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もうすぐ春!現在のユーカリ達

今年は簡易温室を全く使用することなく、
全てのユーカリを屋外越冬することができました。
※ベランダなので軒下越冬ですが。

まだまだ寒さの残る季節ですが、
もうほぼ冬は越えたと言っても良いでしょう。

結果としては、
いくつかポット苗の株を水切れで枯らせた以外は、
鉢に定植済みの全ての株が無事です。

今日はそんな冬を越えかけている
我が家のユーカリたちをいくつかレポートします。

寒くなった当初、
酷く枯れ出した品種がありました。
Eucalyptus macrandraという西AZのユーカリです。

このmacrandraは、前評判では、
なかなかの耐寒性を持っているとのことでした。

恐らく、まだ株がかなり小さいので、
通常の水遣りでは過湿になったのが原因かと思います。

そこで、鉢表面からの水遣りを完全に停止して、
鉢底のスリットからの微量な底面給水のみに切り替えたところ、
そこから枯れがピタッとストップしました。

fancybox記事276の画像1

大部分の葉は枯れかけていますが、
新芽などは全く無傷なので、
暖かくなれば復活してくれることと思います。

次に前の冬に屋外越冬を試みて、
瀕死の重傷を負ったerythrocorysです。

fancybox記事276の画像2

昨年、毛の生えた葉から
毛のない細葉に変わり始めて、
かなり耐寒性が上がったようです。

下の方の毛の生えた葉は、
前の冬と同じようにボロボロになっています。

fancybox記事276の画像3

ところが、株上部の毛のなくなった葉は、
ほとんど無傷に近い状態です。

fancybox記事276の画像4

他の毛の生えた葉を持つユーカリもそうですが、
毛のない葉に変わったところで、
かなり耐寒性があがるようですね。

この結果であれば、
葉の毛がなくなったerythrocorysであれば、
関西圏では問題なく屋外越冬ができると思います。

次にこれもあまり寒いのが得意ではない、
decipiens ssp. decipiensです。

寒風吹きっ晒しの場所に置いてありましたが、
特に大きな葉痛みもなく、至って元気です。

fancybox記事276の画像5

この株も潅水量をびっくりするほど減らしていました。
鉢表面からの水遣りは完全に停止して、
鉢底のスリットから週に2回程度、
サラッと水をかけるだけでしたが、
それが耐寒性の大幅アップにつながったようです。

思ったよりも傷んだのが、
Eucalyptus pruinosaです。

fancybox記事276の画像6

この品種は元々さほどの耐寒性は
持ち合わせていないようです。

新芽はとても綺麗なのに、
古い下の方の葉だけ傷んでいるという不思議な状態です。

恐らく、鉢がスリット鉢ではないため、
用土の乾きが掴みにくく、
どうしても潅水が多めになったからかもしれません。

下の方の葉はボロボロ散っていきますが、
新芽付近は元気なので、
いずれ復活してくれることと思います。

最後に、見た目だけはかなり紅葉が激しくなる、
我が家の2mオーバーの品種たちです。

fancybox記事276の画像7

左の大きな葉の紫になっているものはcamaldulensis
真ん中奥の同じく紫の大葉のものはrobusta
右のあまり変化のないものはglobulus ssp. globulusです。

前者の2種は毎年、激しく色が変わってびっくりしますが、
痛みなどはなく、至って元気なものです。
この他では、melanophloiaなども激しく色が変わります。

これ以外のユーカリは至って元気、
葉痛みなどもほとんどありません。

これから春を迎えて、
どんどん元気な葉を出して欲しいものです{#クローバー}

# by eucalyptus_k | 2013-03-18 17:02 | ユーカリ(栽培実績)
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今年の冬季管理からわかったこと

初めに!
非常に遅くなってしまいましたが、、、

あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします!

