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【ユーカリ紹介-07】
ツキヌキユーカリ (Eucalyptus perriniana)

続きまして第07回目は
ユーカリ中でも一際特徴的な外観を持ち、
男性園芸家に絶大な人気を誇る!
ユーカリ界の際物、ツキヌキユーカリ(perriniana)です。

◎ツキヌキユーカリ
【学名:Eucalyptus perriniana】
【英名:Spinning Gum】

fancyboxペリニアナ(Eucalyptus perriniana)の画像1

fancyboxペリニアナ(Eucalyptus perriniana)の画像2

このperriniana、なぜツキヌキかというと、
幹が葉を串焼きのように突き抜いているところからそう呼ばれます。

名前は良く耳にしますし、知っている方も多く、
切枝等でも比較的有名なユーカリですが、
近年では、主要な生産者が減少したため、
非常に手に入りにくいユーカリとなっています。

はっきり言って、ネット上を縦横無尽に探し回りましたが、
約半年間、全く手に入れることができませんでした。
断られた園芸店の数は50店以上にのぼります><;
季節も悪かったのか、ここにきて、マニアックな園芸店や
オークション等で少し見かけるようになってきました。。。

寒さにはめっぽう強く、
雪の中でも元気に育っている写真を見かけます。
耐寒性は-15℃以上でも軽く耐えることができます。
我が家でも、全く痛むことなく冬を越すユーカリの一つです。

ところが葉の形状から葉に水滴を貯めやすいため、
風通しや日当たりの悪いところで育てると、
どうしても葉が痛み、葉を綺麗に保つことが難しくなってしまいます。

また、上記の要因から、
ユーカリの中ではかなり病害虫に弱いユーカリのため、
風通しの悪い場所や植物間の混み合った場所では、
ハダニ
うどんこ病等に注意する必要があります。

perrinianaはさほど成長の早い品種ではないので、
鉢植えで盆栽風に育てるのもいいと思います。
用土の過湿に対する耐性はそれなりにある方ですが、
gunniiなどよりは少し乾燥気味に管理します。

また、空気の動かない湿気のこもった環境を苦手とします。
風通しの良いところで育てるようにしてください。
水遣りの際に葉の上に水が溜まるようでしたら、
指で払って水を落とすようにすると良いと思います。

perriniana際立って日光の好きな品種です。
できれば一日中日光の良く当たる環境で栽培してください。
半日陰以下の環境で育てると、かなり貧弱な株になり、
病害虫の影響を激しく受けることになるでしょう。

また、暑すぎる日本の夏をとても苦手としているようです。
高温多湿な大阪などの地域では、
激しい高温障害の症状が出ることもあります。

できる限り、涼しく風通しの良い場所で管理することが、
夏場も葉を綺麗に保つコツになります。

この暑さに弱い性質から、夏場はほとんど成長が進まず、
かなり涼しい時期をメインに成長します。
逆に寒さにはとても強いため、
厳冬期でも新芽を展開することがあります。

perrinianaには大きく分けて2種類のタイプが存在します。
1つはタスマニア生息型のTasmanian Form
もう1つはオーストラリア本土生息型のMainland Formです。

園芸的価値が認められており、
好んで栽培されているのはTasmanian Formの方で、
日本で出回っているのもほとんどがTasmanian Formです。
ちなみにこの記事の写真の株もTasmanian Formです。

Tasmanian Formの特徴は小ぶりで丸みのある葉形をしており、
冬季に発生する新芽がピンク色になることがあります。
また全般的に葉の白銀色が非常に強くなっています。
ただしMainland Formに比べると耐暑性が劣り、
少しだけデリケートな性質を持っています。

fancyboxペリニアナ(Eucalyptus perriniana)の画像3

一方、Mainland Formの特徴は、非常に大きな葉で、
少し角ばった形状をしており、葉は緑色が強くなっています。
あまり好んで栽培されることはないようですが、非常に強健なようです。

fancyboxペリニアナ(Eucalyptus perriniana)の画像4

通常、単にperrinianaでタネを注文すると、
十中八九はTasmanian Formのタネになることと思います。
もし、Mainland Formを育ててみたい方がいたら、
タネの販売先を紹介することができます。

