったとしても
葉の痛みさえ起こることはありませんでした。

気になるsturgissianaの香りですが、
ずばりシネオール!といった非常に男前の香りです。
非常に爽快でクールな香りがスッと突き抜けます。
globulusviminaliscinereaよりもっとシネオール!です。

実際にその精油の成分を調べてみると、
ほとんどがシネオールという内容です。
シネオールがお好きな人にはオススメのユーカリです。

fancyboxスタージシアナ(Eucalyptus sturgissiana)の画像5

この面白い外観が魅力のsturgissianaですが、
今のところ日本で手に入れる方法はありません。

タネを買って自分で育ててみるしか
手に入れる方法はないかと思います。

かなりレアなユーカリですから
タネの入手方法も少しマニアックなので、
なかなか日本で出回ることもないでしょう。

ただ、鬼門はしっかり克服したいので、
これからも何度かタネを播いていきたいと思っています。
今後、私のところでもしかしたら
苗のプレゼントがあるかもしれません。

何度かタネ播きをして、現在はこの鬼門を克服しました。
初期は乾燥気味に管理をして、根張りを万全にすることがキーでした。

初期にしっかりと根を張らせた健康な株は、
他の東AZのユーカリのように、楽に管理することができます。

fancyboxスタージシアナ(Eucalyptus sturgissiana)の画像6

とにかく!この面白い外観が
たまらなく愛おしい私の超お気に入りです♪

------------------------------
<栽培難易度:B>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:★★

要水分:★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★★
耐病虫:★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2011-10-11 19:45 | ユーカリ紹介
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