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ユーカリ栽培のポイント(2012年9月版)

最近ユーカリの栽培方法についてのお問い合わせが増えています。
こちらに基本情報をまとめておきますので、
ご参考までによろしくお願いいたします。

【栽培環境】
1. 終日直射日光の当たる環境が推奨
2. 四方に壁や他の植物のないフリースペースが推奨

※上記環境が確保できない場合
・最低でも半日は直射日光の当たる環境が必須
・鉢のサイズダウンおよび用土の乾燥力アップでカバー


【用土】
「栽培環境」の1と2が満たせる場合はあまり問いません。
通常の観葉植物培養土などに川砂や軽石、
ゼオライトなどを加えた用土を使用すれば問題ありません。
※花と野菜の土などの湿潤なものは×

「栽培環境」の1と2が満たせない場合は、
硬質赤玉土、鹿沼石、桐生砂、日向土などを多めに配合した、
半日陰でも、夏場はほぼ一日で用土全体が乾くものを使用。

ここでミスを犯すと最も枯死につながる要因となります。

・推奨用土(ゴールデン粒状培養土【観葉植物用】)
http://www.irisplaza.co.jp/Index.asp?KB=SHOSAI&SID=G514507F
※半日陰でもカバー可能

・独自配合の際の推奨メイン用土(二本線硬質赤玉土 小粒)
http://www.harukigarden.com/SHOP/0058.html
※日照・風通しが悪い場合の独自配合用土のメインに最適

・私の配合用土(参考)
硬質赤玉土(小):硬質鹿沼土(中):ゼオライト(北米産):桐生砂:くん炭
上記を、4:2:2:1:1の割合で混ぜ合わせたものを使用しています。
ただし、「栽培環境」の1と2が満たせる場合には、
少々乾燥力が強すぎて、頻繁な水遣りが必要になるかもしれません。

※赤玉土について
巷の栽培ガイドには赤玉土を推奨しているところが多いですが、
通常の安価な赤玉土は、すぐに崩れて微塵となり、
排水性を劣悪なものに変えてしまいます。

安価な赤玉土を使用する場合には、
桐生砂、日向土、川砂といった、指で潰せない硬さの
排水性を強化できる用土を多めに加える必要があります。

私も以前はコスト削減のために、赤玉土をケチっていましたが、
現在では安価な赤玉土は、タネ播き用土以外では、
全く使用しないことにしています。


【鉢】
1. プラスチック鉢、素焼き鉢が推奨(塗りのあるような陶器は非推奨)
2. 横広よりも縦長の鉢の方が格段に良い(パフォーマンスに大きな影響あり)
3. 乾燥力を必要とする西AZのユーカリなどにはワンサイズ小さな鉢を使用

・推奨鉢(カネヤ CSMスリットポット)
http://item.rakuten.co.jp/auc-kiryu-club/c/0000000107/

根のサークリングを防ぐ、非常に優れモノの鉢です。
私も実際に使っており、下記の通り効果を実感しています。
http://www.eucalyptus.jp/?a=191
http://www.eucalyptus.jp/?a=195

また、鉢底のスリットからも用土の乾きが進むため、
根腐れになりにくい仕様となっています。

鉢底のスリットから用土の乾燥度合がわかるため、
水遣りのタイミングを掴むのにも最適です。
コストもかなりリーズナブルで100均以下で買えます。

どのサイズを選ぶかですが、2m以内に抑えたい私で、
主に5号か6号を選択しています。
※乾燥好みは5号、湿潤好みは6号など
※個人的にはCSM-150Lがオススメ

この鉢はサークリングを完全に防止できるため、
小さなサイズで大きな樹高にまで育てられます。
※ただし風による転倒には注意!


【水遣り】
環境、用土、鉢、成長度合などによって大きく左右されるため、
こちらで簡単に記載することは避けます。
詳しくは、その都度お問い合わせください。

スリット鉢を使用して、鉢底のスリットから確認したり、
用土の表面を少し指で掘ってみて確認するなど、
色々と試行錯誤を繰り返して、身体で覚えていきましょう。

多くの品種では、夏と春秋、冬で大きく吸水量が変動します。
例えば、これは家の例ですが、

robustarudisといった湿潤を好む品種で、
夏は1日に一回、春秋は2日に1回、冬は3~4日に一回、
macrocarpaなどの乾燥を好む品種では、
夏は1日に一回、春秋は3~5日に1回、冬は10~14日に一回
と品種によっても大きな差が出ます。

