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Eucalyptus glaucescensの読み方

先日、当ブログにお問い合わせをいただき、
「グラウケッセンス」と書かれたユーカリが
何かを教えて欲しいという内容でした。

お写真を拝見してすぐに
glaucescens(グラウスセンス)だと分かりました。

このユーカリは日本で登場したときに
「グラウスセンス」名で売られていたので、
私もそのまま当ブログではこの名称で掲載していますが、
少し気になったので、海外の文献を調べてみました。

学名はラテン語の「glaucescens」という単語が元で、
白くワックスを塗ったようなという意味になります。

ラテン語では主にCの音はカ行の音になりますので、
「グラウケッセンス」「グラウケスケンス」
と読む方が正しい可能性が出てきました。

現状では「グラウスセンス」という名前が
最も通っており、良く知られているので、
当ブログでは引き続きこの名称で掲載を続けますが、
正しい読み方が他にある可能性がある
ということを踏まえていきたいと思います。

他にも学名の読み方が
わかりにくいものがたくさんあります。

正直これはかなり厄介です。
勉強あるのみ...ですね。

# by eucalyptus_k | 2016-04-07 17:42 | ユーカリ(品種知識)
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ユーカリ品種ひとくち栽培コメント その3

私の育てている全140種程のユーカリたちについて
ひとくち栽培コメントを書いています。

ただこれはあくまでも、
風通しや日照も悪い我が家のベランダで、
私のブレンド用土でスリット鉢で育てた場合の
私の個人的且つ直観的なコメントです。

他の栽培環境では良好なものもありますので、
あくまでも参考までにお願いします。


■ Eucalyptus aromaphloia(アロマフロイア)
環境さえ合えば、かなり成長の激しいユーカリ。
基本的にはブリジシアナと良く似た性質を持つが、
ブリジシアナよりもより涼しい環境を好む。
ただし高温障害にまで至ることは滅多にないレベル。
水分管理についてはシネレア等と同じで平均的。
半日陰以下でも栽培は可能だが、
葉がとても柔らかくなり、病気がちになる。
半日陰程度の風通しの良い場所で放置気味管理で問題ない。
学名のわりには香りはそこまで強くはない。
【樹高:70cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus glaucescens(グラウスセンス)
かなり涼しい環境を好むユーカリだが、
何よりもふんだんな日光が成長のキーになる品種。
初期の育苗は特に良く日光に当てて根張りを促進すること。
ある程度育ってからは水と日光さえ与えていればOK。
現地や他国のProv.(地域栽培種)が多数存在し、
それにより耐暑性などが大きく変わる。
高温障害の症状が出るものもあるが、
最もありふれたものはそこまで弱くはない。
暑い時期の吸水量はそこそこ激しいが、
夏場の過湿には少し注意が必要。
とにかく良く日光に当てることが重要。
日光が十分であれば真夏でもそこそこ動きがある。
【樹高:140cm / 鉢:スリット6号】
【樹高:50cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus decipiens ssp. decipiens(ディシペンス)
色々と実験を行ってみたが、
西AZのユーカリの中ではそこそこの耐陰性があり、
半日陰程度でもそこそこ成長は良好。
だだ、菌類系の病気に非常に弱いので、
風通し良く十分な日光に当てて育てた方が健康な株になる。
良く似たオービフォリアやウェブステリアナとは異なり、
どちらかというとレーマニーやアルビダなどの
一般的な西AZのユーカリの管理を行った方が良い。
ディシペンス系の中では最もデリケートな感があり、
海外文献によると最も乾燥用土を好むとあるが、
個人的には風通しの良い場所で、良く日光に当てて、
乾燥気味の水分管理を行っていれば、
アルビダなどと同様に楽な部類になってきている。
【樹高:120cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus decipiens ssp. adesmophloia (ディシペンス・アデスモフロイア)
ディシペンスの中では最も青みの強い葉を持つ。
我が家では少し病気がちになってしまっているが、
それでもディシペンス系の中では強健な部類に属する。
ただ意外にも冬は葉が紅葉して、傷んで散ったり、
夏の日光が激しすぎると、
少し葉焼けを起こしたりということが起きるので
我が家では最終的に半日陰で風通しの良い場所に落ちついた。
年中を通して葉を綺麗に保つのは少し難しいが、
丈夫に育てるだけであれば、なかなかしぶとく強健なユーカリ。
【樹高:140cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus decipiens ssp. chalara (ディシペンス・カララ)
ディシペンスの中では茎や新芽の赤みや黄色みが強い品種。
少し後に育て始めたので樹高は低めだが、生育は良好。
これもアデスモフロイアと同じで、
我が家ではあまりにも強烈な日光に当てているよりも、
半日陰程度で風通しの良い場所に置いている方が経過が良い。
暑い季節でも結構動きのある原種とは異なって、
我が家では比較的涼しい季節に成長を進めている。
栽培についてはデリケートな部分はあまりないが、
以前複数株を育てていた際に、菌類系の病気が多発したので、
元々病気に弱い本種の中でもさらに弱いイメージがある。
ディシペンス系は風通しがとても重要だと考えている。
【樹高:50cm / 鉢:スリット5号】


