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雪のユーカリ

あけましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

近所の氏神神社に初詣に行ったら、
辺りは大阪では珍しい雪景色になっていました。

神社公園に寄贈した地植えのユーカリにも
たくさんの雪が積もっています。

こちらはcladocalyx nana

fancybox記事355の画像1

こちらはmelliodoraです。

fancybox記事355の画像2

そして実家の庭のユーカリも雪まみれ。
左は寒さに強いsmithiiですが、
右では寒さには弱いerythrocorysにも
完全に雪が積もっています。

fancybox記事355の画像3

恐らくオーストラリアの生息地に生えていたら
一生涯雪を見ることはないのかもしれません。

こちらは右がperrinianapleurocarpa
そして左がmacrocarpaです。

fancybox記事355の画像4

このあたりはまだまだ頑張れると思います。

我が家のベランダの方では雪以前に
台風級の暴風で転倒する株が続出。。。
酷いものは台から落ちて鉢が割れていましたので、
寒い中、復旧のための植え替え処理を行いました。

根鉢は弄ってはいませんが、
無事に越冬できることを祈っています。

# by eucalyptus_k | 2015-01-01 16:46 | ユーカリ(栽培実績)
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冬も元気なユーカリたち

今日も実家の庭のユーカリを
いくつか写真でご紹介したいと思います。

最近我が家のベランダのユーカリの写真を
全く公開できていませんが、
在宅中は多忙で、いても夜ばかり、
なかなか写真を撮ることができません。

実家を訪れるのは、休日の息抜きに
子供を連れていくときなどになりますので、
時間ができて撮影を行うことができます。

まずは蕾のできているtorquata

fancybox記事350の画像1

fancybox記事350の画像2

これは今春も開花していましたので、
来春もピンク色の美しい花
咲かせてくれると思います。

実は我が家のベランダでも
torquataは蕾を付けていますので、
ベランダと実家共々来春は楽しみです。


開花ラッシュでおなじみのkruseana

fancybox記事350の画像3

fancybox記事350の画像4

このkruseanaは耐寒性がイマイチで
1月以降の厳冬期には、ある程度の葉痛みを起こしますが、
冬に入ってもしばらく花を咲かせています。

実家の庭では絶好調なkruseanaですが、
我が家のベランダではずっとイマイチなユーカリでした。

この前、鉢から出して見た際に、
日照不足による過湿が原因のようでしたので、
ベランダの株は、今年から敢えて鉢サイズをダウンしています。

次年度からはかなり乾燥気味の管理ができますので、
ベランダでは仕切り直しということになります。

開花には至りませんでしたが、
ベランダでも何度か蕾が付いたことはあるので、
次年度以降は楽しみなユーカリです。


銀葉の美しいurnigeraです。

fancybox記事350の画像5

gunniicinereaに似ていると言われますが、
外観ではglaucescensに近いと思っています。

gunniiなどよりも日照にうるさいユーカリですが、
日照さえ良ければ、とても育てやすく、
脇芽も吹きやすいので非常にオススメのユーカリです。
この銀葉は夏よりも冬にこそ美しく映えます。


冬も元気なツキヌキユーカリperrinianaです。

fancybox記事350の画像6

このユーカリも日照や風通しにうるさく、
少し栽培環境を問うところがありますが、
実家の庭のように風通しの良いオープンスペースであれば、
比較的簡単に育てられます。