今年はブログの機能追加と
それに関するトラブル云々に加えて、
年末年始のバタバタで、
記事の更新もままなりませんでした><;

季節は厳冬期に差し掛かろうというところですが、
今年は未だに温室を出してさえいません。
寒さに弱いユーカリを軒下に移動させたり、
後ろに下げるといったようなことも全く行っていません。

camaldulensis/robusta/melanophloia/rudis
レモンユーカリといったような、
そこまで寒さに強くないユーカリは
既に真っ赤に紅葉しています。

ところが、
decipiens/kruseana/pleurocarpa/extrica

などの若干耐寒性に難ありの西AZのユーカリや、
耐寒性が未知数の新参のユーカリについては、
特に大きな葉痛みや、紅葉も起こっていません。

我が家で最も耐寒性に難のあるerythrocorysも、
成長が進んで、葉の毛がなくなり、
光沢のある葉へと変わったからでしょうか。
今のところ目立った痛みは出ていません。

このままいけそうな気もしているので、
今年は、まだしばらく、
温室や移動なしで行きたいと思っています。

今年の管理で、例年と大きく違うところは、ただ一つ!
ほぼ全ての株で、鉢の上からは全く水を与えていないことです。

寒さに強く、冬季の吸水もそこそこあるような、
globulus/risdoniiなどはその限りではありませんが、
特にmacrocarpaなどのユーカリでは、3~14日に1回程度、
ほんの数秒、鉢底のスリットから軽く水をかける程度です。

特に冬季の吸水が少ないユーカリにwoodwardiiがあります。
我が家のwoodwardiiは35cmくらいの樹高で、
スリットの5号鉢に植わっています。
これももちろん、鉢底のスリットからの吸水のみです。

試しに、用土全てがカラカラの状態のときに、
鉢底のスリットから5秒程度水をかけて、
そこから、鉢底のスリットから見える土が、
何日で乾くのかを実験してみました。

結果は、余裕で半月以上かかりました。

わずか5秒、鉢底から水をかけただけですから、
用土の表面は最初から最後までカラカラです。

60cmで6号鉢のkruseanaでも実験しましたが、
余裕で半月くらいは湿ったままでした。

これは、鉢底から見えるスリット付近の土だけの話ですから、
恐らく完全に水が切れて、枯れが出るまでには、
まだ何日も余裕があるものだと思います。

これらのユーカリが、
冬季はどれほど水を吸わないのかがわかります。

先年までの冬季管理では、最低でも半月に1度くらい、
鉢の表面からたっぷりと水を与えていました。
これでは正直少ないかなと思っていたのですが、
とんでもない話で、寧ろ多すぎたようですね。

今年、一切温室を使用していなくても、
ほとんど全てのユーカリに痛みがないのは、
この吸水量の調整の恩恵なのかもしれません。

吸水を減らし、乾燥気味に管理することで、
大幅に耐寒性を上げることができる。

この言葉の意味をようやく体感できた気がします。

一方で、冬季にこれらのユーカリを
常時、雨の当たる場所で管理するというのは
ちょっと難しいことなのかもしれません。。。

# by eucalyptus_k | 2013-01-05 19:38 | ユーカリ(栽培知識)
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タネ播きの適期・適温

最近色々とタネを播いていて
わかってきたことがあります。

当たり前と言えば当たり前なんですが、
ユーカリは様々な気候帯に生息し、多種多様ですから
それぞれの品種に最適なタネ播きの適期・適温があります。

良く最高気温が20℃を上回る季節が適期と言われますが、
これは全ての平均値のような感じです。

ちなみに私の環境でのお話ですので
ご参考までによろしくお願いします。

1. ニューサウスウェールズ州のユーカリ
------------------------------------------------------------
日本で良く見かけるユーカリが多い地域です

主なユーカリは下記の品種です。
cinerea/pulverulenta/bridgesiana/nicholii/polyanthemos
viminalis/globulus ssp. bicostata/scoparia/rubida
parvula/viridis/melliodora/sideroxylon/punctata