■ Eucalyptus camaldulensis(カマルドレンシス)
我が家でも最も大きな樹高に育っているユーカリの一つ。
先日脚立に乗ってバッサリやったので少し樹高が下がったが、
元々はベランダの天井に頭を打って、そこから曲がって、
また1m弱ほど伸びていたので、4m弱にまでなっていたことになる。
とにかく、我が家ではほとんど日光が当たらない癖に、
ひと夏で1メートルはゆうに成長するという激しさ。
夏場は雨の降らない限り毎日の水遣りで、
冬場も表面が乾いているのに気づいたら水遣り。
水分管理をもっと真面目にコントロールすると、
さらに葉数が多くなって健康な株になると思われる。
一度かなり水遣りを忘れていたことがあったが、
水切れ耐性もそこまで悪くない様子。
現地では川の傍の湿地帯から乾燥地帯まで、
非常に幅広く生息しているのでかなりオールマイティ。
極端な水切れ以外では枯らせる気の全くしないユーカリ。
ユーカリの強靭さを最大限思い知らせてくれる。
【樹高:280cm / 鉢:素焼き5号】


■ Eucalyptus dives(ディベス)
ずっとうまくいかないなあと試行錯誤を繰り返していたユーカリ。
決して株の状態は悪くないのだが、初期に育て始めて、
もう何年も経つのに、剪定なしで未だにこの樹高止まり。
最近やっとわかってきたのは、かなりの日光好きということと、
大阪の気候とは根本的に合っていないということ。
結論として我が家では屈指の冷涼地を好むユーカリである。
3月下旬のまだ肌寒い頃から、5月の初旬の十分に暖かくなるまでの
この短い期間にのみそこそこ激しく新しい葉を出すが、
それ以外の季節は完全ストップと言える程に動きがない。
この成長期に日光が足りないと、これまた動きがなくなる。
我が家で数年も動きがほとんどなかったのは日照不足が原因。
最近はそのあたりを改善して、年々樹高を伸ばしている。
夏場は少し日陰においても、高温障害の症状が出る程。
吸水量は非常に少ない部類に入る半面、過湿耐性は非常に高いと思われる。
以前の置き場所が劣悪で、常に用土が湿っているという状態だったが、
それでもダメージなしで問題なく今に至っている。
【樹高:60cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus robusta(ロブスタ)
非常に美味なユーカリ茶葉を産するユーカリ。
湿地帯生息種のため、かなりの水食いで過湿耐性も高く、
用土が余程のベタ土でもない限り、
このユーカリを根腐れさせることはないと思われる。
そこまで水切れ耐性がないというわけでもなく、
あらゆる面で強健で非常に育てやすいユーカリ。
ただその成長力も激しいので小まめな剪定が必要。
我が家ではほぼ日光の当たらない場所に置いているが、
それでも相応に成長を進めている。
ただ良く日光に当てた方が葉色も良く、葉数も増える。
冬は葉が紅葉して痛むこともあり、あまり寒さには強くないが、
京都市内にたくさん植わっているので、そこまで弱くもない。
沖縄での栽培が非常に良好なので、温暖湿潤な気候に合っている。
【樹高:230cm / 鉢:プラスチック6号ロング】


