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西オーストラリアのユーカリ栽培のポイント

一般的に西AZのユーカリは
日本と環境が合わないため、
栽培が難しいと言われています。

確かに中には少しのミスで枯死につながるものや、
毎年同じ時期になると調子を崩すものがあり、
安心して放置できないものが多いです。

日本との大きな環境の差としては、

●絶対的な降雨量に差があること(日本の1/6程度)
●夏が乾燥し、冬が若干湿潤であるということ
●日本のような年単位での寒暖差より一日の寒暖差が大きいこと
●降雨による水分よりも地下水を吸っていること
●土壌の養分が日本と大きく異なること(日本よりも貧しい土壌)

などが挙げられるかと思います。

同じユーカリと言うことだけで、
日本でありふれたgunniiなどと
同じように栽培しているだけでは、
確かにうまくいかないこともあるでしょう。

ただ一部の難しい品種を除けば、
後はその栽培方法にさえ慣れてしまえば、
そこまで難しいものばかりではありません。

私が勝手に感じている範囲で
西AZのユーカリにはいくつかのグループがあります。
それによって若干栽培方法が変わってきます。

あくまでも我が家の栽培環境による判断ですが、
西AZのユーカリの栽培ポイントについて記します。
※あくまでも鉢植えでの管理のポイントです。

ただしあまりにも西AZのユーカリの管理に慣れ過ぎると、
植物=乾燥を好み、肥料はほぼ不要となってしまって、
私のようにパセリを枯らすことになるかもしれません。


1. 半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
最も日本と環境の差のあるグループです。
大体、難しい品種というのは、
このグループに含まれるものが多いです。

とにかく用土の選定を間違えると
難易度がさらに驚異的に跳ね上がります。

またものによっては、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものもあります。

○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○真夏はほぼ一日で用土が全乾きするくらいの配合が良い
○この配合で朝に一日一回の水遣りで夏を乗り切る
○終日直射日光に当てて育てる、半日陰は苦しい
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○荒れ地に生息しているため高pHや多肥を嫌う傾向にある
○肥料はリン酸分を嫌い鉄分や亜鉛などを多く必要とする。
○室内管理は論外

macrocarpa/rhodantha/kruseana/campaspe/woodwardii
youngiana/gamophylla/gongylocarpa/tetraptera など


2. 非常に乾燥した半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリも、
最も日本と環境の差のあるグループです。
1のグループ程、激しい日光と高温を必要とはしませんが、
用土の乾燥力はさらに強化した方が良いものが多いです。

用土の選定を間違えると難しいところは同じですが、
日照よりも風通しに気を付ける必要があります。
高い空中湿度のある場所ではすぐに葉を散らせます。

多くの品種において、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものが多いです。

○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○終日直射日光に当てて育てるのが良く、半日陰程度でもOK
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○梅雨時期の葉痛みはある程度の妥協が必要な場合もある
○夏場でもかなり水切れに耐えられるものが多い
○半日陰程度であれば夏場でも一週間程度持つものもある。
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○冬場は底面吸水が良いが1ほどは気を使わない
○肥料は1ほど気を使わないが高pHや多肥は好まない。
○室内管理は論外

orbifolia/websteriana/gillii など


3. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(高温を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。

その中でも特に高温と日光を好み、
夏場に大きく成長を進めるものが多いです。

このグループのユーカリを入門編として
育てると良いと思います。

私のユーカリ栽培方法は
このグループのユーカリを最も中心に考えていて、
我が家でも調子の良い品種が多いです。

○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものもある
○終日直射日光に当てて育てるのが良い
○半日陰程度でも栽培は可能だが成長力はかなり悪くなる
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○肥料にはそこまでうるさいものは少ないが高pHは良くない。
○室内管理は論外

albida/pleurocarpa/extrica/dicipiens/torquata/torwood
caesia/forrestiana/pachyphylla/pluricaulis
salmonophloia/uncinata/dolichorhyncha など


4. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(穏やかな気候を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。