これらは一般的に良いと言われている季節で、
関西や関東の暖地ではゴールデンウィークが終わった頃
もしくは9月下旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃を上回り、
最高気温が20~25℃くらいの季節です。

ただこのグループのユーカリは
比較的あらゆる気候帯に対応でき、
それ以降のさらに暑い季節や少し寒い季節でも、
ある程度の数を発芽させることも可能です。

ただ、もちろん冬季の屋外での発芽は難しく、
真夏の最も暑い時期には発芽率だけでなく、
発芽後の生育もイマイチになってきます。


2. ビクトリア州/タスマニア島のユーカリ
------------------------------------------------------------
ビクトリア州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
南部や南部内陸部のユーカリ、その他の地域の
高山生息種などもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
gunnii/archeri/globulus ssp. globulus/globulus ssp. maidenii
perriniana/urnigera/crenulata/glaucescens/camphora
aromaphloia/tenuiramis/risdonii/morrisbyi/cordata
delegatensis/smithii/cypellocarpa/ovata/pauciflora
coccifera/goniocalyx/sturgissiana/cephalocarpa
dalrympleana/dives/nitens/neglecta/nova-anglica
polybractea/radiata/regnans/subcrenulata
brookeriana/kitsoniana

どちらかというと、暑さに弱いユーカリが多いです。

これらは1のグループよりもさらに涼しい時期で
関西や関東の暖地では4月上旬くらいからと、
10月中旬~11月くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が10℃程度まで下がり、
最高気温が20℃いくかいかないかくらいの季節です。

グループの中でも色々と差があり、
例えば、globulus ssp. globulus/goniocalyxなどは
1のグループと同じように暖かい時期でも発芽率が良く、
逆にglaucescens/tenuiramis/risdonii/delegatensis
pauciflora/coccifera/dalrympleana/nitens/regnansなどは
気温が上がり過ぎると全く発芽しないこともあります。

これらの品種は真夏などにタネを播くと
全く発芽しないか、発芽しても極めて生育が悪く、
立ち枯れてしまう苗が多くなります。

また特に涼しい環境を好む品種では、
真夏にタネを播いても発芽は完全ゼロとなり、
10月に入り、忘れた頃に続々発芽し出す
といったようなことが起こります。

このグループのユーカリは、
冬季の室内で発芽を試みると、
極めて良い発芽結果が得られています。

冬季室内の温度や湿度の状態が
これらのユーカリの発芽に良く合っているようです。

ただし、そのような場合でも、
冬季室内で栽培し続けると、苗が徒長し、
生育が悪くなるので、ある程度発芽したら
とっとと屋外に出してしまう方が良いです。
※どれも耐寒性は高いので安心です。

一部の、特に高山部に生息し、且つ湿潤を好む
glaucescensdalrympleananitensなどは、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


3. サウスオーストラリア州沿岸部のユーカリ
------------------------------------------------------------
アデレード周辺からカンガルー島付近に生息しているユーカリです。

主なユーカリは下記の品種です。
leucoxylon/cladocalyx/albopurpurea
fasciculosa/calycogona


これらは1と2のちょうど間くらいの季節で
関西や関東の暖地では4月中旬くらいからと、
10月上旬~11月初旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃より低くなる日が何日かあり、
最高気温が20℃を少し超えるくらいの季節です。

このグループのユーカリは少し暖かい季節や、
さらに涼しい季節の発芽にも幅広く対応することができます。

ところが真夏にタネを播くと、発芽率こそ悪くないのですが、
その後の生育が極めて悪くなるという特徴があります。

また梅雨時期の育苗の調子があまり良くないので、
春は少し涼しめの時期に少し早めのタネ播きを行い、
秋は少し暖かめの時期にタネを播くのが良いです。


4. クイーンズランド州のユーカリ
------------------------------------------------------------
クイーンズランド州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
北部や北部沿岸部のユーカリなどもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
citriodora/staigeriana/melanophloia/camaldulensis
maculata/muelleriana/tereticornis/robusta
grandis/coolabah