■ Eucalyptus crenulata(クレヌラータ)
丸葉以外で際立って葉の美しいユーカリ。
かなりの過湿耐性を兼ね備えており、強健で育てやすい。
ただ反面水切れが早く、水切れで枯らせることが多い。
前評判では高い耐陰性とあったが、実際は微妙。
確かに日光のほとんど当たらない場所でも栽培できるが、
かなり病気がちになって葉も汚くなるので、
できる限り半日陰程度の日光には当てた方が良い。
夏でも寒いくらいの地域の湿地帯生息種だが、
大阪の夏でも高温障害の症状が出ることはない。
ただ冷涼多湿は大得意でも高温多湿は嫌うようで、
梅雨~夏場に風通しが悪いと、
葉の込み合った場所に枯れが出ることがある。
本種は元々たくさんの脇芽を出して葉数も多くなるので、
あまり動きのなくなる夏前に、少し葉をすいた方が良い。
【樹高:160cm / 鉢:プラスチック7号】


■ Eucalyptus ovata(オバータ)
Oval(楕円)の葉がそのまま学名になったユーカリ。
性質はカンフォラに良く似ているが遥かに日光好き。
当初湿地帯生息種ということもあって、
あまり日光の当たらない場所に置いていたが、
ほとんど成長が進まなかった。
そこで木漏れ日程度の場所に移動させたところ、
そこから急激に成長が進み始めた。
かなり涼しい季節に成長が進み、夏場は動きがないが、
暑さや激しい日光にも耐え、高温障害の症状は出ない。
さすが湿地帯生息種と言う感じでかなりの水食い。
そこそこ大型品種なので、東北などの冷涼地で育てると、
なかなかに激しい成長力を発揮すると思われる。
半日陰以上の日光があれば枯れる気のしないユーカリになる。
【樹高:80cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus sideroxylon(シデロキシロン)
これも非常に平均的な育て方をするユーカリ。
シネレア並みの平均的な水分管理で、相応の日光を必要とする。
日光が成長のキーで半日陰以上は必要。
寒さにはそこまで強くはないが、暑すぎてもあまり動きはなくなる。
だだし高温障害や葉の蒸れによる枯れはない。
個人的にはポリアンセモスと良く似ていると感じる。
ただしそれよりももう少し日光が必要になる。
リューコキシロンの隣で同じように育てているが、
それよりも暑さや病気に遥かに強いイメージ。
幼葉には二種類の異なるタイプが存在している。
一つは糸葉になるタイプ、もう一つは、
カマルドレンシスのような幅のある槍型葉になる。
【樹高:200cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus melliodora(メリオドラ)
現地での生息地が幅広いだけあって、
あらゆる面で強健でオールマイティなユーカリ。
我が家では最大級に劣悪な場所に置いているが、
それでも痛み知らずでガンガン成長を進めている。
暑さには相当強いようで暑さによる痛みは皆無。
また樹高もあるが初期からでも相当の水食いだった。
冬場は薄く紅葉して、少し葉を散らすこともあるが、
際立って寒さに弱いという印象はない。
日光は好きなので、良く当てた方が健康な株になる。
高い空中湿度に対しても強い耐性を持っているようで、
劣悪な場所の割には下葉の痛みもほとんどなく、
樹高のわりに残っている下葉の数が多い。
これもトップクラスに枯れる気のしないユーカリ。
【樹高:300cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus dalrympleana(ダルリンプレアナ)
成長が激しくより水食いで暑さに弱いグニーというイメージ。
涼しい季節の吸水量と成長力はかなりのものがあるが、
夏場は高温障害の症状が出て、動きが皆無になる。
ただし水だけは夏場も激しく吸う。
涼しい季節の過湿にはグニー以上の耐性があるが、
一度暑い季節の日中に水遣りをして、
苗を全滅させたことがあるので、夏場の過湿には注意が必要。
毎年、春と秋にガンガン成長して、冬に葉を綺麗に保って、
夏に傷んで散らすというサイクルを繰り返している。
日光はかなり好きで、グニーなどよりも遥かに必要なので、
半日陰程度の日光が最低でも必要になる。
最近置き場所が悪すぎて、葉数が減ってきたので、
来春は少し良い場所で復活させようと考えている。
環境さえ合えば、成長も激しく強健なユーカリ。
【樹高:150cm / 鉢:プラスチック6号ロング】