日光は特に好きな品種ですが、
どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはあまり動きがなくなるものが多いです。

中にはあまりにも真夏の激しい日光を浴びると
少し葉焼けをするものもありますので、
半日陰強くらいでの管理が良いです。

その分、3よりも少し過湿に強いものが多いです。

このグループのユーカリも入門編として
育てると良いと思います。

私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し葉が汚くなることがあります。

○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をした方が経過は良い
○風通しの良い場所に置くことは3に同じ
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○比較的高pHに対する耐性の高いものが多い
○室内管理は論外

lehmannii/macrandra/erythrocorys/urna/grossa
accedens/crucis/lane-poolei/leptopoda など


4. 冷涼湿潤でかなり穏やかな気候を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
冬も夏も非常に温暖且つ涼しく、
少しぬるま湯的な環境で育っているものが多いです。

平均的な西AZのユーカリ栽培方法よりも
少し湿潤を好み、過湿耐性はそこそこです。

ところが高温多湿な環境をとても嫌い、
高温多湿が過ぎると、葉が激しく傷んだり、
菌類系の病気に悩まされることが多いです。

日照は半日陰程度で十分なので、
できる限り風通しの良い涼しい場所で管理します。

どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはほとんど動きがなくなるものが多いです。

冬場もそこまで耐寒性の強いものは少ないですが、
寒くてもそれなりに吸水の進むものが多いです。

私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し厄介なところもあるユーカリです。

○育苗初期は湿潤に管理しても生育は良好(育苗は楽)
○初期の育苗はなるべく涼しい季節を中心に行う
○用土は排水性の良いものを選ぶ(夏を乗り切るため)
○根をしっかり張った後は吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をして育てる
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○冬場は東AZのユーカリと同じような水遣りでOK
○肥料はリン酸分を嫌い高pHでは障害の発生するものが多い
○一部厳冬期の日中や夜間限定の室内退避は可能

preissiana/pachyloma/nutans/platypus/vesiculosa など


5. 例外-1(rudis)
-------------------------------------------------------------------------------
高い空中湿度に対する耐性もあり、
暑さに対する耐性も高いので、
楽な東AZのユーカリと同様に育てられます。

西AZのユーカリではありますが、
ユーカリ全体でもかなり育てやすい部類になります。

湿地帯生息種のため相当の水食いですが、
そこまで水切れが早いということもありません。

特筆すべきポイントは、冬の寒さには特に弱いので、
小さな間は0℃以下にならない場所に
退避して管理することが大切です。
※成長後は-5℃程度でも耐えることができる。

日照も半日陰程度で育てられます。

また高pHに対する耐性も高く、
用土を酸性にする力が強いので、
アルカリ土壌の改良にも使用されるそうです。


5. 例外-2(moon lagoon)
-------------------------------------------------------------------------------
半日陰程度の日照でも育てられます。
また過湿に対してもかなり高い耐性を持っています。

かなりの水食いで水切れに気を付ける程ですが、
排水性の高い用土を好みますので、
ある程度乾燥気味に管理した方が生育は良好です。

特筆すべきポイントは
ユーカリには珍しく高pHと多肥を好みます。

肥料をたくさん与えないと生育が悪くなり、
与えれば与える程効果が表れてきます。


そして最後に総括です。

■用土
最も重要な要素の一つです。
この選定を間違えると難易度が跳ね上がったり、
根本的に栽培が不可能な場合があります。

置き場所や栽培環境により左右されますが、
下記が一般的にオススメの用土です。

○ゴールデン粒状培養土 観葉植物用などの粒状培養土
1や2などの強乾燥を好む品種では、
ここに鉄分が豊富な桐生砂、岡山土などや、
ゼオライト、日向土、軽石などを加えて乾燥力を強化する。

○自前でブレンドする場合
硬質赤玉土や硬質鹿沼土などをベースに使用するか
上記の岡山土や日向土などをベースに使用する。
赤玉土や鹿沼土は硬質のものを使用しないと
崩れて粘土化して逆効果になる。
※硬質と名の付くものは通常の2倍以上の価格がします。