夏はあまり成長が進まず、
葉が少し汚くなることもありますが、
これからが最も葉の美しくなる季節です。

耐寒性は非常に高いので、
葉痛みは全くと言って良い程ありません。


最後はユーカリの王様macrocarpaです。

fancybox記事350の画像7

fancybox記事350の画像8

以前はとてもレアな品種でしたが、
最近はあちらこちらで見かけるようになりました。

当初は耐寒性に難ありと思われていましたが、
基本用土が凍結するような環境でも、
毎年大した葉痛みもなく越冬できています。

大阪や東京のような暖地では、
問題なく屋外越冬できるユーカリですし、
生息地は夏季に乾燥し、冬季が湿潤となるので、
どちらかというと冬の方が管理は楽です。

これからの季節は、水もほとんど吸わず、
全く音沙汰がなくなります。


ベランダでも珍しいユーカリに
いくつか蕾ができていたりしますので、
その写真も公開できたらいいなと思っています。

これからユーカリについては
少し寂しい季節になっていきますが、
冷涼地出身のユーカリの銀葉が最も映える季節でもあります。

お時間のある時にでも、またユーカリたちの近況を
お知らせいただければ嬉しいです

寒い中ですがお身体にお気をつけてお過ごしください

# by eucalyptus_k | 2014-12-08 15:07 | ユーカリ(栽培実績)
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室内管理について

多くの人は観葉植物を室内で管理すること
ごく当たり前のことだと思っていると思います。
私も以前はそうでした。

ただ室内で管理するという行為は
植物にとっては最悪であるということは
多くの栽培ガイドにも書かれていますし、
これは間違いのない事実であると実感しています。

我が家も室内で観葉植物をいくつか育てていますし、
多くの御宅でも室内の観葉植物を見かけますが、
まあ大概の場合、その植物の状態は最悪です。

葉色も悪く、徒長して、生育も悪い。
これは屋外でそれらの植物の
本来の姿を見ると一目瞭然です。

大手ショッピングモールなどにある
観葉植物はいつ見ても綺麗だなと思いますが、
これは実は見た目が悪くなると
速攻で新しいものに変える業者が入っているからです。

園芸に興味を持った初期に
ベンジャミンなどの栽培に
少々てこずったことがあります。

その際に樹医と呼ばれる人にアドバイスを貰ったところ、

そんなもん外に出して日に当てれば速攻で復活だよ!
そもそも室内で植物を管理しようということ自体が
人間の我儘で無理のある行為なんだよ。

と嘲笑されたことがあります。

その時はちょっとムッとしたのですが、
今は全くこの方と同じ意見を持っています。


そこでユーカリですが、

ユーカリの室内栽培は不可能

私は色々試しましたが
はっきりと言い切ります。

台風などで取り込む場合も
1週間が限界ではないでしょうか?

明るい室内だから大丈夫では?
常に日が当たるし、窓も開け放っているから、
とご相談をいただくこともありますが、
常に枯れても良いなら自己責任でとお話しています。

理由は色々と実験もしてみましたが、
一番わかりやすい例は
虫を飼ってみると良くわかります。

最近鳴く虫の飼育にはまっていますが、
例えばスズムシでもバッタでも、
何でも良いので、飼育してみると実感できます。

虫は直射日光を嫌いますので、
屋外とはいっても、必ず完全な日陰に置きます。

我が家ではクツワムシを飼育していますが、
これは鳴き声が非常にうるさく、
夜間の屋外管理は騒音公害のために不可能です。

それでも何とか鳴かない日中は
必死で外に出して風通しを良くしています。

鳴き声のうるさくないマツムシの場合、
常に屋外に出していますが、
まず土の乾きの早いことに驚きます。

逆に室内で管理をしていると
いつまで経っても土がジメジメしていて、
たった1日で糞にカビが生えてきます。
屋外管理では糞にカビなど滅多に生えません。

虫の場合、屋外屋内どちらも完全日陰なので、
全てが風通しの成せる業ということになります。

次に日光についてです。
専門器具になりますが、
単純に照度計で測ってみるとわかります。

我々人間が明るいと思う室内と
暗いと思う屋外を測ってみると、
圧倒的に屋外が明るいことがわかります。

我々人間の目は大した画素数を見れませんが、
集光能力はどんな機械もかなわない
無限大の力があります。

逆にその弊害として
どこが明るく、どこが暗いのかという事実を
認識することがとても困難なのです。

それからもう一つ、ユーカリでは、
株が日光を浴びることは大切ですが、
実は鉢や用土も日光を浴びることが重要です。

これはもちろん乾燥を促し、
用土の消毒になるという効果がありますが、
特に西AZの半砂漠地帯のユーカリの場合、
非常に高い土中温度が強い根張りに影響するからです。