■ Eucalyptus rubida(ルビダ)
パッと見はダルリンプレアナとほとんど区別がつかないが、
日光に良く当てることで、葉が丸くなり、白みが強くなる。
一方ダルリンプレアナは白みが出ることはない。
その性質もダルリンプレアナと非常に良く似ているが、
それよりも少し丈夫で暑さに強く水食いなイメージ。
ただ暑すぎると高温障害が少しだけ出るレベルではある。
総合的に見ると、成長が激しくより水食いなグニー。
夏場はダルリンプレアナほど葉が傷まないので、
あまり良い場所に置いていないが、
それでも汚くなる程の葉痛みは起こっていない。
春先の成長の激しさと比べると、夏場は全く動きがない。
環境さえ合えば、グニーよりも遥かに強健である。
【樹高:150cm / 鉢:プラスチック6号ロング】


■ Eucalyptus cephalocarpa(セファロカルパ)
何よりも日光が重要で、日光が足りないと成長が進まない。
最低でも半日陰以上の環境が必要になる。
シネレアにも似ているが、そこまで白みは強くはなく、
葉が分厚くなり、ネグレクタにも良く似ている。
実際はかなり冷涼地に生息しているユーカリなので、
少し涼しい季節メインで成長を進めるが、
高温障害や葉焼けは起こらないので、
夏場も激しい日光と風通し重視で管理をしている。
高温多湿はかなり嫌うようで、暑い中で空中湿度が高いと、
蒸れた葉がかなり痛むことになる。
吸水量は年中を通して、相応に激しい方で、
シネレアよりも吸水量は激しいように感じる。
過湿耐性はかなりのものがあるようで、過湿で傷んだことはない。
日光と風通しさえ確保できれば、かなり楽なユーカリ。
【樹高:70cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus nova-anglica(ノバ・アングリカ)
学名は少しカッコいいが、ニューイングランドの意味。
シデロキシロンのように二種類の幼葉が存在している。
一つはシネレアのような比較的丸葉に近い形の葉となり、
もう一つはビミナリスなどのようにかなりの細葉になる。
かなりの水食いで日光も大好きなユーカリだが、
冷涼地に生息しているユーカリのため、高温多湿を嫌う。
暑すぎても葉に高温障害の症状が出たことは一度もないが、
風通しが悪いと、夏場はかなり葉が傷むことになる。
場所があるのであれば、夏場も激しい日光に当てることで、
葉の白みがとても強くなり、かなり美しいユーカリとなる。
高温多湿を嫌う水食いなシネレアというイメージだが、
香りが強く、その香りの良さはシネレアを遥かに上回る。
【樹高:150cm / 鉢:スリット6号】


もし興味のある品種がありましたら、
ご連絡をいただければアップさせていただきます。

その4に続きます。

# by eucalyptus_k | 2014-08-27 13:05 | ユーカリ(栽培知識)
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蕾の近況とグラウスセンス(glaucescens)

最近どんどんと暑さが増しています。
私がメインで育てている西AZのユーカリでは
最も厄介な梅雨時期を乗り越えて、
そろそろ活発に動き出すものが出てきています。

そんな中、梅雨の一番最後に
無念にも枯らせてしまった大株もあります。
このお話は次回以降にするとして、
今日は動きのある蕾などの近況をお知らせします。

まず先日紹介したdecipiens ssp. adesmophloiaの蕾です。
この株はかなり鉢が小さく、酷い根詰まり状態にあったので、
先日、紹介した後すぐにワンサイズ鉢増しを行っています。

そのかいあってか、
蕾の成長が急激に進み始めました。

fancybox記事331の画像1

fancybox記事331の画像2

病気がちで開花できるかとても心配な
decipiens ssp. adesmophloiaでしたが、
蕾に痛みはなく、このまま順調に
開花までいけそうな気がしています。


次はイチオシのcaesia ssp. magnaです。

fancybox記事331の画像3

これもみるみる大きくなっていきますが、
元々かなり大きめの蕾なので、
我が家の日照では来春あたりになるでしょうか?