○私のブレンド用土(参考)
硬質赤玉土...3
硬質鹿沼土...2
桐生砂...2
ゼオライト(クリノプチロライト系)...2
くん炭...1


■鉢
乾燥力の強いものが推奨です。
下からも乾燥が進むスリット鉢がオススメです。

陶器系のしゃれた鉢などはオススメできません。
また根張りを考えて縦に長いものが良いです。
テラコッタや素焼き鉢などもOKですが、
素材状菌類の繁殖が進みやすいようです。
※経験上経過がイマイチ

根が十分に張り切るまでは、
全体的に株に比べて少し小さめの鉢で栽培すると
格段に難易度が下がります。

この理由は単純に鉢が小さいと
用土量が少なくなるため、
根の行き届かない範囲の用土に
無駄な水分が残ることを防止できるからです。


■日照
一部の真夏の直射日光を避ける品種以外では、
在来の植物では信じられないほどに耐性があります。
特に葉の白い粉は日焼け防止の効果もあるので、
白みの強いものは激しい日光を好むものが多いです。

ユーカリはあくまでも樹木なので、
基本は花草よりも多くの日光を必要とします。

また日光は蒸散と吸水の少ない西AZのユーカリの
用土乾燥を促す効果もあります。

株だけではなく、鉢や用土にも良く日光を当てることで、
根の成長促進と乾燥力強化につながります。
これはかなり大きく成長に差の出るポイントです。


■風通し
全体的に風通しの良さは重要です。
特に東AZのユーカリと比べると大きく差の出るポイントです。

目安は気温自体は暑くても良いので、
人間が不快になるようなジメジメした空中湿度を避けます。
風が良く吹いて外でも涼しいなと感じる場所が良いです。

私がユーカリに適したような
湿度の低い国を訪れた際の経験談ですが、
気温が30℃以上あったとしても、
長袖の白い服を着ている方が涼しいのです。
このような湿度の低い環境がユーカリには最適になります。

また周囲に他の植物や壁などがない場所の方が
格段に風通しが良くなります。
ただし強風による転倒には注意が必要です。


■水分管理
西AZのユーカリ栽培を左右するとても重要なポイントですが
用土と日照、風通し次第では
そこまで気を使わなくて良くなります。

日本の多くの植物では用土表面が乾き始めたら
水遣りを行うという指標がありますが、
それでは少し多すぎるきらいがあります。

どちらかというと用土が中の中まで
ほぼ全乾きする寸前がベストな水遣りタイミングです。

このタイミングは本当に
置き場所や根の張り具合で大きく変わります。

例えば1のグループに属するmacrocarpaでも、
用土と鉢サイズが適切で真夏に直射日光下に置くことで、
ほぼ一日で完全に用土が乾くということになります。

逆に用土の保水性が高く、置き場所の日照が悪く、
根の張りも不十分である場合には、
真夏でも一週間経っても用土が一向に乾かないこともあります。

ユーカリ全般に言えることですが、
特に西AZのユーカリでは、
用土が良く乾き、良く水を与えるといったサイクル
最も健康な株を安定して育てられる要素になります。

そのためには先述した通り、
用土と日照、風通しがキーになってきます。


■肥料
良くあるマグァンプなどの肥料は
リン酸分が多くなっています。

日本の多くの肥料は花を綺麗に咲かせるものが多いので
自ずからリン酸分が多めに設定されています。

オーストラリアの土壌にはリン酸分が存在しないため、
ユーカリにはほとんど役に立ちません。
品種によっては害にさえなる程です。

基本的に商用栽培でもない限りは
肥料を全く与えなくても栽培は可能ですが、
成長期の液肥などはある程度の効果が見込めます。

その際にはリン酸分が少ない肥料や
微量要素(鉄分など)が多いものを選択します。

我が家では根菜用のカリウム分の多い肥料なども
相応に効果が出ていることを確認しています。

また石灰や化成肥料を与えすぎると、
土壌のpHが上がって、アルカリ寄りになります。
そうなると鉄分欠乏の症状が現れることがあります。

一部、高pHを好むユーカリもありますが、
基本ユーカリは弱酸性~酸性の用土を好みます。
肥料の与えすぎによる高pHには注意してください。


まずは入門編と言われている西AZのユーカリを育ててみて、
西AZのユーカリの育て方に慣れることが先決です。

西AZのユーカリは外観の面白いものや、
美しい花を咲かせるものが多いので、
是非とも育ててみてください!