このperrinianaも他の丸葉ユーカリと同じく、
大きく成長してしまうと、
末葉として細長い葉になってしまうようです。

末葉に変わる目安は大体2m以上の樹高と言われていますが、
これは個体差や環境によって本当にまちまちです。

目安として、2m以下の樹高で管理できれば
ツキヌキの葉がずっと楽しめるということになります。

ユーカリとしては、東AZには珍しく、かなり小型の品種です。
樹高は5m~10m程度までのTree(木立型)の樹木になります。
稀にMalllee(灌木型)になる個体も存在しているようです。

まだ、花が咲いたという話を聞いたことはありませんが、
恐らく、鉢植えで150cmくらいでの開花が見込めるはずです。

サイズ的にはとても都合が良く、鉢植えでも、地植えでも、
コンパクトに管理できるユーカリであるといえます。

気になるperrinianaの香りについてですが、
cinerea
等のようにシネオールがガツンと来るような香りではなく、
シネオール系の香りをベースに
ほのかにコッテリとした甘い香り
が漂うといった感じです。
良い香りですが、少しだけ生臭くて癖のある香りかもしれません。

前評判では「精油の含有量が高い」とあったのですが、
さほど香りが強いとか、精油が多いといった印象は受けません。

fancyboxペリニアナ(Eucalyptus perriniana)の画像5

このユーカリ、その際立った外観から
とにかく男性を中心に根強い人気があります。
身内や友人に私のユーカリコレクションを見せると、
決まって「これいいな!これ欲しい!」と言われます。

ところが手に入れることは容易ではありません。
・・・が!通年で在庫をお持ちの
非常に素晴らしい農場を知っていますので、
このユーカリを手に入れたい方は是非ご連絡ください。

一目で誰もが見分けの付く特徴的なユーカリ!
際物ですが人気抜群のツキヌキユーカリ(perriniana)は、
ユーカリに興味のある方には特にオススメのユーカリですよ!^^

------------------------------
<栽培難易度:C>
香良さ:★★
香強さ:★★★
成長力:★★

要水分:★★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★★
耐暑性:★
耐病虫:★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2009-06-10 20:29 | ユーカリ紹介
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【ユーカリ紹介-06】
ユーカリ・ベイビーブルー (Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue')

続きまして第06回目は
前回紹介したpulverulentaの亜種。
pulverulentaと同じく銀世界ユーカリとして有名で
Little Boy Blue(リトルボーイブルー)という販売名でも知られる
ユーカリ・ベイビーブルーです。

◎ユーカリ・ベイビーブルー
【学名:Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue'】
【英名:'Baby Blue' Eucalyptus】

fancyboxベイビーブルー(Eucalyptus pulverulenta 'Babyblue')の画像1

fancyboxベイビーブルー(Eucalyptus pulverulenta 'Babyblue')の画像2

大葉で肉厚のpulverulenta
より切枝として活用しやすいように改良された園芸品種です。
pulverulentaより遥かに小ぶりで
葉の表面に少し光沢があるのが特徴です。

pulverulentaの葉のように、激しく粉を吹かず
非常に眩しいエメラルドグリーンの葉が際立っています。

このBaby Blueは、銀世界ユーカリ
リトルボーイブルー
名で販売されているのですが、
最近まで、その品種の判別には本当に苦労していました。。。

肉厚で大葉、白銀色の美しいpulverulentaの印象が強すぎて、
異なった亜種が存在することを全く想定できなかったためです。

pulverulentaとの大きな相違点は、その強く甘い香りです。
pulverulentaはミント系&柑橘系の
非常に爽やかな香りがします。

ところがこのBaby Blue
柑橘系香水のような非常に甘い香り
が強くします。
本当に両者で違う香りがするため、
まさか亜種だとは思ってもいませんでした。

pulverulentaでは、
花を咲かせるのに2m近くまで育てる必要がありますが、
Baby Blueは、1m程度の樹高でも
花を咲かせることができるそうです。

また大きくなれば10m以上にまで育つpulverulentaに対して、
Baby Blueは大きくても6m程度の低木止まりです。
このあたりからも切枝用に改良された
園芸品種であることが伺えます。

私がこのユーカリと出会ったのは、
cinereaを探しているときに、
銀世界ユーカリ名で購入したのが最初です。

その後、リトルボーイブルー名で
販売されているユーカリを購入したところ、
全く同じ外観と香りだったので
これらは同じ品種だなと確信しました。

このリトルボーイブルーという名称は、
その形状と色が、マザーグースに登場する
青い服の羊飼いの少年みたい
ということで付けられた販売名だそうです。

このBaby Blueについては
銀世界ユーカリという名称より、
Baby Blueリトルボーイブルーの方が
このユーカリの外観をうまく表現できていると思います。