我が家のmacrocarpaで実験を行いましたが、
株のみほぼ終日直射日光が当たる株と
鉢や用土までほぼ終日直射日光が当たる株を比較してみました。

すると全く同じ時にタネを播いた株であるにも関わらず、
前者と後者では既に樹高に2倍近い差があり、
幹の太さや葉の大きさ、量などにも大きな差が出ています。

このように多くのユーカリでは、
室内管理は非常に都合が悪いです。

まだ、なぜダメなんだろう?という疑問がある場合、
ネットでユーカリの木が生えている写真を
いくつか検索してみるとさらにわかると思います。

一体ユーカリはどのような環境で生息しているでしょうか?
ユーカリは決してハーブ草木ではありません。
列記とした屋外性陽樹の大型樹木になります。

一部、冬季限定で室内管理が可能な品種もあります。
ただこれは下記の条件が必須になります。

■半日以上直射日光の当たる南向きの窓辺に置く
■その株の樹高や根張りがかなりしっかりしている
■それでも暖かい日には少し外の風に当てる

これを満たしていても、難易度は高めですし、
生育状況は並以下となります。

また春以降の成長のエンジンがかかる際にも
色々と影響が出てくることは否めません。

とりあえず私が実験上可能であった品種は
下記の品種になります。

●Corymbia citriodora(レモンユーカリ)
●Eucalyptus crenulata
●Eucalyptus glaucescens
●Eucalyptus robusta
●Eucalyptus camaldulensis
●Eucalyptus staigeriana
●Eucalyptus grandis
●Eucalyptus nitens
●Eucalyptus pruinosa

単純にユーカリ中でも
屈指の過湿耐性を持つものばかりです。

citriodorastaigeriana以外は
耐寒性もありますので、
室内に取り込む意味はあまりありませんね。

植物というものはインテリアやエクステリアである
という考えを持っている人は多いと思います。
一方で植物は生物を飼っているという感覚の人もいます。

私は完全に後者の考え方を持っています。
今は飼っていませんが、昔は犬を飼っていました。
私にとっては犬も虫も植物も同じ位置づけです。

そのため綺麗に見せようという剪定は最低限で、
基本的には健康上どうか?という観点でのみ剪定をします。

我が家には室内にも屋外にもたくさんの植物があります。
でもどれもインテリア的な見栄えではなく、
どこに置いてあげればその植物が健康に育つか?
という観点のみで配置しています。

そのため、人間の導線上に普通に植物がありますし、
植物のために人間が我慢することもあります。

お客様が我が家に訪ねて来られると、
大概、「家の中も外も森のようですね」と苦笑されます。

でもそうやって育てた植物には、
室内でもキラリと光る自然の美があります。
※美と取るかは人次第?ですが。

例外としてポトスシェフレラ(カポック)
かなり暗い場所でも育てることができます。

特にポトスは窓のないトイレ内などでも
意外に健康に栽培することができます。

植物に関する思い。
本当に十人十色ですね。

# by eucalyptus_k | 2014-10-14 13:08 | ユーカリ(栽培知識)
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西オーストラリアのユーカリ栽培のポイント

一般的に西AZのユーカリは
日本と環境が合わないため、
栽培が難しいと言われています。

確かに中には少しのミスで枯死につながるものや、
毎年同じ時期になると調子を崩すものがあり、
安心して放置できないものが多いです。

日本との大きな環境の差としては、

●絶対的な降雨量に差があること(日本の1/6程度)
●夏が乾燥し、冬が若干湿潤であるということ
●日本のような年単位での寒暖差より一日の寒暖差が大きいこと
●降雨による水分よりも地下水を吸っていること
●土壌の養分が日本と大きく異なること(日本よりも貧しい土壌)