# by eucalyptus_k | 2014-09-01 17:02 | ユーカリ(栽培知識)
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今日の植え替えはEucalyptus platypus(プラティパス)

暖かくなってきて、
植え替え(鉢増し)もどんどん進んでいきます。

今日の植え替えはEucalyptus platypusです。

fancybox記事316の画像1

このユーカリは西AZに生息するユーカリで、
MalletとかMarlockとか呼ばれる、
ユーカリでは少し特殊な樹形に育つ品種です。

ユーカリの多くに生じるLigno-tuber(地際の瘤)を生成せずに、
主幹からたくさん枝分かれをした茂み状に育っていきます。

fancybox記事316の画像2

その性質はとても顕著で、他にはないくらいに
激しく枝分かれして、樹高よりも幅の方が大きくなっています。

写真の株もかなり真っ直ぐに矯正していますが、
矯正なしだとかなりの幅に拡がり、バラバラになります。

西AZのユーカリというと、激暑の環境が好きで、
あまり水を吸わない、強乾燥を好むイメージが強いですが、
pachylomapreissianaなどと同じように、
かなり涼しい季節メインで成長を進めます。

また吸水量もなかなか激しく、
東AZのメジャーなユーカリ顔負けです。

現地の文献では、湿地帯などにも生息しているようなので、
西AZのユーカリ=半砂漠という図式が
あまり成り立たないユーカリと言えます。

この株は本当に根がパンパンでもう限界だったので、
5号から6号へと鉢増しを行いました。

比較的低木での開花が見込める品種で、
花が面白くて人気のあるユーカリですので、
今年は開花が実現できるでしょうか?

花は主にはライムグリーンの花が咲くようですが、
クリーム色やピンク色の花が咲くこともあるようです。

fancybox記事316の画像3

葉は全く白みを帯びていないからでしょうか?
あまりガンガンの日光に当てすぎると
真夏には少し葉焼けすることもあります。

そのため、あまり置き場所を問わず、
半日陰くらいでも結構順調に成長してくれます。

タネ播きから育苗の間には、
立ち枯れが多発して、本当に難儀しましたが、
大きく育ってからは、とても楽なユーカリです。

日陰にも、過湿にもそれなりに強く、
面白い樹形と美しい花が魅力!
それに加えて、中々に香りが強く、
良い香りもするので、とても興味深いユーカリです。

西AZのユーカリ入門編にも最適ですし、
成長しても細葉には変わらず、たくさんの花を咲かせます。
広い庭の庭木としても面白いかもしれません。

# by eucalyptus_k | 2014-04-14 17:06 | ユーカリ(栽培実績)
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タネ播きの適期・適温

最近色々とタネを播いていて
わかってきたことがあります。

当たり前と言えば当たり前なんですが、
ユーカリは様々な気候帯に生息し、多種多様ですから
それぞれの品種に最適なタネ播きの適期・適温があります。

良く最高気温が20℃を上回る季節が適期と言われますが、
これは全ての平均値のような感じです。

ちなみに私の環境でのお話ですので
ご参考までによろしくお願いします。

1. ニューサウスウェールズ州のユーカリ
------------------------------------------------------------
日本で良く見かけるユーカリが多い地域です

主なユーカリは下記の品種です。
cinerea/pulverulenta/bridgesiana/nicholii/polyanthemos
viminalis/globulus ssp. bicostata/scoparia/rubida
parvula/viridis/melliodora/sideroxylon/punctata

これらは一般的に良いと言われている季節で、
関西や関東の暖地ではゴールデンウィークが終わった頃
もしくは9月下旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃を上回り、
最高気温が20~25℃くらいの季節です。

