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クロロシス様症状の改善

先年から悩まされてきた
葉のクロロシス様(色素不足)の症状についてです。

この症状が発生すると、
葉が白くなり、葉脈があばら骨のように
緑に透けて見えてしまいます。

またもちろん、色素不足で生えてきた葉は貧弱で、
すぐに菌類などの影響を受けて、
角班を作ったり、酷いうどんこ病にかかり、
最終的には汚く枯れてしまいます。

一度この症状になった場合、
今日までは特に有効な対策がありませんでした。

また、この症状は発生する品種が決まっており

Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha
Eucalyptus pachyloma
Eucalyptus pleurocarpa
Eucalyptus extrica
Eucalyptus viminalis ssp. cygnetensys
Eucalyptus cordata

などの品種が主となっています。

特に一番上の二品種については
全ての株に酷い症状が発生するという有様でした。

基本の窒素、リン酸、カリ補給などを試し、
牡蠣殻石灰によるカルシウム補給、
苦土石灰によるマグネシウム補給を行いましたが
特に改善は見られませんでした。

そして、この度、Osakano Jieさんよりご提案を頂いた、
アミノール化学の微量要素8
という微量要素(主に鉄分系)の補給を行ってみました。

fancybox記事197の画像9

説明書きにあるように、
錠剤を水に溶かし、上澄みを葉面散布してから、
残りを土壌に潅水してみました。

すると!三日後にはその成果が現れました!

以下はmacrocarpa ssp. elachanthaの結果です。

クロロシスに悩まされていた葉でしたが

fancybox記事197の画像1

三日後には症状のない
丈夫な詰まった葉が生えてきました。

fancybox記事197の画像2

その他の株です。

fancybox記事197の画像3

 ↓

fancybox記事197の画像4


fancybox記事197の画像5

 ↓

fancybox記事197の画像6

写真では本当にわかりにくいのですが、
葉脈だけが残った症状が完璧に消えています。

fancybox記事197の画像7

新芽がやたら白いのは品種の特性と新芽だからです。
症状が発生しているときには
新芽の状態でもくっきりと葉脈が浮き出ていました。

ちょっと軽く症状の出ていたcordata
新芽に改善が見られています。

fancybox記事197の画像8

鉄分が不足しているなんて、
少し人間みたいだなあと思いました。

あまり、日本では話題にならない微量要素ですが、
鉄分が多く含まれるオーストラリアの土壌で
生息する植物には、重要な要素なのでしょう。

海外の植物の面白くも難しい一面を見ることができました。
何ごとも経験と学習ですね!{#炎}

# by eucalyptus_k | 2012-05-14 14:09 | ユーカリ(栽培知識)
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Trackback(0) |  Comments(4)
By Katsuya.T at 2012-05-15 10:00 x
おはようございます!
効果がハッキリ見えると、とても嬉しくなりますね(^o^)
オーストラリアの植物用に、買っておこうかな♪
By eucalyptus_k at 2012-05-15 18:31 x
Katsuya.Tさん、こんにちは!

鉄分不足といっても、全ての品種に生じるわけではありません。
何年も6号鉢で育て続けて、私の背を超えたようなものでも、
全くそのような症状を発症しない品種がほとんどです。

同じmacrocarpaでも、
原種の方は全くそのような症状は出ておりません。

どちらかというと、西AZ~中央AZの品種で
沿岸部や砂漠地帯に生息するようなコアな品種が多いように思います。

この当たりの品種は少し苦土石灰(マグネシウム)や
カルシウムを欲するものも多いようです。

とにかく、日本とは全く環境の違う国の植物ですから
色々と難しく、問題の原因を見つけるのが大変です><;
By Osakano Jie at 2012-05-15 23:20 x
eucalyptus_kさん、こんばんわ。
病気が改善方向に向かって何よりです。
根本的問題として土壌pHが少し高くなっていませんでしたか?
水道水のpHが7.5前後で、土壌が7以上のpHになると、高pH障害(アルカリ障害)になりやすく、加里、亜鉛、鉄などの吸収が阻害される様です。
逆もありで、低ph障害(酸性障害)もあります。
ユーカリの場合は品種にもよるとは思いますが、6±0.5位でしょうか?一度土壌pHを確認されるのも面白いかと思います。
By eucalyptus_k at 2012-05-16 13:17 x
Osakano Jieさん、こんにちは!

pHは全く測っていませんが、
恐らく今は少し高くなっている可能性があります。

ただ、牡蠣殻石灰を播いたのは今年が初めてですが、
この症状は昨年春くらいから既に発生していました。

私の配合用土は赤玉+鹿沼にピートを混ぜるようなものですから、
基本は弱酸性~酸性よりの用土になっていると思います。
またユーカリの酸性に変える力はとても強いようですので、
しばらくすればまた安定すると考えています。

基本的にはオーストラリア南岸地域に生息する、
cladocalyx/leucoxylon/tetragonaなどや、
パース近郊の沿岸部に生息する品種は
比較的、アルカリ耐性を持ち合わせているようです。

ただpHについては品種により異なりますし、
品種ごとに多種多様なのでとても難しいところです。
 
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