・参考記事
http://www.eucalyptus.jp/?a=188


【日照】
1. 終日直射日光の当たる環境が推奨
2. 一部暑さに弱い品種などでは遮光を必要とする場合もあり

最も重要なポイントで、日当たりさえ良ければ、
ユーカリはとても栽培が容易な植物であるといえます。


【肥料】
1. 成長力を加速させたい場合以外にはさほど必要としない
2. 国産の植物に比べると肥料の効きが悪い
3. 有効な成分は窒素、カリ、マグネシウム、鉄分類など

基本的には窒素リン酸カリの割合が等しいものか、
窒素カリの割合が多い置肥用の化成肥料で十分です。
成長力をドーピングしたい場合は同じ割合の液肥が有効です。

リン酸はオーストラリアの土壌にはほとんど含まれていないため、
全くと言っていいほど効き目がありません。
また、一部の西AZや中央AZの品種では、
リン酸による肥料あたりが発生する場合もあります。

国産の植物に比べると、鉄分やマグネシウムの補給が必要です。
ただし、マグネシウム補給の際のpHには注意が必要です。


【pH】
ほとんどの品種では弱酸性を好むものが多いです。
良くネット上にアルカリ性を好むという情報がありますが、
これらは全てガセで、日本で良く見かける品種は
全てが弱酸性を好むものばかりです。
※一部Moon Lagoonなどではアルカリ寄りのpHを好みます。

石灰やマグネシウム、カリの補給をしすぎて、
pHが上がり過ぎると、微量要素の欠乏症となる可能性があります。


【植え替え】
1. 初心者は根鉢を決して崩さないこと
2. 真夏や真冬の植え替えは避けること
3. できる限り速やかに行うこと
4. 地植えした場合は移植は不可能と思うこと

ユーカリを枯らせる大きな原因となる項目です。
ユーカリは直根性のため、移植を嫌います。
根鉢は極力ほぐさないようにしましょう。

・参考記事
http://www.eucalyptus.jp/?a=195


【寄せ植え】
1. 全面的に非推奨

ユーカリはほとんどが巨大な樹木です。
一緒に植えると根が負けて、他の植物は枯れてしまいます。
また、ユーカリ同士を寄せ植えすると、
移植を嫌う性質上、植え分けが非常に困難になります。

・参考記事
http://www.eucalyptus.jp/?a=214


【地植え】
ユーカリの多くは25mオーバーになる品種が多く、
中には70mを超えるサイズのものもあります。

地植えをされる場合には、
クスノキやケヤキを植えるのと同じ覚悟が要ります。

また、地植え後はプロでも移植が難しいです。
地植えされる場合は、もう一度良く考えてみてください。


【剪定】
1. 枝を減らすのではなく、葉を減らすこと

剪定には奥深いテクニックがあります。
私も剪定については、超初心者です。
基本情報として、下記を参考にしてみてください。
http://www.eucalyptus.jp/?a=228


【病虫害】
1. 尺取虫、蓑虫、オンブバッタ
たまにつくことがありますが、被害はさほど甚大ではありません。
オンブバッタは、雑草をなくすと、数が減ります。

2. 毛虫
滅多につくことはありませんが、シネオールの少ない品種では
イラガなどの毛虫が付くこともあるようです。

3. アブラムシ
シネオールの少ない品種などで、新芽限定でつくことがありますが、
ほとんど甚大な被害を及ぼすことはありません。

4. ハダニ
環境によっては甚大な被害がでることもあります。
そのような場合は、殺ダニ剤の散布が必要になります。
逆に風通しや日照が良く、雨の当たる場所では
ほとんど発生することはありません。

5. うどんこ病
日照が良ければほとんど発生することはありませんが、
風通しや日照が悪い場合には、甚大な被害がでることもあります。
ユーカリ栽培の共に殺菌剤というところでしょうか。。。

6. 褐班病
過湿などによる根の生育不良が主な原因です。
殺菌剤である程度、治癒することもできますが、
まずは管理方法や環境の改善が必要でしょう。


【枯死の要因】
1. 過湿による根腐れ
2. 水切れ
3. 植え替え失敗

ユーカリが枯れてしまう原因は1~3が
98%を占めているといっても過言ではありません。
また、植え替え後、1ヵ月以上が経っている場合、
過湿による根腐れが98%中の80%を占めているといえます。

水切れの場合は、すぐに気づいて水を与えれば、
比較的高い確率で復活してくれますが、
過湿や植え替え失敗が原因の場合は、
ほとんど復活する可能性はありません。

他には地虫(コガネムシ幼虫)による
根の食害などもあるようですが、
用土の乾燥力を上げると、自ずから腐食質が少なくなるため、
地虫が入る可能性は少なくなります。


その他でも気づいたことがありましたら
この記事に随時加筆していきます。

ご参考までによろしくお願いいたします。

# by eucalyptus_k | 2012-09-14 09:09 | ユーカリ(栽培知識)
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