そこまで寒さに強い品種でもないので、
蕾の越冬には気を使いたいところです。


そして最後は蕾ではありませんが、
立派なglaucescensの写真です。

fancybox記事331の画像4

基本的に小丸葉の多いglaucescensですが、
日光をふんだんに浴びて、
かなり大ぶりな葉になっています。

このglaucescensはとにかく
根が張り切るまでの管理
日照がキーになっているように思います。

それに気づくまでは、タネから2年経っても
わずか30cm程度の樹高にしかなりませんでしたが、
それに気づいた後の1年半で
現在の140cm近い樹高にまで急激に育ちました。

元々どうすればうまくいくのか?と
試行錯誤していたユーカリの一つだったので、
このように順調に育ってくれると嬉しいものです。

下の写真はcinereaですが、
この大きさだととても良く似ています。

fancybox記事331の画像5

識別の仕方は色々ありますが、
葉型と粉の吹き方に若干の差があることと、
何よりも香りが大きく異なります。

日本でも少しずつ
手に入りやすくなったglaucescens
十分な日照が確保できる方にオススメです。

# by eucalyptus_k | 2014-07-30 12:23 | ユーカリ(花と蕾)
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ユーカリの発芽と事前処理

ユーカリはオーストラリアの各所に生息し、
暑いのが好きなものから、寒いのが好きなもの、
湿潤を好むものから、乾燥を好むものまで
本当に多種多様な品種があります。

その中でも特に寒いのが好きな品種で、
高山や純高山に生息しているような品種には、
上手く発芽をさせるために、
コールドトリートメント(冷却処理)
必要とする品種がいくつかあります。

この処理は、収穫仕立てのタネでもない限り、
大概は冷蔵庫などの中で長期保管されていますから、
全く行わなくても発芽ゼロということは滅多にありません。

私も数株程度確保できればいいので、
この処理をしっかりと行うようなことは滅多にありませんが、
商用などで、より多くを発芽させるためには、
この処理を工夫する必要がありそうです。

先年の秋口に下記のタネを播きました。
Eucalyptus kybeanensis
Eucalyptus glaucescens(Mallee)

glaucescensについては、
以前から育ててはいますが、
珍しいMallee(灌木)タイプのものが
新たに手に入ったので新しく播きました。

これらの品種は、比較的長い
コールドトリートメントを必要とする品種です。

どちらももちろん購入した時点で
収穫仕立てではないでしょうから、
そのまま何もせずに播きました。

私は5.5cmの小さなポリポットに
少しタネを播くくらいですが、
それでも発芽率の良いものであれば、
数えられないほど発芽することがあります。

上記の品種の結果としては、
kybeanensisがわずか3株、
glaucescensが4株という結果でした。

これは信じられないくらい悪い率です。

どちらも寒さにはとても強い品種なので、
そのまま屋外放置で育てながら、
冬を超えて、最近暖かくなってきてから、
そのポットの状態を見てみました。

すると!
信じられないくらいたくさん発芽しています!

恐らく、冬季屋外放置(水は切らしません)で
天然のコールドトリートメントが成立したのでしょう。

趣味で育てているような人は、
少し冷蔵庫でそのままタネを保管してから播けば、
発芽率は悪くとも、それなりに発芽するものです。

冷蔵庫でそのまま保管するという方法は
簡易コールドトリートメント
とでも言ったところでしょうか。

ところが実際の正式なコールドトリートメントは、
タネにしっかりと吸水を行いながら、
指定期間冷蔵保存するというのが正しいのです。

一例として、公開されているやり方としては、
湿らせた不織布などにタネを包み、
容器に入れて、冷蔵庫などで指定期間保管します。
不織布が乾いたら適宜湿らせていきます。

下記は一般的にトリートメントが必要とされている品種です。
確かにcoccofera/pauciflora/nitens/delegatensisなどでは、
冬を超えてから大量に発芽したということが何度もありました。

