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【品種別栽培ガイド-04】
ユーカリ・グニー (Eucalyptus gunnii ssp. gunnii)

続きまして04回目は
ユーカリ・グニーです。

◎ユーカリ・グニー
【学名:Eucalyptus gunnii ssp. gunnii】
【英名:Cider Gum】
fancyboxグニー(Eucalyptus gunnii ssp. gunnii)の画像1

【品種情報】
最高樹高:25m前後
樹形:Tree(木立)型
親葉への変化:楕円丸葉~卵型の細葉へ変化
適合pH:弱酸性~中性(5.1-7.8)


【生息地情報】
地域:Tasmania中部(準高山湿地帯)
夏季最高気温:最高値34℃、平均値19℃
夏季最低気温:最低値-3℃、平均値6℃
冬季最高気温:最高値16℃、平均値7℃
冬季最低気温:最低値-13℃、平均値-1℃
年間降水量:1000~1650mm
(参考)東京-約1800mm、大阪-約1500mm


【一般栽培情報】
・日照
終日直射日光が推奨。(夏場は少し遮光が必要)
最低でも半日直射は欲しいところです。
屋内管理はほとんど不可。

・水遣り
表面が乾いたらたっぷりというタイミングでは、
夏以外の季節は少し多すぎます。(用土による)
他の植物に比べると、遥かに乾燥を好みますが、
ユーカリに慣れている人にはかなり水好きな方です。
水切れ耐性がほとんどないので、水切れにも注意です。

・用土
日照と風通しが良ければ、通常の観葉植物用土でも栽培可ですが、
パーライトや軽石、川砂などを混ぜ込んだ方がより良いです。
粒状培養土など乾燥力のあるものの方が育てやすいです。

・鉢
あまり問いませんが、縦長の方がパフォーマンスは出ます。
他のユーカリに比べると、横広の鉢でも
パフォーマンスの低下があまりありません。

・肥料
あまり効き目はないですが、成長期などの液肥や、
リン酸分の少ない化成の置肥などは多少は効果あり。
全く与えなくても、十分に育てることは可能。

・植え替え
植え替えに対しての耐性は強い方ですが、
初心者はできる限り根鉢を崩さない方が無難です。
また、真夏・真冬の植え替えは傷みやすいので避けます。

・寄せ植え
後々の植え分けがとても困難になるため、
できる限り寄せ植えは避けた方が無難です。
また、吸水力が激しいので、寄せ植えした花草を
早い段階で枯らせたり、生命力を奪うことがあります。

・病虫害
ミント系の成分を持つユーカリの一種なので、
うどんこ病ハダニの被害はほとんどありません。
ただし、日照不足の場合は酷い被害がでることもあります。
シネオール自体は薄い方なので、
尺取虫や蓑虫などが付くことはありますが、
被害が深刻になるようなことはありません。

・地植え
日本に入ってきているgunniiには様々な亜種が混在しています。
10m程度の亜種から、25mを超える原種まで様々です。
狭い日本の庭や玄関前のスペースでは、
根張りが十分にできずに、いまいちパフォーマンスが出ないため、
結果として、シンボルツリーとしても多用されていますが、
それでも最大樹高はかなりのものであることに留意してください。
畑のど真ん中など、根張りが十分にできる場所では、
簡単に電信柱を超えるサイズにまで成長します。

・耐寒性
ユーカリ中でもトップクラスの耐寒性を誇り、
地植えの成樹で-20℃以上と言われています。
関西や関東の暖地では余裕で屋外越冬可能。
日本の最も寒い場所でも栽培不可能ではありません。

・成長力
鉢植えであれば、最高で年40~50cmほど。
地植えすると1年で1mを超える可能性もあります。
多くの日本の都心部では、高温多湿が過ぎるようで、
パフォーマンスはいまいちなのですが、
それが逆に管理しやすいという結果につながっているようです。

・開花
そこそこの大きさの樹木を頻繁に見かける割には、
開花したという情報を全く聞いたことがありません。
恐らく、かなりの樹高が必要かと思います。
花は、ほとんど白に近いクリーム色の小さな花が咲きます。
蕾や実の形状・外観は亜種を見分けるポイントになります。
原種では白く粉を吹いていたり、粉が少なかったり様々です。

・枯死の要因
ほとんどが植え替えの失敗、過湿による根腐れ、
夏場の根の蒸れによる急性根腐れ。


【季節の管理】
・春秋
最も良く成長するメインの時期。
良く日光に当てて、成長を促しましょう。
他のユーカリに比べると、水を良く吸うので
この時期にも水切れに少し注意してください。

・夏
最も枯らせることが多い時期。
最近分かってきましたが、
特に見た目の変化は起きないにも関わらず、
日本の大阪や名古屋、東京などの夏は暑すぎて、
実際はかなり参っているようです。
新芽などに色素が抜けた高温障害の症状が出ることもあります。
少し涼しい場所に退避したり、遮光するのも良いでしょう。
また、夏はとても蒸れやすく、時期にしては、
思ったよりも水を吸わなくなることがあります。
過湿+高温には特に注意して、
真夏は少しお休みをさせてあげるような感じで管理します。
夏場はあまり成長は進まなくなります。

・冬
最もgunniiが美しくなり、安定する季節です。
用土が全乾きするタイミングで水遣り。
後はひたすら放置するでOKです。
他のユーカリに比べると、冬場でも結構水を吸います。
日本の暖地では葉が傷むようなこともなく、
新芽を展開することもあり、
寧ろ元気になった印象さえ受けます。
この時期に過湿にしてしまうと、
春になって一気にダメージが出ることがあります。


【特記栽培情報】
日光にさえ良く当てていれば、
勝手にどんどん育ってくれるという楽なユーカリ。
逆に日光が足りないと少し難しい植物になります。

ただし、思った以上に暑さは苦手なようで、
夏場や秋口にgunniiがいきなり枯れたというのは、
夏にかなりダメージを受けていたのが原因のようです。

ユーカリの中ではかなり湿潤を好む方なのですが、
夏場の過湿や根の蒸れには十分に注意が必要です。

暑さにとても強いユーカリが多い中、
gunniiは少し暑さには弱いんだなと考えてあげてください。

元々は比較的大型のユーカリなのですが、
日本のあらゆる環境と相まって、
かなり鉢植えで管理しやすいユーカリとなっています。

鉢植えでも、幹が十分に太り、
しっかりと自立するたくましい株に育ちます。

逆に日本の庭などで地植えにすると、
思ったよりパフォーマンスが出ないのですが、
それが結果として、低木のシンボルツリーとして
重宝される原因となっているのが面白いところです。

過湿に対する耐性はかなりのものなので、
このユーカリを根腐れさせた経験がある場合、
ユーカリ栽培の水分管理を根本的に見直した方が良いでしょう。

ただし、夏の管理は少し難しいところもあるので、
そのあたりは、冷涼地のユーカリの入門編としても経験になります。


※情報は適宜追加・変更します。

 
# by eucalyptus_k | 2012-10-16 10:10 | 品種別栽培ガイド
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