とにかく、このユーカリ!良い香りがします。
女性を中心に大ウケする甘い香りです。


Baby Blueは原種に比べると、少しデリケートなところもありますが、
日本の環境&鉢植えでも比較的育てやすいユーカリです。

特に冷涼地で日光のふんだんに当たる環境がある場合には、
とても育てやすく、素晴らしいユーカリになります。

余り大きく育つことのない品種ですから、
植木鉢でコンパクトに管理するのには非常に向いています。
また切枝用に改良された品種のため、脇芽もたくさん出ます。

原種のpulverulentaに比べると、
日陰にも少しだけ強く、どこでも安定して育ちますが、
成長力旺盛なpulverulentaとは大きく異なり、
ユーカリ中では非常に成長速度の遅い品種です。
じっくり育てながら楽しむ方にオススメです。

半日陰の環境でも十分に育てられますが、
葉を大きく健康に育てたい場合は良く日光に当ててください。
また、植え替えについては原種同様に弱い方ですので、
植え替え時には根を痛めないように気をつけてください。

また、Baby Blueは、高温多湿な大阪などの夏は
とても苦手としているようです。

育てる地域によっては、
梅雨時期~夏場の少しの葉痛みは
ある程度許容する必要があるかもしれません。

また、風通しの悪い場所で育てると、
株元の葉の密集した部分が蒸れて、
下葉が激しく散ってしまうことがあります。

あまりに暑く、雨の多い夏の場合は、
激しく高温障害の症状が出ることもあります。
そのような場合には、少し涼しく、
風通しの良い場所に退避することも検討してください。

この高温多湿に極端に弱い性質が若干の鬼門ですが、
余程のことがない限りは、葉が傷んだり散ったりするレベルで、
枯死してしまうようなことはありません。

季節が涼しくなれば、新たに新芽を吹きますが、
前述した通り、成長の非常に遅い品種のため、
完全に復帰するには少し時間がかかります。

とにかく夏場は、涼しく風通しの良い場所で育てるのが、
葉を綺麗に保つコツになります。

栽培環境によっては、葉が蒸れないように
初夏の段階である程度葉を間引くのも良いかもしれません。

Baby Blueは、ユーカリの中では珍しく、
虫害に合いやすいユーカリでもあります。

新芽にはアブラムシがつくことがあり、
風通しの悪い環境では、
ハダニの被害が酷く出ることもあります。

Baby Blueは、園芸品種として改良された品種のため、
少しデリケートな性質になっているのかもしれません。

耐寒性はpulverulentaには劣るものの、
-8℃以下の環境で冬を越した実績があります。
gunniiよりは幾分乾燥気味に育てた方が
耐寒性も増し、安定して冬を越せるでしょう。

ユーカリの香りに興味があって育ててみたい!
庭木にするのは困るけど鉢植えでコンパクトに育てたい!
あまり短期間で大きくなりすぎないユーカリが良い!
冷涼地や寒地でも育てやすい丸葉ユーカリが良い!
なんて方にはとってもとってもオススメのユーカリです

育ててみたい方には素晴らしい農場をご紹介します。
気軽に声をかけてくださいね。

家では水差しにした後、
干してお風呂に入れるのが定番になっています^^

------------------------------
<栽培難易度:B+>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★★★
成長力:★

要水分:★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★
耐病虫:★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2009-06-02 20:15 | ユーカリ紹介
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銀世界ユーカリ復活!

以前の日記でご紹介した銀世界ユーカリ【Baby Blue
購入時から酷い有様で、
地虫駆除のため強引に植え替えを行った結果、
より痛んでしまい以下のような姿になっていました。

fancybox記事16の画像1

痛みはどんどん進行していくので、
止むを得ずに痛んだ二本の枝(全ての枝)をバッサリといきました。
枯れてしまうことを覚悟での一か八かの賭けでした。。。

そうしたら!この度、たくさんの新芽を出してきました!

fancybox記事16の画像2

fancybox記事16の画像3

切り株の根元から元気よく芽吹く新芽!
非常に美しいレイアウトだと思いませんか?

大きくなって、甘くやさしい香りで、
たくさんの人々を幸せにして欲しいと願っています^^

# by eucalyptus_k | 2009-06-02 02:38 | ユーカリ(その他)
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