ただこのグループのユーカリは
比較的あらゆる気候帯に対応でき、
それ以降のさらに暑い季節や少し寒い季節でも、
ある程度の数を発芽させることも可能です。

ただ、もちろん冬季の屋外での発芽は難しく、
真夏の最も暑い時期には発芽率だけでなく、
発芽後の生育もイマイチになってきます。


2. ビクトリア州/タスマニア島のユーカリ
------------------------------------------------------------
ビクトリア州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
南部や南部内陸部のユーカリ、その他の地域の
高山生息種などもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
gunnii/archeri/globulus ssp. globulus/globulus ssp. maidenii
perriniana/urnigera/crenulata/glaucescens/camphora
aromaphloia/tenuiramis/risdonii/morrisbyi/cordata
delegatensis/smithii/cypellocarpa/ovata/pauciflora
coccifera/goniocalyx/sturgissiana/cephalocarpa
dalrympleana/dives/nitens/neglecta/nova-anglica
polybractea/radiata/regnans/subcrenulata
brookeriana/kitsoniana

どちらかというと、暑さに弱いユーカリが多いです。

これらは1のグループよりもさらに涼しい時期で
関西や関東の暖地では4月上旬くらいからと、
10月中旬~11月くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が10℃程度まで下がり、
最高気温が20℃いくかいかないかくらいの季節です。

グループの中でも色々と差があり、
例えば、globulus ssp. globulus/goniocalyxなどは
1のグループと同じように暖かい時期でも発芽率が良く、
逆にglaucescens/tenuiramis/risdonii/delegatensis
pauciflora/coccifera/dalrympleana/nitens/regnansなどは
気温が上がり過ぎると全く発芽しないこともあります。

これらの品種は真夏などにタネを播くと
全く発芽しないか、発芽しても極めて生育が悪く、
立ち枯れてしまう苗が多くなります。

また特に涼しい環境を好む品種では、
真夏にタネを播いても発芽は完全ゼロとなり、
10月に入り、忘れた頃に続々発芽し出す
といったようなことが起こります。

このグループのユーカリは、
冬季の室内で発芽を試みると、
極めて良い発芽結果が得られています。

冬季室内の温度や湿度の状態が
これらのユーカリの発芽に良く合っているようです。

ただし、そのような場合でも、
冬季室内で栽培し続けると、苗が徒長し、
生育が悪くなるので、ある程度発芽したら
とっとと屋外に出してしまう方が良いです。
※どれも耐寒性は高いので安心です。

一部の、特に高山部に生息し、且つ湿潤を好む
glaucescensdalrympleananitensなどは、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


3. サウスオーストラリア州沿岸部のユーカリ
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アデレード周辺からカンガルー島付近に生息しているユーカリです。

主なユーカリは下記の品種です。
leucoxylon/cladocalyx/albopurpurea
fasciculosa/calycogona


これらは1と2のちょうど間くらいの季節で
関西や関東の暖地では4月中旬くらいからと、
10月上旬~11月初旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃より低くなる日が何日かあり、
最高気温が20℃を少し超えるくらいの季節です。

このグループのユーカリは少し暖かい季節や、
さらに涼しい季節の発芽にも幅広く対応することができます。

ところが真夏にタネを播くと、発芽率こそ悪くないのですが、
その後の生育が極めて悪くなるという特徴があります。

また梅雨時期の育苗の調子があまり良くないので、
春は少し涼しめの時期に少し早めのタネ播きを行い、
秋は少し暖かめの時期にタネを播くのが良いです。


4. クイーンズランド州のユーカリ
------------------------------------------------------------
クイーンズランド州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
北部や北部沿岸部のユーカリなどもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
citriodora/staigeriana/melanophloia/camaldulensis
maculata/muelleriana/tereticornis/robusta
grandis/coolabah


どちらかというと、寒さに弱いユーカリが多いです。

これらはかなり暖かく湿潤な季節を好み
関西や関東の暖地では5月下旬くらいからと、
梅雨時期~初夏と晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を超えだし、
最高気温が30℃に届くかどうかくらいの季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