※期間は必要とされているトリートメントの期間です。
※☆のついている品種ではトリートメントの重要度は低いです。
※あくまでも一例で他にもあります。

Eucalyptus serraensis ... 6週間
Eucalyptus aggregata ... 4週間☆
Eucalyptus coccifera ... 6週間
Eucalyptus crenulata ... 6週間☆
Eucalyptus cypellocarpa ... 1週間程度☆
Eucalyptus dalrympleana ... 4週間☆
Eucalyptus delegatensis ... 8週間から冬季中
Eucalyptus glaucescens ... 6週間
Eucalyptus globulus ... 3週間☆
Eucalyptus gregsoniana ... 4週間
Eucalyptus johnstonii ... 4週間
Eucalyptus kybeanensis ... 4週間
Eucalyptus melliodora ... 3週間☆
Eucalyptus moorei ... 5週間☆
Eucalyptus nitens ... 4週間
Eucalyptus obliqua ... 4週間
Eucalyptus ovata ... 6週間
Eucalyptus pauciflora(亜種含む) ... 6週間以上
Eucalyptus perriniana ... 4週間
Eucalyptus pulverulenta ... 4週間☆
Eucalyptus radiata ... 2週間程度☆
Eucalyptus regnans ... 4週間
Eucalyptus rodwayi ... 4週間☆
Eucalyptus rubida ... 4週間☆
Eucalyptus subcrenulata ... 4週間
Eucalyptus tenuiramis ... 4週間
Eucalyptus vernicosa ... 6週間

多くの苗がちゃんと必要な人は、
コールドトリートメント
しっかりと行った方が良さそうですが、
気長に育てている趣味レベルの人は、
秋口にタネを播いて、水を切らさないように
そのまま越冬すれば春にはたくさん発芽しているでしょう。

この真性のコールドトリートメントですが、
保管状態や場所が悪いと、
そのままタネが腐ってしまうこともあるので、
少し気をつけてくださいね。

# by eucalyptus_k | 2013-03-26 12:21 | ユーカリ(栽培知識)
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タネ播きの適期・適温

最近色々とタネを播いていて
わかってきたことがあります。

当たり前と言えば当たり前なんですが、
ユーカリは様々な気候帯に生息し、多種多様ですから
それぞれの品種に最適なタネ播きの適期・適温があります。

良く最高気温が20℃を上回る季節が適期と言われますが、
これは全ての平均値のような感じです。

ちなみに私の環境でのお話ですので
ご参考までによろしくお願いします。

1. ニューサウスウェールズ州のユーカリ
------------------------------------------------------------
日本で良く見かけるユーカリが多い地域です

主なユーカリは下記の品種です。
cinerea/pulverulenta/bridgesiana/nicholii/polyanthemos
viminalis/globulus ssp. bicostata/scoparia/rubida
parvula/viridis/melliodora/sideroxylon/punctata

これらは一般的に良いと言われている季節で、
関西や関東の暖地ではゴールデンウィークが終わった頃
もしくは9月下旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃を上回り、
最高気温が20~25℃くらいの季節です。

ただこのグループのユーカリは
比較的あらゆる気候帯に対応でき、
それ以降のさらに暑い季節や少し寒い季節でも、
ある程度の数を発芽させることも可能です。

ただ、もちろん冬季の屋外での発芽は難しく、
真夏の最も暑い時期には発芽率だけでなく、
発芽後の生育もイマイチになってきます。


2. ビクトリア州/タスマニア島のユーカリ
------------------------------------------------------------
ビクトリア州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
南部や南部内陸部のユーカリ、その他の地域の
高山生息種などもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
gunnii/archeri/globulus ssp. globulus/globulus ssp. maidenii
perriniana/urnigera/crenulata/glaucescens/camphora
aromaphloia/tenuiramis/risdonii/morrisbyi/cordata
delegatensis/smithii/cypellocarpa/ovata/pauciflora
coccifera/goniocalyx/sturgissiana/cephalocarpa
dalrympleana/dives/nitens/neglecta/nova-anglica
polybractea/radiata/regnans/subcrenulata
brookeriana/kitsoniana

どちらかというと、暑さに弱いユーカリが多いです。

これらは1のグループよりもさらに涼しい時期で
関西や関東の暖地では4月上旬くらいからと、
10月中旬~11月くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が10℃程度まで下がり、
最高気温が20℃いくかいかないかくらいの季節です。

グループの中でも色々と差があり、
例えば、globulus ssp. globulus/goniocalyxなどは
1のグループと同じように暖かい時期でも発芽率が良く、
逆にglaucescens/tenuiramis/risdonii/delegatensis
pauciflora/coccifera/dalrympleana/nitens/regnansなどは
気温が上がり過ぎると全く発芽しないこともあります。