どちらかというと、寒さに弱いユーカリが多いです。

これらはかなり暖かく湿潤な季節を好み
関西や関東の暖地では5月下旬くらいからと、
梅雨時期~初夏と晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を超えだし、
最高気温が30℃に届くかどうかくらいの季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

逆にあまりにも温度が下がってきて、
最高気温が20℃を下回る季節になると
極めて発芽率が悪くなります。

これらのユーカリは一様に湿潤を好むため、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


5. ウェストオーストラリア州のユーカリ
------------------------------------------------------------
西オーストラリアだけでなく、サウスオーストラリア州の内陸部、
ノーザンテリトリーの南部など砂漠地帯のユーカリなども
このグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
全ての西AZのユーカリ/pachyphylla/gamophylla/gillii
leptophylla/socialis/oleosa/pimpiniana/gracilis

これらは最も暖かい季節を好み、
関西や関東の暖地では梅雨明け後の初夏から
真夏や晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を完全に超えて、
最高気温が30℃を超えるような季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

西AZの沿岸部の非常に穏やかな気候の地域に属する
lehmanii/pleurocarpa/pachyloma/preissianaなどは
1のグループと同じ季節での発芽もOKです。

逆にrhodantha/macrocarpa/gamophyllaなどの
暑い砂漠地帯に生息するユーカリは
最低気温が25℃を超えるような暑い季節が最も良く、
1のグループのような少し涼しい季節には
発芽率がかなり悪くなります。
※特にrhodanthaは顕著です。

どれも乾燥を好み、梅雨時期の管理が困難なため、
私は梅雨明けと同時にタネ播きを開始しています。


今回は大雑把にグループ分けしたため、
かなりざっくりとした情報になっていますが、
実際にはそれぞれのグループ内でも
非常に微妙な差が発生しています。

タネ播きにチャレンジする方は
ぜひ参考にしてみてください!{#グッド}

# by eucalyptus_k | 2012-11-06 14:22 | ユーカリ(栽培知識)
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ユーカリ栽培のポイント(2012年9月版)

最近ユーカリの栽培方法についてのお問い合わせが増えています。
こちらに基本情報をまとめておきますので、
ご参考までによろしくお願いいたします。

【栽培環境】
1. 終日直射日光の当たる環境が推奨
2. 四方に壁や他の植物のないフリースペースが推奨

※上記環境が確保できない場合
・最低でも半日は直射日光の当たる環境が必須
・鉢のサイズダウンおよび用土の乾燥力アップでカバー


【用土】
「栽培環境」の1と2が満たせる場合はあまり問いません。
通常の観葉植物培養土などに川砂や軽石、
ゼオライトなどを加えた用土を使用すれば問題ありません。
※花と野菜の土などの湿潤なものは×

「栽培環境」の1と2が満たせない場合は、
硬質赤玉土、鹿沼石、桐生砂、日向土などを多めに配合した、
半日陰でも、夏場はほぼ一日で用土全体が乾くものを使用。

ここでミスを犯すと最も枯死につながる要因となります。

・推奨用土(ゴールデン粒状培養土【観葉植物用】)
http://www.irisplaza.co.jp/Index.asp?KB=SHOSAI&SID=G514507F
※半日陰でもカバー可能

・独自配合の際の推奨メイン用土(二本線硬質赤玉土 小粒)
http://www.harukigarden.com/SHOP/0058.html
※日照・風通しが悪い場合の独自配合用土のメインに最適

・私の配合用土(参考)
硬質赤玉土(小):硬質鹿沼土(中):ゼオライト(北米産):桐生砂:くん炭
上記を、4:2:2:1:1の割合で混ぜ合わせたものを使用しています。
ただし、「栽培環境」の1と2が満たせる場合には、
少々乾燥力が強すぎて、頻繁な水遣りが必要になるかもしれません。