逆にあまりにも温度が下がってきて、
最高気温が20℃を下回る季節になると
極めて発芽率が悪くなります。

これらのユーカリは一様に湿潤を好むため、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


5. ウェストオーストラリア州のユーカリ
------------------------------------------------------------
西オーストラリアだけでなく、サウスオーストラリア州の内陸部、
ノーザンテリトリーの南部など砂漠地帯のユーカリなども
このグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
全ての西AZのユーカリ/pachyphylla/gamophylla/gillii
leptophylla/socialis/oleosa/pimpiniana/gracilis

これらは最も暖かい季節を好み、
関西や関東の暖地では梅雨明け後の初夏から
真夏や晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を完全に超えて、
最高気温が30℃を超えるような季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

西AZの沿岸部の非常に穏やかな気候の地域に属する
lehmanii/pleurocarpa/pachyloma/preissianaなどは
1のグループと同じ季節での発芽もOKです。

逆にrhodantha/macrocarpa/gamophyllaなどの
暑い砂漠地帯に生息するユーカリは
最低気温が25℃を超えるような暑い季節が最も良く、
1のグループのような少し涼しい季節には
発芽率がかなり悪くなります。
※特にrhodanthaは顕著です。

どれも乾燥を好み、梅雨時期の管理が困難なため、
私は梅雨明けと同時にタネ播きを開始しています。


今回は大雑把にグループ分けしたため、
かなりざっくりとした情報になっていますが、
実際にはそれぞれのグループ内でも
非常に微妙な差が発生しています。

タネ播きにチャレンジする方は
ぜひ参考にしてみてください!{#グッド}

# by eucalyptus_k | 2012-11-06 14:22 | ユーカリ(栽培知識)
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【ユーカリ紹介-50】
ユーカリ・パキロマ (Eucalyptus pachyloma)

記念すべき第50回目は、
スイートセンテッドの名称で呼ばれ
現地ではクリスマス・ツリーリースとしても人気の
ユーカリ・パキロマです。

◎ユーカリ・パキロマ
【学名:Eucalyptus pachyloma】
【英名:Kalgan Plains Mallee】
fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像1

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像2

このpachylomaは日本やその他各国では
とてもマイナーなユーカリです。

私も当初は全くのノーチェックで、
親愛なるこあら師匠が見つけ出してこられたのを
ご紹介いただいたことがきっかけで育て始めました。

オーストラリア以外では全く知られていないpachylomaですが、
生息地の西オーストラリアでは、スイートセンテッドの名で親しまれ、
クリスマス・ツリーリースなどに人気のユーカリです。

オーストラリアのクリスマスは真夏ですし、
このpachylomaの花期も12月~1月の真夏となっています。

このpachylomaは小さなクリーム色の花をたくさん咲かせるので、
花が咲いて、甘い香りのするクリスマス・ツリーリースとして
とても重宝されているようです。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像3

パッと見は一般的な細長い葉のユーカリですが、
とにかく、たくさん脇芽を出す性質を持っています。

また、良く太陽に当てた葉は、鮮やかなエメラルドグリーンで、
じっと見ていると、なかなかに美しいユーカリだと感じます。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像4

育苗初期には、少し光沢のある柔らかい深緑の葉が出てきますが、
そこから、十分な日光に当てて育てていると、
比較的、硬い、鮮やかな色の葉に変わってきます。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像5

逆に、あまり日光に当てずに、半日陰などで育てていると、
葉の色はかなり緑色の濃い葉へと成長します。

pachylomaは大きく育っても、4m程度の低木Malleeです。
ただMallee(灌木型)の中では、横に広がる性質が強く、
さらに樹高の低い、ブッシュ状になることも多いようです。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像6