などが挙げられるかと思います。

同じユーカリと言うことだけで、
日本でありふれたgunniiなどと
同じように栽培しているだけでは、
確かにうまくいかないこともあるでしょう。

ただ一部の難しい品種を除けば、
後はその栽培方法にさえ慣れてしまえば、
そこまで難しいものばかりではありません。

私が勝手に感じている範囲で
西AZのユーカリにはいくつかのグループがあります。
それによって若干栽培方法が変わってきます。

あくまでも我が家の栽培環境による判断ですが、
西AZのユーカリの栽培ポイントについて記します。
※あくまでも鉢植えでの管理のポイントです。

ただしあまりにも西AZのユーカリの管理に慣れ過ぎると、
植物=乾燥を好み、肥料はほぼ不要となってしまって、
私のようにパセリを枯らすことになるかもしれません。


1. 半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
最も日本と環境の差のあるグループです。
大体、難しい品種というのは、
このグループに含まれるものが多いです。

とにかく用土の選定を間違えると
難易度がさらに驚異的に跳ね上がります。

またものによっては、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものもあります。

○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○真夏はほぼ一日で用土が全乾きするくらいの配合が良い
○この配合で朝に一日一回の水遣りで夏を乗り切る
○終日直射日光に当てて育てる、半日陰は苦しい
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○荒れ地に生息しているため高pHや多肥を嫌う傾向にある
○肥料はリン酸分を嫌い鉄分や亜鉛などを多く必要とする。
○室内管理は論外

macrocarpa/rhodantha/kruseana/campaspe/woodwardii
youngiana/gamophylla/gongylocarpa/tetraptera など


2. 非常に乾燥した半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリも、
最も日本と環境の差のあるグループです。
1のグループ程、激しい日光と高温を必要とはしませんが、
用土の乾燥力はさらに強化した方が良いものが多いです。

用土の選定を間違えると難しいところは同じですが、
日照よりも風通しに気を付ける必要があります。
高い空中湿度のある場所ではすぐに葉を散らせます。

多くの品種において、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものが多いです。

○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○終日直射日光に当てて育てるのが良く、半日陰程度でもOK
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○梅雨時期の葉痛みはある程度の妥協が必要な場合もある
○夏場でもかなり水切れに耐えられるものが多い
○半日陰程度であれば夏場でも一週間程度持つものもある。
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○冬場は底面吸水が良いが1ほどは気を使わない
○肥料は1ほど気を使わないが高pHや多肥は好まない。
○室内管理は論外

orbifolia/websteriana/gillii など


3. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(高温を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。

その中でも特に高温と日光を好み、
夏場に大きく成長を進めるものが多いです。

このグループのユーカリを入門編として
育てると良いと思います。

私のユーカリ栽培方法は
このグループのユーカリを最も中心に考えていて、
我が家でも調子の良い品種が多いです。

○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものもある
○終日直射日光に当てて育てるのが良い
○半日陰程度でも栽培は可能だが成長力はかなり悪くなる
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○肥料にはそこまでうるさいものは少ないが高pHは良くない。
○室内管理は論外

albida/pleurocarpa/extrica/dicipiens/torquata/torwood
caesia/forrestiana/pachyphylla/pluricaulis
salmonophloia/uncinata/dolichorhyncha など


4. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(穏やかな気候を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。

日光は特に好きな品種ですが、
どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはあまり動きがなくなるものが多いです。

中にはあまりにも真夏の激しい日光を浴びると
少し葉焼けをするものもありますので、
半日陰強くらいでの管理が良いです。

その分、3よりも少し過湿に強いものが多いです。

このグループのユーカリも入門編として
育てると良いと思います。

私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し葉が汚くなることがあります。

○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をした方が経過は良い
○風通しの良い場所に置くことは3に同じ
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○比較的高pHに対する耐性の高いものが多い
○室内管理は論外

lehmannii/macrandra/erythrocorys/urna/grossa
accedens/crucis/lane-poolei/leptopoda など