※赤玉土について
巷の栽培ガイドには赤玉土を推奨しているところが多いですが、
通常の安価な赤玉土は、すぐに崩れて微塵となり、
排水性を劣悪なものに変えてしまいます。

安価な赤玉土を使用する場合には、
桐生砂、日向土、川砂といった、指で潰せない硬さの
排水性を強化できる用土を多めに加える必要があります。

私も以前はコスト削減のために、赤玉土をケチっていましたが、
現在では安価な赤玉土は、タネ播き用土以外では、
全く使用しないことにしています。


【鉢】
1. プラスチック鉢、素焼き鉢が推奨(塗りのあるような陶器は非推奨)
2. 横広よりも縦長の鉢の方が格段に良い(パフォーマンスに大きな影響あり)
3. 乾燥力を必要とする西AZのユーカリなどにはワンサイズ小さな鉢を使用

・推奨鉢(カネヤ CSMスリットポット)
http://item.rakuten.co.jp/auc-kiryu-club/c/0000000107/

根のサークリングを防ぐ、非常に優れモノの鉢です。
私も実際に使っており、下記の通り効果を実感しています。
http://www.eucalyptus.jp/?a=191
http://www.eucalyptus.jp/?a=195

また、鉢底のスリットからも用土の乾きが進むため、
根腐れになりにくい仕様となっています。

鉢底のスリットから用土の乾燥度合がわかるため、
水遣りのタイミングを掴むのにも最適です。
コストもかなりリーズナブルで100均以下で買えます。

どのサイズを選ぶかですが、2m以内に抑えたい私で、
主に5号か6号を選択しています。
※乾燥好みは5号、湿潤好みは6号など
※個人的にはCSM-150Lがオススメ

この鉢はサークリングを完全に防止できるため、
小さなサイズで大きな樹高にまで育てられます。
※ただし風による転倒には注意!


【水遣り】
環境、用土、鉢、成長度合などによって大きく左右されるため、
こちらで簡単に記載することは避けます。
詳しくは、その都度お問い合わせください。

スリット鉢を使用して、鉢底のスリットから確認したり、
用土の表面を少し指で掘ってみて確認するなど、
色々と試行錯誤を繰り返して、身体で覚えていきましょう。

多くの品種では、夏と春秋、冬で大きく吸水量が変動します。
例えば、これは家の例ですが、

robustarudisといった湿潤を好む品種で、
夏は1日に一回、春秋は2日に1回、冬は3~4日に一回、
macrocarpaなどの乾燥を好む品種では、
夏は1日に一回、春秋は3~5日に1回、冬は10~14日に一回
と品種によっても大きな差が出ます。

・参考記事
http://www.eucalyptus.jp/?a=188


【日照】
1. 終日直射日光の当たる環境が推奨
2. 一部暑さに弱い品種などでは遮光を必要とする場合もあり

最も重要なポイントで、日当たりさえ良ければ、
ユーカリはとても栽培が容易な植物であるといえます。


【肥料】
1. 成長力を加速させたい場合以外にはさほど必要としない
2. 国産の植物に比べると肥料の効きが悪い
3. 有効な成分は窒素、カリ、マグネシウム、鉄分類など

基本的には窒素リン酸カリの割合が等しいものか、
窒素カリの割合が多い置肥用の化成肥料で十分です。
成長力をドーピングしたい場合は同じ割合の液肥が有効です。

リン酸はオーストラリアの土壌にはほとんど含まれていないため、
全くと言っていいほど効き目がありません。
また、一部の西AZや中央AZの品種では、
リン酸による肥料あたりが発生する場合もあります。