また低木で収まる品種ですから、
鉢植えでも管理しやすく、早期の開花が見込める品種です。

pachylomaという学名は、硬い実の縁という意味です。
私はまだ花を見ていないので何とも言えませんが、
実の縁がとても硬いことが特徴のようです。

その特徴に関係しているのかもしれませんが、
pachylomaのタネはとても変わっています。
かなり大ぶりで角があり、とても硬い殻を持っています。

そのため、pachylomaは発芽が非常に困難で、
なかなか発芽がうまくいかなかったり、
発芽までにとても時間がかかったりなど、
タネ播き~発芽の間ににとても気を使うユーカリです。

pachylomaをタネから育てる場合には、
発芽さえクリアすれば、
しばらくは安心して育てられるでしょう。

その英名の通りにKalgan Plainという、
Kalgan川に面した草原地帯の
非常に限られた地域に生息しているため、
日本などではタネを手に入れるのも少し苦労しますが、
現地では栽培品種として人気があるため、
生息地が狭い割には、タネは比較的流通しているようです。

Kalgan Plain付近はとても穏やかな気候帯で、
西AZの中では比較的湿潤な環境のため、
pachylomaは少しの過湿耐性となかなかの耐陰性を持っており、
日本でもかなり育てやすいユーカリだといえます。

基本的には、一般的な西AZのユーカリと同じように、
十分な直射日光に当てて、乾燥気味に管理するのがベストです。

ただし、吸水量はなかなかのもので、
暑くなってからの水切れには少し注意が必要です。

また、穏やかで、暑すぎず、寒すぎない環境に生息しているため、
あまり暑すぎると、葉痛みが発生することもあり、
夏場は少し遮光をするか、半日陰強くらいの
涼しい環境で管理する方が調子は良くなります。

このpachylomaは菌類系の病気に
とても弱いという弱点があります。

色々と育てていてわかってきたのですが、
とにかく、ジメジメしているような
空中湿度の高い環境をとても苦手としています。

耐陰性があるからといって、
あまり暗く風通しの悪い場所で育てると、
他のユーカリには全く見られないような、
サビ病のような症状がかなりの確率で発生します。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像7

あまりに暑すぎると、少し葉痛みが出ることもありますが、
終日直射日光の当たる場所で育ててているpachylomaには、
ほとんど病気の症状が出ることはありません。

とても管理しやすいpachylomaですが、
空中湿度の管理が悪いと、高確率で発生する
サビ病だけが大きなネックになってきます。

この病気はとても伝染力が強いので、
感染した葉はなるべく早く殺菌剤で消毒し、
酷く症状の出た葉は取り除いてしまった方が良いです。

ただし、この症状で一気に枯れるようなことはないので、
pachylomaを育てていて、この症状が出る場合は、
少し環境が好ましくないよというサインだと思ってください。

pachylomaの成長速度ですが、
私の育てている西AZのユーカリの中でも
トップクラスに遅い部類になります。

さらに環境が良ければ、もっと成長するのかもしれませんが、
我が家で最もベストな株が、1年で20cm成長するかどうかです。

ただし、先述したように、脇芽はとても激しく出ますので、
上に伸びるよりも、枝数を増やし、
葉の隙間をとにかく詰めていくという性質が強いです。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像8

穏やかな気候帯に生息するユーカリの例に漏れず、
pachylomaはあまり耐寒性の強いユーカリとは言えません。

それでも40cmを超えるくらいまで育てば、
-5℃程なら問題なく屋外越冬可能です。
ただ小さな苗の間はある程度の防寒対策が必要かもしれません。

寒風さえ防ぐことができれば、全然大丈夫で、
一昨年の冬に、わずか数センチの幼苗が、簡易温室内で、
-5℃の環境下でも葉痛みなしで越冬できています。

逆に冬季に屋外の雨ざらしの場所で管理すると、
小さな株は結構枯れてしまったという話を聞いているので、
幼苗時には寒風を完全に防げるような、簡易温室の使用を推奨します。