これらの品種は真夏などにタネを播くと
全く発芽しないか、発芽しても極めて生育が悪く、
立ち枯れてしまう苗が多くなります。

また特に涼しい環境を好む品種では、
真夏にタネを播いても発芽は完全ゼロとなり、
10月に入り、忘れた頃に続々発芽し出す
といったようなことが起こります。

このグループのユーカリは、
冬季の室内で発芽を試みると、
極めて良い発芽結果が得られています。

冬季室内の温度や湿度の状態が
これらのユーカリの発芽に良く合っているようです。

ただし、そのような場合でも、
冬季室内で栽培し続けると、苗が徒長し、
生育が悪くなるので、ある程度発芽したら
とっとと屋外に出してしまう方が良いです。
※どれも耐寒性は高いので安心です。

一部の、特に高山部に生息し、且つ湿潤を好む
glaucescensdalrympleananitensなどは、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


3. サウスオーストラリア州沿岸部のユーカリ
------------------------------------------------------------
アデレード周辺からカンガルー島付近に生息しているユーカリです。

主なユーカリは下記の品種です。
leucoxylon/cladocalyx/albopurpurea
fasciculosa/calycogona


これらは1と2のちょうど間くらいの季節で
関西や関東の暖地では4月中旬くらいからと、
10月上旬~11月初旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃より低くなる日が何日かあり、
最高気温が20℃を少し超えるくらいの季節です。

このグループのユーカリは少し暖かい季節や、
さらに涼しい季節の発芽にも幅広く対応することができます。

ところが真夏にタネを播くと、発芽率こそ悪くないのですが、
その後の生育が極めて悪くなるという特徴があります。

また梅雨時期の育苗の調子があまり良くないので、
春は少し涼しめの時期に少し早めのタネ播きを行い、
秋は少し暖かめの時期にタネを播くのが良いです。


4. クイーンズランド州のユーカリ
------------------------------------------------------------
クイーンズランド州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
北部や北部沿岸部のユーカリなどもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
citriodora/staigeriana/melanophloia/camaldulensis
maculata/muelleriana/tereticornis/robusta
grandis/coolabah


どちらかというと、寒さに弱いユーカリが多いです。

これらはかなり暖かく湿潤な季節を好み
関西や関東の暖地では5月下旬くらいからと、
梅雨時期~初夏と晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を超えだし、
最高気温が30℃に届くかどうかくらいの季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

逆にあまりにも温度が下がってきて、
最高気温が20℃を下回る季節になると
極めて発芽率が悪くなります。

これらのユーカリは一様に湿潤を好むため、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


5. ウェストオーストラリア州のユーカリ
------------------------------------------------------------
西オーストラリアだけでなく、サウスオーストラリア州の内陸部、
ノーザンテリトリーの南部など砂漠地帯のユーカリなども
このグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
全ての西AZのユーカリ/pachyphylla/gamophylla/gillii
leptophylla/socialis/oleosa/pimpiniana/gracilis

これらは最も暖かい季節を好み、
関西や関東の暖地では梅雨明け後の初夏から
真夏や晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を完全に超えて、
最高気温が30℃を超えるような季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

西AZの沿岸部の非常に穏やかな気候の地域に属する
lehmanii/pleurocarpa/pachyloma/preissianaなどは
1のグループと同じ季節での発芽もOKです。

逆にrhodantha/macrocarpa/gamophyllaなどの
暑い砂漠地帯に生息するユーカリは
最低気温が25℃を超えるような暑い季節が最も良く、
1のグループのような少し涼しい季節には
発芽率がかなり悪くなります。
※特にrhodanthaは顕著です。

どれも乾燥を好み、梅雨時期の管理が困難なため、
私は梅雨明けと同時にタネ播きを開始しています。


今回は大雑把にグループ分けしたため、
かなりざっくりとした情報になっていますが、
実際にはそれぞれのグループ内でも
非常に微妙な差が発生しています。

タネ播きにチャレンジする方は
ぜひ参考にしてみてください!{#グッド}

# by eucalyptus_k | 2012-11-06 14:22 | ユーカリ(栽培知識)
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