国産の植物に比べると、鉄分やマグネシウムの補給が必要です。
ただし、マグネシウム補給の際のpHには注意が必要です。


【pH】
ほとんどの品種では弱酸性を好むものが多いです。
良くネット上にアルカリ性を好むという情報がありますが、
これらは全てガセで、日本で良く見かける品種は
全てが弱酸性を好むものばかりです。
※一部Moon Lagoonなどではアルカリ寄りのpHを好みます。

石灰やマグネシウム、カリの補給をしすぎて、
pHが上がり過ぎると、微量要素の欠乏症となる可能性があります。


【植え替え】
1. 初心者は根鉢を決して崩さないこと
2. 真夏や真冬の植え替えは避けること
3. できる限り速やかに行うこと
4. 地植えした場合は移植は不可能と思うこと

ユーカリを枯らせる大きな原因となる項目です。
ユーカリは直根性のため、移植を嫌います。
根鉢は極力ほぐさないようにしましょう。

・参考記事
http://www.eucalyptus.jp/?a=195


【寄せ植え】
1. 全面的に非推奨

ユーカリはほとんどが巨大な樹木です。
一緒に植えると根が負けて、他の植物は枯れてしまいます。
また、ユーカリ同士を寄せ植えすると、
移植を嫌う性質上、植え分けが非常に困難になります。

・参考記事
http://www.eucalyptus.jp/?a=214


【地植え】
ユーカリの多くは25mオーバーになる品種が多く、
中には70mを超えるサイズのものもあります。

地植えをされる場合には、
クスノキやケヤキを植えるのと同じ覚悟が要ります。

また、地植え後はプロでも移植が難しいです。
地植えされる場合は、もう一度良く考えてみてください。


【剪定】
1. 枝を減らすのではなく、葉を減らすこと

剪定には奥深いテクニックがあります。
私も剪定については、超初心者です。
基本情報として、下記を参考にしてみてください。
http://www.eucalyptus.jp/?a=228


【病虫害】
1. 尺取虫、蓑虫、オンブバッタ
たまにつくことがありますが、被害はさほど甚大ではありません。
オンブバッタは、雑草をなくすと、数が減ります。

2. 毛虫
滅多につくことはありませんが、シネオールの少ない品種では
イラガなどの毛虫が付くこともあるようです。

3. アブラムシ
シネオールの少ない品種などで、新芽限定でつくことがありますが、
ほとんど甚大な被害を及ぼすことはありません。

4. ハダニ
環境によっては甚大な被害がでることもあります。
そのような場合は、殺ダニ剤の散布が必要になります。
逆に風通しや日照が良く、雨の当たる場所では
ほとんど発生することはありません。

5. うどんこ病
日照が良ければほとんど発生することはありませんが、
風通しや日照が悪い場合には、甚大な被害がでることもあります。
ユーカリ栽培の共に殺菌剤というところでしょうか。。。

6. 褐班病
過湿などによる根の生育不良が主な原因です。
殺菌剤である程度、治癒することもできますが、
まずは管理方法や環境の改善が必要でしょう。


【枯死の要因】
1. 過湿による根腐れ
2. 水切れ
3. 植え替え失敗

ユーカリが枯れてしまう原因は1~3が
98%を占めているといっても過言ではありません。
また、植え替え後、1ヵ月以上が経っている場合、
過湿による根腐れが98%中の80%を占めているといえます。

水切れの場合は、すぐに気づいて水を与えれば、
比較的高い確率で復活してくれますが、
過湿や植え替え失敗が原因の場合は、
ほとんど復活する可能性はありません。

他には地虫(コガネムシ幼虫)による
根の食害などもあるようですが、
用土の乾燥力を上げると、自ずから腐食質が少なくなるため、
地虫が入る可能性は少なくなります。


その他でも気づいたことがありましたら
この記事に随時加筆していきます。

ご参考までによろしくお願いいたします。

# by eucalyptus_k | 2012-09-14 09:09 | ユーカリ(栽培知識)
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ベランダでも育てられるユーカリ10選