次にスイートセンテッドとまで呼ばれている
気になるpachylomaの香りですが、
驚くほどにまで強く甘い香りというわけではありません。

ベースはシネオールベースですが、
確かに少し甘みが強く、柑橘系の香りも加わった
なかなかに良い香りを感じることができます。

また、香りの強さは弱くもなく、強くもないという感じで、
葉を強く指でこするか、葉をクラッシュすると良く香ります。

花を咲かせてみないとわかりませんが、
もしかすると、その花がとても甘い香りで、
スイートセンテッドという名称は、
花が咲いたpachylomaから付けられた名前なのかもしれません。

fancyboxパキロマ(Eucalyptus pachyloma)の画像9

非常にマイナーで知る人ぞ知るpachylomaですが、
葉の茂り具合と、葉の鮮やかなエメラルドグリーンは
なかなかに美しく、育ててみて損はありません。

もし育ててみたい方がいらっしゃったら、
現在、在庫があるかはわかりませんが、
親愛なるこあら師匠の農場でも
少数を育てていらっしゃるはずです。

枝数が多く、間が詰まっていますし、
良い香りもするのでリースなどにも最適です。

また、成長力はとても控え目で、
小さな鉢植えでも管理しやすいユーカリです。

魅力的なスイートセンテッドpachyloma
ぜひ一度育ててみてください!

------------------------------
<栽培難易度:C>
香良さ:★★★★
香強さ:★★★
成長力:★

要水分:★★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★
耐暑性:★★★
耐病虫:★
------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2012-09-04 16:27 | ユーカリ紹介
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クロロシス様症状の改善

先年から悩まされてきた
葉のクロロシス様(色素不足)の症状についてです。

この症状が発生すると、
葉が白くなり、葉脈があばら骨のように
緑に透けて見えてしまいます。

またもちろん、色素不足で生えてきた葉は貧弱で、
すぐに菌類などの影響を受けて、
角班を作ったり、酷いうどんこ病にかかり、
最終的には汚く枯れてしまいます。

一度この症状になった場合、
今日までは特に有効な対策がありませんでした。

また、この症状は発生する品種が決まっており

Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha
Eucalyptus pachyloma
Eucalyptus pleurocarpa
Eucalyptus extrica
Eucalyptus viminalis ssp. cygnetensys
Eucalyptus cordata

などの品種が主となっています。

特に一番上の二品種については
全ての株に酷い症状が発生するという有様でした。

基本の窒素、リン酸、カリ補給などを試し、
牡蠣殻石灰によるカルシウム補給、
苦土石灰によるマグネシウム補給を行いましたが
特に改善は見られませんでした。

そして、この度、Osakano Jieさんよりご提案を頂いた、
アミノール化学の微量要素8
という微量要素(主に鉄分系)の補給を行ってみました。

fancybox記事197の画像9

説明書きにあるように、
錠剤を水に溶かし、上澄みを葉面散布してから、
残りを土壌に潅水してみました。

すると!三日後にはその成果が現れました!

以下はmacrocarpa ssp. elachanthaの結果です。

クロロシスに悩まされていた葉でしたが

fancybox記事197の画像1

三日後には症状のない
丈夫な詰まった葉が生えてきました。

fancybox記事197の画像2

その他の株です。

fancybox記事197の画像3

 ↓

fancybox記事197の画像4


fancybox記事197の画像5

 ↓

fancybox記事197の画像6

写真では本当にわかりにくいのですが、
葉脈だけが残った症状が完璧に消えています。

fancybox記事197の画像7

新芽がやたら白いのは品種の特性と新芽だからです。
症状が発生しているときには
新芽の状態でもくっきりと葉脈が浮き出ていました。

ちょっと軽く症状の出ていたcordata
新芽に改善が見られています。

fancybox記事197の画像8

鉄分が不足しているなんて、
少し人間みたいだなあと思いました。

あまり、日本では話題にならない微量要素ですが、
鉄分が多く含まれるオーストラリアの土壌で
生息する植物には、重要な要素なのでしょう。

海外の植物の面白くも難しい一面を見ることができました。
何ごとも経験と学習ですね!{#炎}

# by eucalyptus_k | 2012-05-14 14:09 | ユーカリ(栽培知識)
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