4. 冷涼湿潤でかなり穏やかな気候を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
冬も夏も非常に温暖且つ涼しく、
少しぬるま湯的な環境で育っているものが多いです。

平均的な西AZのユーカリ栽培方法よりも
少し湿潤を好み、過湿耐性はそこそこです。

ところが高温多湿な環境をとても嫌い、
高温多湿が過ぎると、葉が激しく傷んだり、
菌類系の病気に悩まされることが多いです。

日照は半日陰程度で十分なので、
できる限り風通しの良い涼しい場所で管理します。

どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはほとんど動きがなくなるものが多いです。

冬場もそこまで耐寒性の強いものは少ないですが、
寒くてもそれなりに吸水の進むものが多いです。

私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し厄介なところもあるユーカリです。

○育苗初期は湿潤に管理しても生育は良好(育苗は楽)
○初期の育苗はなるべく涼しい季節を中心に行う
○用土は排水性の良いものを選ぶ(夏を乗り切るため)
○根をしっかり張った後は吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をして育てる
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○冬場は東AZのユーカリと同じような水遣りでOK
○肥料はリン酸分を嫌い高pHでは障害の発生するものが多い
○一部厳冬期の日中や夜間限定の室内退避は可能

preissiana/pachyloma/nutans/platypus/vesiculosa など


5. 例外-1(rudis)
-------------------------------------------------------------------------------
高い空中湿度に対する耐性もあり、
暑さに対する耐性も高いので、
楽な東AZのユーカリと同様に育てられます。

西AZのユーカリではありますが、
ユーカリ全体でもかなり育てやすい部類になります。

湿地帯生息種のため相当の水食いですが、
そこまで水切れが早いということもありません。

特筆すべきポイントは、冬の寒さには特に弱いので、
小さな間は0℃以下にならない場所に
退避して管理することが大切です。
※成長後は-5℃程度でも耐えることができる。

日照も半日陰程度で育てられます。

また高pHに対する耐性も高く、
用土を酸性にする力が強いので、
アルカリ土壌の改良にも使用されるそうです。


5. 例外-2(moon lagoon)
-------------------------------------------------------------------------------
半日陰程度の日照でも育てられます。
また過湿に対してもかなり高い耐性を持っています。

かなりの水食いで水切れに気を付ける程ですが、
排水性の高い用土を好みますので、
ある程度乾燥気味に管理した方が生育は良好です。

特筆すべきポイントは
ユーカリには珍しく高pHと多肥を好みます。

肥料をたくさん与えないと生育が悪くなり、
与えれば与える程効果が表れてきます。


そして最後に総括です。

■用土
最も重要な要素の一つです。
この選定を間違えると難易度が跳ね上がったり、
根本的に栽培が不可能な場合があります。

置き場所や栽培環境により左右されますが、
下記が一般的にオススメの用土です。

○ゴールデン粒状培養土 観葉植物用などの粒状培養土
1や2などの強乾燥を好む品種では、
ここに鉄分が豊富な桐生砂、岡山土などや、
ゼオライト、日向土、軽石などを加えて乾燥力を強化する。

○自前でブレンドする場合
硬質赤玉土や硬質鹿沼土などをベースに使用するか
上記の岡山土や日向土などをベースに使用する。
赤玉土や鹿沼土は硬質のものを使用しないと
崩れて粘土化して逆効果になる。
※硬質と名の付くものは通常の2倍以上の価格がします。

○私のブレンド用土(参考)
硬質赤玉土...3
硬質鹿沼土...2
桐生砂...2
ゼオライト(クリノプチロライト系)...2
くん炭...1


■鉢
乾燥力の強いものが推奨です。
下からも乾燥が進むスリット鉢がオススメです。

陶器系のしゃれた鉢などはオススメできません。
また根張りを考えて縦に長いものが良いです。
テラコッタや素焼き鉢などもOKですが、
素材状菌類の繁殖が進みやすいようです。
※経験上経過がイマイチ