私もユーカリを育て始めて数年になります。

日光の良く当たる広い庭で育てれば
そんなに難しい植物ではないユーカリですが、
日照も風通しもイマイチな
マンションのベランダで栽培すると
とても厄介な植物のように思えてきます。

放置しておけばぐんぐん育つ
実家の庭のユーカリたちを尻目に、
初期の頃のベランダ栽培は本当に困難を極めました。

今でも、結構病気がちな株があったり、
パフォーマンスがイマイチだったり、
これからも、学習の余地は多々あります。

そんな中、日照も風通しもイマイチで
空中湿度が高くなりがちな

ベランダでも育てやすいユーカリ10選

を発表したいと思います。

これは、日照や風通しの悪い、
とても狭い庭やその他スペースでの栽培の場合にも
参考になるかと思います。


1. Eucalyptus rudis
暑さにも湿度にも強いユーカリ
日照が良ければ成長力がとても激しくなりますが、
半日陰の方が大人しくて良いくらいです。
病気の蔓延する我が家でも病気知らずです。

2. Eucalyptus crenulata
耐陰性がとても強く、置き場所によって
あまり成長が左右されません。
ハダニなどの被害は激しいですが、
強健で調子が良いので問題なしです。

3. Eucalyptus risdonii
何故か家ではトップクラスに調子の良いユーカリ。
見た目も美しく、とてもオススメな品種です。
逆に少し涼しいくらいの環境が好みなので、
それがベランダの環境と合っているのかもしれません。
病害虫の影響は全く受けることはありません。

4. Eucalyptus tenuiramis
これもrisdoniiと並んでトップクラスに調子が良いです。
日照が良いと、馬鹿みたいに成長するので、
半日陰のベランダくらいの方が良いくらいです。
日照が悪くても美しい葉をキープし、病虫害知らずです。

5. Eucalyptus goniocalyx
日照の良い方がパフォーマンスは格段にあがりますが、
ベランダの悪い場所でもコンスタントに健康に成長します。
精油が濃く、葉が分厚いためか、病害虫の影響は皆無です。
家では最悪のクーラー室外機前に置いていますが、
それでも特に問題なく育っている強者です。

6. Eucalyptus viridis
日照が悪いとパフォーマンス自体はイマイチですが、
何よりも病害虫の影響なしで、コツコツと成長を続けてくれます。
あまり手がかからずに健康なのがとても良いです。

7. Eucalyptus robusta
日照が良いことがベストですが、
成長力と生命力がケタ外れているため、
他のユーカリと比べると、ベランダであっても
余りパフォーマンスの低下を感じられません。

8. Eucalyptus camaldulensis
成長力が激しすぎるので、家のベランダのような
イマイチの環境でいじめ気味に育てた方が
寧ろ丁度良いのではないかというユーカリです。
※それであってもまだ成長が激しすぎます!

9. Corymbia citriodora
これも成長が激しいのでベランダくらいの方が良いです。
また冬は少し寒さに弱いので、
比較的暖かいベランダとの相性がとても良いユーカリです。

10. Eucalyptus 'Moon Lagoon'
日照の良い方が格段にパフォーマンスは良いですが、
ベランダのような環境でも、
さほど大きなパフォーマンスの低下を感じません。
ただ成長はとても遅くなるので
気長に育てていくといった感じです。


どれも強健で過湿に強い品種ばかりです。
また、耐陰性が比較的強い品種か、
成長力が激しすぎて、環境が悪い方が
丁度良いというユーカリに分かれています。

ちなみに日本でメジャーなgunnii
globulus/cinerea/pulverulentaなどは、
日照が足りずにかなり難易度が高くなります。

globulusだけは枯らさずに管理するのは
さほど難しくはありませんが、
パフォーマンスは著しく低下します。

余り良い環境を用意できないという人は
ぜひとも参考にしてみてください{#音符}

# by eucalyptus_k | 2012-07-10 18:32 | ユーカリ(栽培知識)
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