根が十分に張り切るまでは、
全体的に株に比べて少し小さめの鉢で栽培すると
格段に難易度が下がります。

この理由は単純に鉢が小さいと
用土量が少なくなるため、
根の行き届かない範囲の用土に
無駄な水分が残ることを防止できるからです。


■日照
一部の真夏の直射日光を避ける品種以外では、
在来の植物では信じられないほどに耐性があります。
特に葉の白い粉は日焼け防止の効果もあるので、
白みの強いものは激しい日光を好むものが多いです。

ユーカリはあくまでも樹木なので、
基本は花草よりも多くの日光を必要とします。

また日光は蒸散と吸水の少ない西AZのユーカリの
用土乾燥を促す効果もあります。

株だけではなく、鉢や用土にも良く日光を当てることで、
根の成長促進と乾燥力強化につながります。
これはかなり大きく成長に差の出るポイントです。


■風通し
全体的に風通しの良さは重要です。
特に東AZのユーカリと比べると大きく差の出るポイントです。

目安は気温自体は暑くても良いので、
人間が不快になるようなジメジメした空中湿度を避けます。
風が良く吹いて外でも涼しいなと感じる場所が良いです。

私がユーカリに適したような
湿度の低い国を訪れた際の経験談ですが、
気温が30℃以上あったとしても、
長袖の白い服を着ている方が涼しいのです。
このような湿度の低い環境がユーカリには最適になります。

また周囲に他の植物や壁などがない場所の方が
格段に風通しが良くなります。
ただし強風による転倒には注意が必要です。


■水分管理
西AZのユーカリ栽培を左右するとても重要なポイントですが
用土と日照、風通し次第では
そこまで気を使わなくて良くなります。

日本の多くの植物では用土表面が乾き始めたら
水遣りを行うという指標がありますが、
それでは少し多すぎるきらいがあります。

どちらかというと用土が中の中まで
ほぼ全乾きする寸前がベストな水遣りタイミングです。

このタイミングは本当に
置き場所や根の張り具合で大きく変わります。

例えば1のグループに属するmacrocarpaでも、
用土と鉢サイズが適切で真夏に直射日光下に置くことで、
ほぼ一日で完全に用土が乾くということになります。

逆に用土の保水性が高く、置き場所の日照が悪く、
根の張りも不十分である場合には、
真夏でも一週間経っても用土が一向に乾かないこともあります。

ユーカリ全般に言えることですが、
特に西AZのユーカリでは、
用土が良く乾き、良く水を与えるといったサイクル
最も健康な株を安定して育てられる要素になります。

そのためには先述した通り、
用土と日照、風通しがキーになってきます。


■肥料
良くあるマグァンプなどの肥料は
リン酸分が多くなっています。

日本の多くの肥料は花を綺麗に咲かせるものが多いので
自ずからリン酸分が多めに設定されています。

オーストラリアの土壌にはリン酸分が存在しないため、
ユーカリにはほとんど役に立ちません。
品種によっては害にさえなる程です。

基本的に商用栽培でもない限りは
肥料を全く与えなくても栽培は可能ですが、
成長期の液肥などはある程度の効果が見込めます。

その際にはリン酸分が少ない肥料や
微量要素(鉄分など)が多いものを選択します。

我が家では根菜用のカリウム分の多い肥料なども
相応に効果が出ていることを確認しています。

また石灰や化成肥料を与えすぎると、
土壌のpHが上がって、アルカリ寄りになります。
そうなると鉄分欠乏の症状が現れることがあります。

一部、高pHを好むユーカリもありますが、
基本ユーカリは弱酸性~酸性の用土を好みます。
肥料の与えすぎによる高pHには注意してください。


まずは入門編と言われている西AZのユーカリを育ててみて、
西AZのユーカリの育て方に慣れることが先決です。

西AZのユーカリは外観の面白いものや、
美しい花を咲かせるものが多いので、
是非とも育ててみてください!

# by eucalyptus_k | 2014-09-01 17:02 | ユーカリ(栽培知識)
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今日の植え替えはEucalyptus albida(アルビダ)

今日の植え替えは、学名に「白」の意味を持つ、
Eucalyptus albidaです!

fancybox記事317の画像1

このユーカリは当初、
知る人ぞ知るマイナーなユーカリでしたが、
最近は随分とメジャーになり、
ネット等でも良く見かけるようになりました。

ただ、依然育てるのが難しいというクレームが多いようで、
販売者を悩ませ続けているようです。

ただ個人的にはそこまで難しいユーカリではなく、
ポイントさえ分かってしまえば、
比較的強健で西AZのユーカリの中では楽な方です。

写真の株は既に樹高が80cm程度ありますが、
この植え替えまで、スリット鉢の5号ロングで育てていました。

この時点でやっとこさ根がパンパンで、
そろそろ植え替え時だったとも言えますが、
粘ればまだまだこの鉢でいけたという感じです。

一般的な植物の鉢植えから見ると、
この樹高で5号では少し鉢が小さいように感じますし、
実際に風の強いオープンスペースに置いていたら、
簡単に転倒してしまうような状態でした。

fancybox記事317の画像2

ところがここが一つ大きなポイントになります。

albidaはユーカリの中ではかなり乾燥を好み、
吸水量もかなり少ない部類に入ります。

そのため、用土が無駄に長期間湿っていると、
根張りがうまくいかずに、生育が著しく悪くなります。

そのためには、特に初心者の方は、
ワンサイズ以上小さな鉢で育てることと、
かなり乾燥力の高い用土で育てることが大切です。

結論としては、用土の質と鉢の大きさ(用土の量)、
そして日照と置き場所さえ間違わなければ、
放置でも楽に育てられるユーカリなのです!

とはいえ、普通の観葉植物とは大きく異なり、
そのようなalbidaの特性を知らない人が、
通常の植物と同じように育ててしまうと、
育てるのが難しいということになってしまいます。

日照は真夏でも終日直射日光が推奨ですし、
用土も通常の観葉植物用土では少しキツイです。

また、とても美しいユーカリですから、
多くの人は、大体少し大きめの
陶器製の美しい鉢に植え付けます。

陶器製の鉢が決して悪いわけではありませんが、
なるべく乾燥力の高い鉢の方が生育は良いです。

ただそこに通常の観葉植物用土を使用して、
大きめの鉢で一般的な頻度の水遣りを行ってしまうと、
さすがにalbidaの性質上、枯れることも多いでしょう。

要するに決して難しいわけではなく、
しっかりと特性を理解して、その性質に合わせた栽培を行えば、
albidaは普通に育てられる植物であるということです。

もっと難しいと言われる、macrocarpa/kruseanaなどでは、
特性を理解して、しっかりとそれに合わせて育てていても、
ちょっとした失敗でいきなり枯れることもありますので、
それに比べると、圧倒的に楽なユーカリです。

fancybox記事317の画像3

ただ、少し厄介なのは、
albidaのような性質の植物の栽培に慣れ過ぎると、
その他の湿潤を好むユーカリや、
一般的な在来の植物の栽培が全然合わなくなってきます。

長年このような乾燥好きなユーカリを育て続けていると、
植物は水が要らない、乾燥やガンガンの日光が好き、
肥料も土壌改良もほとんど要らない、
という固定概念が出来上がってしまうので、
私はお恥ずかしながら、今でもパセリを枯らせたりします

人間も個人個人で性質や価値観が全く違います。
それと同じで、植物にも個々の特性があるということです。

ただユーカリに関しては、このような情報が少なく、
私のようなマニアが実地で培っていくしかありません。

albida銀葉ユーカリの至高といっても間違いありません。
日本でも随分と手に入りやすくなっていますので、
是非とも育てていただきたいオススメのユーカリです!

# by eucalyptus_k | 2014-04-18 12:05 | ユーカリ(栽培実績)
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